正月休みの日程的に少し余裕ができたので、今更ですが印象的だった部分に絞って簡単にまとめておきます。もともと東から入って西に抜けるルートを考えていて、その想定で宿も確保していたのですが、井倉洞が休日は予約制になるという情報が直前になって入り、急遽平日で組んでいる一日目を新見エリアに当てました。宿は今更変えられないのでひたすら行きつ戻りつを繰り返し、中国道の一部区間を3日続けて同じ方向に走ることに。まあ、何とかなりましたけどね。
まなびの森 新見図書館のマイケル・リン「スタンダードカラー 2024」。予想通りですが、恒久設置になったのでしばらくはこのまま。ちなみに、奈義の図書館のサンドラ・シント「未来のための宇宙論」、奥津のジェンチョン・リョウのヤマセミ、津山のジャコモ・ザガネッリの卓球場、真庭の妹島和世の椅子たちも恒久展示の予定です。
しかし、ここは施設の建物そのものがすごかったよね。お金の使い方としてこれがいいのかはなんともだけど。
ということで、いきなりメインイベントの井倉洞。橋を渡って洞窟内に入るのだが、
入口で照明・音響機材の入ったリュックとヘルメットを渡され出発。ちなみに芸術祭と関係ないお客さんも問答無用だし、単独行はNGで1人で行くとそのへんの人とパーティを組まされます。このお2人もその口だった模様。
洞内は照明を落としており、手元の照明が頼り。常時明滅し時々暗転したりするのでなかなか大変で、気分はすっかり川口浩探検隊。途中にスタッフが待機していてほんとに奥まで進むのかもう一度確認するシステムですが、もちろんそのままGo。
上まで登り切ると洞窟内に映像作品が流れていますが、とりあえず全体が作品。足腰の弱い人には勧められないけど、身に行った甲斐がありました。これだけでパスポートのもとを取った気分。
一方、満奇洞の蜷川実花 with EiM「深淵に宿る、彼岸の夢」はもう少し常識的?で洞内をカラーリングし花を生ける中国人が好きそうなスタイル。この橋を渡ると成仏できるのか、と思ったけど入口に戻るだけでした。
来週から京都市美で展覧会が始まるので、楽しみに待ってます。
東端まで戻り奈義町現代美術館へ。館の設計者でもある磯崎新の展覧会の他、
AKI INOMATAや高谷史郎の作品が展示されてたりして楽しいんだけど、
ここはやっぱり常設部分がいいよねえ。今回初めてシリンダーの周囲を回り、外からの眺めも堪能しました。で、奈義のメインは
隣のゲートボール場に設置されたレアンドロ・エルリッヒ「まっさかさまの自然」。
エルリッヒ作品はいつもぎょっとさせられるけど、これもまた強烈な体験でした。好評につき今年の2/2まで延長展示されています(さすがにそれ以上は無理だよな、ゲートボールできなくなっちゃうし)。
初日は那岐山麓・山の駅(めっちゃ良かったわ、おすすめ)に泊まり、2日目は津山へ。この地域の中心地だし会場も多くて芸術祭的にもメインの扱い。駐車場が分かりにくいのが難点ですが(駐車場のマップコードを載せてたイベントもあったので見習ってほしい)。
城東むかし町家(旧梶村邸)からタレク・アトゥイ。レバノン出身の作曲家、楽器製作者。スタッフさんに30分いたら全部の楽器?の音が聴けるよと教えてもらったけど、先もあるので半ばで断念しました。残念。


PORT ART&DESIGN TSUYAMAから、パオラ・べザーナ。作品もだけど、展示風景の写真がいかにも楽しそうで〇。
津山城のアシム・ワキフ「竹の鼓動」。造形も面白いんだけど、中に竹の楽器が多数設置されていて、いっぱい遊ばせてもらいました。
芸術祭とは関係ないけど、城の石垣から彼岸花がいっぱい生えてたのが印象的でした。
作州民芸館から、ムハンナド・ショノ「意味を失うことについて」。
城西浪漫館(中島病院旧本館)から、ビアンカ・ボンディ「森林浴」。
津山まなびの鉄道館のキムスージャ「息づかい」。機関車庫のガラスにフィルムを貼って色合いを楽しむわけだが、
普段は入れない車庫内に入れたり、普段は車庫内にいてよく見えない車両が表に展示されていたりするのが(一部の人々には)楽しいんだろうなあ。
衆楽園から甲田千晴「枯鳥」。こんなところでうちの仔のお友達に逢うとびっくりするけど、岡山の出身なのも今はドイツにいるのも知らなかったわ。ちなみに、これは海外留学前の作品なので、うちの仔と似たテイストなのも納得。
グリーンヒルズ津山のエルネスト・ネト「スラッグバグ」。ここも場所がわかんなくて苦労したけど(全体に案内が不親切だよねえ)、行って納得。
子供がいるとなお楽しかったんだろうけどねえ。
2日目の宿はホテル蒜山ヒルズ。道の駅併設なのですが、最近オープンしたパン屋が大人気で開店前から行列ができていました。皆さんどこから来てるのだろう(車中泊なのかなあ?)。
最終日はGREENable HIRUZENへ。淀テクさんも隈研吾も常設なのですが、芸術祭よりこちらの方が印象的でした。
しかし、隈建築のお約束で風雨に晒されている部分は(寄ってみると)それなりにへたっていて、先が心配。ミュージアム内部とかは素晴らしんだけどなあ。
奥津渓。例年でも無理な時期だけど、まだまだ暑くて紅葉は全然。それでもまあ絶景ですね。で、そこに展示されていたのが
立石従寛「跡」。でも、やっぱり紅葉の季節に来たかったよねえ。それならそれで人が多くてゆっくり見られず不満たらたらのような気もするけどさ。
奥津振興センターのジェンチョン・リョウ「山に響くこだま」。ただ、
ここは庭でやってた地元作家の陶芸展の方が良かったな。
最後に勝山町並み保存地区に向かい、妹島和世のイス友さんを見て終了。
ここも作品以外の部分がなかなか面白くて、応援したくなる町でした。またやってくれるかなあ。