2018年1月31日

栗野岳温泉 南洲館

今回のお宿は栗野岳温泉南洲館。鹿児島県最北の温泉宿です。
ちょうど霧島界隈でアートフェアをやっていて、並んでいる木像はチェーンソーアートの作品なのだが、いきなり「日本秘湯を守る会」だよ。
車から降りて荷物を整理してると、おねえさんに「どうぞ」と声をかけられて中へ。フロントで宿帳を描くのかなと思ったらそのままずんずん奥へ。温泉の説明とかあって部屋の中まで案内され夕食の時間を決めて「ごゆっくり」。驚いたことに、この間一度も名前を尋ねられなかった(もちろんこちらからも言ってない)。シーズンオフの平日で宿泊客はわしらだけだったのだが、日帰り温泉の客も来るだろうにそれですんじゃうのがすごい。「南洲」は西郷隆盛の号でゆかりの湯なのだが、大河ドラマも始まったというのにこの客入りで大丈夫なのか? ちなみに、遠来の客はわかんないけど近所の人はそれなりに温泉に入りに来るようで、浴室でもお会いしたし、番台?の中にはお風呂セットが並んでいた。
南洲館はこの温泉の1軒宿で、それぞれ別棟で泉質の異なる温泉が3ヵ所(と内湯だが、冬場で湯量が少ないとかで使えず)。こちらは最も凶悪?な「竹の湯」、強酸性の泥湯で、鹿児島県本土では最も酸性度が高いらしい(ということは離島にはもっと凶悪な湯があるのか?)。とにかく、危険、長時間入るな、飯食ってから入るな、など注意書きがいっぱい。と言いつつ夕食後に行ったんですけどね。いい湯なんだけど、肌が痛くて言われなくても長時間は無理です。
こちらは「桜湯」、単純硫黄泉でやや白濁しています。ここが一番好みで翌朝も入浴に行きました。もう一つは天然の蒸し風呂。外気温が低いので室温もやや低めだったけど、サウナは苦手なのでこれでちょうどかな。
夕食はなかなか豪勢で、温泉の蒸気で蒸しあげた蒸し鶏が名物というのでそれもつけてみたら、
こんなでした。2人分ではあるんですが、普通に鍋と陶板焼きがある夕食につけたらなんぼなんでも多いわ。すごく柔らかくっておいしいし、このご時世に野菜がふんだんにある(当然うまい)のも嬉しいんだけど、とてもじゃないけど食べきれませんわ。残念。ちなみに、朝食はおとなしめでした。
ここは自前の「地獄」を持っているので、チェックアウト後に行ってみることに。蒸し風呂の横の道を山の方に入っていく。
説明書き、
道のあちこちから噴気が立ち上る。着く前から硫黄の臭いがプンプン。
林の向こうから大量の湯気が、
頼んない橋を渡ると、
八幡地獄。言われなくてもこれは立入禁止だよな。
この日の最低気温は-8℃で「山の中とはいえ鹿児島でこれは珍しい」という話だったんだけど、期待していた霧氷は見つからず残念。
石が積んであるのは地獄のお約束ですかね。

2018年1月30日

西都原

小丸川の南、一ツ瀬川の両岸の段丘上にはいくつもの古墳群が知られているが、その中でも最大(というか日本最大級)のものが西都原古墳群。東西2.6㎞、南北4.2㎞にわたって311基の古墳がひしめいている。実はここに来るのは(85年、96年に次いで)3度目で、宮崎に来たら寄らねば、みたいになっている。馬鹿だねえ。
公園の一角でコンビニで買った昼飯を片付けた後、ガイダンスセンターで自転車を借りる。これがまた、いちおう名前を書かされるだけで身分証の提示を求められるわけでもなく、保証金をとられるわけでもなく、もちろん料金はタダで実におおらか。石室の中を見学できる場所が3カ所あるからと教えられ、とりあえずそこを目指す。
鬼の窟古墳。周囲に土塁を持つ円墳は日本唯一らしい。前回来たときは石室は月2回公開だったけど、今は常時開いてます(博物館が休みの日は閉まっているとの情報もあるけど未確認)。ちなみに横穴式石室を持つのは西都原ではここだけ。
内部、きれいに復元されています。
あちこちに「登らないでください」と書かれているが、これはどう見ても子供が段ボールに乗って滑り降りる場所だよなあ。
南九州にはいったん下方向に掘り進んでから横穴を掘る「地下式横穴墓」というスタイルの墓があるのですが、坂元ノ横穴墓群では発掘現場にそのまま屋根を設け保存公開を行っています。
建物内にある墓道は6本。6号墓道には2つの横穴があり、
6-2号墓からは刀子、耳環、須恵器の他、40~50歳と思われる女性の人骨が出土しました。現在横たわっている人骨は当然レプリカ(本物は博物館で見ることができます)。
もう一つは第1古墳群にある13号墳。柄鏡式の前方後円墳です
内部にあるのは当然レプリカなのですが、三角縁神獣鏡をはじめ出土品はやはり博物館で見ることができます。
でも、ここの見どころは小ぶりの古墳が寄り集まってる光景ですよね。季節的なこともあってゴルフ場かなと思うような風景ですが、これらの細かい隆起がみんな古墳。
やっぱり楽しいわ。 

