アジャンタは最初に石窟寺院壁画を見たところで、それなりに思い入れがある。このころは自分の引き出しの中に何もなく、何を見たのかよく覚えてないのだが(石窟よりも乾燥した大地がやけに印象的)、たまたま法隆寺金堂展を見た直後でもあり、結構面白い。現地では部屋が暗いこともあってもっとくすんだ色だったと思ったら、修復のミスでほんとにくすんだ色になっているのだか。困った話である。観光客がたくさん来て退色するのも困りものだが(かといって完全に拒否されても寂しいが)、プロの仕事がそれではまずいなあ。
さて、シギリヤ・レディである。スリランカはブータンと並んで楽しさ横綱級だったのだが、やはりシギリヤ(とキャンディの仏歯寺)の印象は強く残っている。杉本はアジャンタでは壁画をトレースし、シギリヤではスペースの問題もありスケッチから模写を描き起こしたそうだ。そのためか、アジャンタの壁画に比べるとレディたちの表情が日本画的。もともとインドに対してのスリランカと中国に対しての日本は立ち位置が近く、日本画的ではあったのだが。とにかく、現地まで行って岩山に登らなくてもレディたちに会えるのはありがたい。常設展の特集陳列で客も少ないし、堪能しました。
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