その後、博物館に行ってみたのですが、以前あった資料館に比べると格段に整った施設で、しかも入場無料。お金よりまずは入場者数の確保ということなんでしょうけど、太っ腹ですわね。予定もあるので早々に撤退しましたが、時間があればもっと色々楽しめそうでした。また10年たったら来る、のかなあ。体力的に厳しい気がするけど。

2018年1月29日

高鍋大師

本来は麓からアプローチするのが正解のような気がするけど、とりあえず上の駐車場を目指す。それなりに下調べはしてあったけど、ほんとにここに突っ込むのみたいな道をずんずん登っていくといきなり古墳が顔を出し、そこそこ広い駐車場が広がる。海の方に目をやると、

おおお、いっぱい立ってますがな。
解説を読む。地元の名士岩岡保吉さんが1928年から八十八ヵ所霊場巡りとして制作を開始。完成後も1977年に87歳で亡くなるまで石像の制作を続けて今に至る。観光地化されたのはここ数年のことのようだ。


巨像ももちろんいいのだが、
小さな像もみんな味がある。
なぜか普通の墓があったりもする。

持田古墳群のあるこの土地は小丸川の段丘上で、縁に立つと眼前に日向灘が広がる絶景である。気温は確かに低いのだが、風もあまりなく空には雲一つなく南国の陽射しが降り注ぐ。ここまで来てよかった。
麓の方に少し降りてみる。
本来の主題の八十八ヵ所は遊歩道に並んでいる。思った以上に整備が行き届いている。冬だからこんなだが、春になったら花盛りなんだろうなあ(でないとあんな広い駐車場はいらない)。


極め付けがこのトイレ。観光地のトイレとしても非常に立派。管理面とか逆に心配になってくるほど。せいぜいみんなで出かけて地元にお金を落とさないとなあ。
帰りがけに麓の道路から撮ったのがこれ。やっぱりこちらから登るのが正解のような気がしてきた。また行く、ことはないか、さすがに。

2018年1月28日

九州遠征の話はまた後で

金土曜に南九州に行ってたんだけど1回で終わりそうにないのでとりあえず今日の話だけ。

第30回京都美術文化賞受賞記念展
京都府新鋭選抜展2018 @京都文化博物館
最優秀の釜さんの作品は画像見て「え―これなの」とか思ってたけど実物はとんでもなかった。

京都府新鋭選抜展2018選抜作家2人展 @アートンアートギャラリー
「百貨展」こちらイラストフロアでございます。
THE WALL GENETO×DOHJIDAI @同時代ギャラリー
渡部慶二郎 メタルワーク展
LINK展15 スピンオフ展 DISTURB THE UNIVERSE @ギャラリーマロニエ
松永彩展 @ギャラリーにしかわ
第5回続日本画新展 @美術館「えき」KYOTO

ついこないだのような気がしてるけど、現行(4代目)の駅ビルももう20年になるんだなあ。

2018年1月21日

明日からはまた寒いそうだけど

新作家集団展
京都教育大学/大学院 卒業制作展 @京都市美術館別館
時間調整で入ったんだけど、気に入ったのを1点だけ紹介しておきます。小藪佳苗「ぞろろ」。

まあこのパターンはツボってだけなんですけどね。

文化庁メディア芸術祭京都展 Ghost @ロームシアター京都
みんな言ってるように地下の高嶺さんは良かったけど、個人的には和田永のオープンリールの作品が好き。

ゴッホ展 巡りゆく日本の夢 @京都国立近代美術館
事前の案内の通りでゴッホと日本とのかかわり(ゴッホ死後の日本からのアプローチも含む)が主題。の割には会期はじまったばかりなのに混んでいるのは流石ですね。あと、4Fにいつもより人が多かったのも嬉しい。ゴッホ見に来るような人には森村さんの作品は面白いよねえ。さすがに国立の美術館で会期はじまったばかりだから(昨日とは違って)毛利さんの作品もちゃんと動いてたし(一方で結界もしっかり張ってあったけど)。

むらたちひろ展 満ちひきは絶え間なく
日下部雅生作品展 掛け外す棧 @ギャラリー恵風
五十嵐英之展 交叉する点 溢れる絵具 @MORI YU GALLERY
柏原えつとむ展・想図「Sの迷宮」 @ギャラリー16
荒川朋子展 たましいホイホイ @KUNST ARZT
山部泰司 海の見える処へ @ギャラリーモーニング
行ったら昼間からレセプションやっていてお昼がまだだったのでちょっと惹かれたんだけど、予定もあるので参加は見送り。

吉永朋希 個展 約束のスペクタクル @同時代ギャラリー
友枝望 Comparisons @ギャラリーパルク
移転後のパルクにやっと行けた。どんどんばらけていくので回遊コースが組みにくくなるなあ。

藝文京展 @京都芸術センター
虹の36年—アートスペース虹の活動を振り返る @京都芸術センター
本日のメイン。ヤノベケンジ、やなぎみわ両名に原久子さんが虹を語るわけで面白くならないわけがないが、予想にたがわず濃密な2時間でした。内容について少しくらいはまとめてもいいんだけど、後日きちんとしたまとめが出るそうなのでそっちを待ちたいと思います(と言いつつ写真は載せときます)。個人的には(虹さんとは関係ないけど)昔の展覧会の映像で三条通りを京阪電車が走ってるのが胸熱でした。

2018年1月20日

ちょっくら遠出

ちょっとだけ早起きして岡山へ。

坂田源平木彫展 いとしき動物たち @瀬戸内市立美術館
芸風もあってあまり大物はいないんだけど、とにかく数が多くてそいつらがみんな個性がたっている。いつものように基本笑ってるんだけど、怒ってるやつまでいるんだから。 展示の仕方もマル。夜のレセプションの方に出れば写真も撮れたんだろうけど明日も忙しいから仕方ないし、朝一で展示室貸し切りだったのでそれはそれで満足です。

S-HOUSE Museum 2017
年末の伊東さんの個展でここの話を聞いて、岡山まで行くんだから何か抱き合わせが欲しいよね、と言ってたのにピッタリ、ということで足を伸ばす。SANNAの初の木造個人住宅(を周防貴之さんが改修)という建物も(住みにくそうだけど)面白いし、展示されている作品も(一部勘弁してよというものもあるけどそれも含めて)楽しい。動く作品がいまひとつうまく動いていないのもご愛敬。とりあえず階段のプラレールが動いててよかった。(同じ作家で)10年にわたり毎年作品を増やしていくという設定で今年もGWくらいに新作がお目見えするとか。瀬戸芸のついでとかでまた立ち寄れるといいねえ。

2018年1月15日

チャングナラヤン

バクタプルで街道を折れ北に向かった丘の上に立つのがネパール最古のヒンドゥー寺院チャングナラヤン。
田園風景の中を進み丘を登り切ると、
駐車場の奥にゲートが。多くの施設と同様に外国人は有料です。
参道にはお土産物屋がびっしり。


もう最後なんだから少し買い物しても良かった気がするけど、もうそんな元気なかったな。
本殿。関連宗教団体と思われるツアー客がいて、うちのガイドさんがカメラマンに。
これは地震で壊れた、のかと思ったら初めから未完成だったそうで、それにまつわる伝承も語ってもらいました。
ちなみに出来上がるとこんな感じ。本殿の四方にはゾウの他にもライオンやグリフィンの像もあってなかなか国際的です。
地震のダメージが大きいのですが、ここは柱がなかなかの見もの。




こちらのガルーダに乗るヴィシュヌは10ルピー札の図案に採用されていて地元では有名らしいです(平等院鳳凰堂みたいなものか)。
建物の修復も道半ばなので、山車は壊れたまんま。
これで観光は終了。カトマンドゥに戻りタメルでお土産仕入れて日本へ。