2009年3月29日

妙心寺展

博物館に着くと、周囲に観光バスが集結し、善男善女がぞろぞろ降りてくるのを発見。会場前で「一般の方ですか?」と声をかけられる始末。まあ、こういうイベントがあると信者の人は大変だわな。で、会場内もすごい人なのだが、善男善女の方々は特に展示品には興味がない(?)し、集合時刻も決まってるためさくさく流れるし、展示ケースの前は逆に空いてたりして意外と快適。後半にかかるころにはガラガラ。まあ、別にいいけどね。展示内容はそれなりに面白うございました。ビーズの天蓋が素敵。

2009年3月28日

ムーミンファミリーパスタ

グッズもあれこれ買ったのだが、とりあえずパスタを食してみた。

普通にうまいが、ソースを絡めてしまうと柄がわからなくなる。ちょっとどうかと思います。

ムーミン展

子供のころ、家に講談社のトーベヤンソン全集があったので、収録されていなかった「小さなトロールと大きな洪水」と「ムーミン谷の十一月」以外は結構読み込んだ覚えがある。「楽しいムーミン一家」は英語版のペーパーバックまで持っていた(高校の英語教師が何でもいいから1冊原書を読めとうるさかったので、文章が平易で日本語訳が手元にある本として買った)。

察するに、「小さなトロール」が収録されなかったのは、絵柄が固まる前の作品でアニメの画とかけ離れていたためだろうが(「十一月」は全集が出た後に出版された)、それ以降でもペンで細かく書き込まれ、ややとんがった絵柄はアニメ版とはずいぶん違う。どちらが僕にとってのムーミンなのかはちと難しい。さすがにアニメ版かなあ。

今でもそうだが、ちょっと斜に構えたあまりかわいくない子供だったので、中学生のころ「将来なりたい職業を書きなさい」というアンケートに「年金生活者」と書いたりしていた。で、もっと前の時期になりたかったのが「スナフキン」だ。あの生活臭のなさが大好き。スナフキンは釣りをしてたりはするけど、基本「労働」はしない。普段は釣った魚などを食べるにしても、ギターの弦だって買わなきゃならんし何らかの収入は必要なはず。でも、ギターを弾いてるときも帽子はかぶったままで、ひっくり返して地面に置いたりしない。出自はわかってるから、別に親の遺産で食べてるわけではない。スナフキンがムーミン谷にやってくるのは春から秋までで、みんなが冬眠する冬場は谷を出て行く。彼はきっとその間に何がしかの仕事をして、生活の糧を得ているのだろう。凍てつくフィンランドを離れスペインかイタリアあたりの港町で仕事に精を出すスナフキン。これはこれで素敵だと思うが、谷にいるときのスナフキンはそういった部分はおくびにも出さないのだ。実にカッコいい。なんかイチローみたいだなあ。

ムーミン展は今から1年かけて全国を回ります。お近くに来たときは贔屓にしてやってくださいませ。

(追記)
「小さなトロール」は出版後すぐに絶版となり、再版されたのは「十一月」より後なんだそうな。それじゃあ無理だわ。

「デザイン満開 九州列車の旅」

いや、これはこれで楽しいんですけど、これはやっぱり実物に乗らないとダメだよね。ああそれなのに、来月も別府の混浴温泉世界に行く予定だけど、マイレージ消費旅行なので飛行機。

先日ふと気付いたんだけど、もうとっくにフルムーンパスが使える年齢になってるんだよね。九州は周遊券では新幹線に乗れないみたいだからこれを使うべきだろうけど、問題は夏休みの時期には設定がないことだよなあ。

ついでに、住生活グループ株もだいぶ値を戻してきたけど、我が家ではまだ含み損を抱えています。

ジョアン・ミロ展

入って正面にロビー(?)があって、そこで展示の全体像を解説、周囲に放射状に展示室が並ぶ、というなかなか凝った構成なのだが、わしらも含めてお客さんはいつも通りに右から順番に回遊し、途中でロビースペースに気付く。まあ、仕方ないけどね。それで面白さが減るわけでもないし。

あまり見かけない立体作品なんかもあって面白かったんだけど、あえて言えば、ミロはこうやってたくさん並べるより、パブリックスペースに単独で飾ってある方が意外性が強調されてかっこいいと思う(だったらわざわざ神戸まで見に行くなよ)。

2009年3月26日

収穫

先日のアートフリーマーケットで購入した作品が本日到着。楽しいのでアップしてみました。



作家さんは森香織さんという人で、精華の学生さん(西洋画?)みたいですけど、よくわかりません。そういえば、画のタイトルも聞いてない(あるのか?)。衝動買いですね。「ぎょっ」の娘がお気に入り。

で、ノートの落書きみたいな作品なんで、これをどうしたものかが悩みどころ。はしっこに味があるので額装はちと難しそう。掛け軸にしたら素敵だと思うんだけど、インクは裏打ちするときににじんじゃうらしいので却下。結局、取り込んだ画像をプリントアウトして壁に両面テープで貼る、ことになりそう。原画はお蔵入りですね。ちょっと残念。

(追記)
作者からの連絡によると、特にタイトルはないが、仮に「かんさいルーフ」と呼んでいたそうです。仮とは言っても、お馬ちゃんの牧場名じゃないからオーナーが勝手に別の名前をつけるわけにもいかないし、とりあえずこいつは「かんさいルーフ」ってことで。

2009年3月25日

府庁旧本館 春の一般公開

昼間に行くと渋滞で動けなくなる恐れがある(府庁近辺ではなく近所で)ため、期間中に3日設定されている夜間公開に行ってきた。

京都府庁旧本館は1904年竣工の(現役で使われているものでは)日本最古の官公庁建物で重要文化財。ここのところ春の公開では美術展や各種演目が開かれていてこちらが目当てで行ったのだが、主役はやはり中庭のしだれ桜。周囲のソメイヨシノはまだまだですが、こちらは7分咲きくらいで見ごろを迎えており、圧倒的な存在感を持っています。夜は人も少ないし、ちょっと寒いけど堪能。ECHO TOURの方では高橋涼子さんの髪の毛の彫刻にちょっと嵌っちゃいました。

帰りに渡月橋から見ると、中之島のしだれ桜もちょうどいい感じですね。

2009年3月22日

「千家十職×みんぱく:茶の湯のものづくりと世界のわざ」

千家十職。知識としては知っていたが、そのものづくりの世界を俯瞰して眺めるのは初めて。それだけでも面白いのだが、今回の展示は十職の方々に実際にみんぱくの所蔵品を見てもらったうえで、それぞれの感性で資料を選び展示を組み立てると共に、それに触発された新作を披露する、というもの。4年前の「きのうよりワクワクしてきた。」展の茶の湯版。案内を見たときにはまったくピンと来なかったのだが、展示場に入ると、特に1階後半のコラボレーションを見ると圧倒される。利休が生きたのは舶来品がどんどん(有力者の)日常に入り込んできた時代であり、その中で虚飾を剥ぎ取った諸物の本質を捕らえたのが茶の湯である(って言い切っていいのか?)。民芸運動を持ち出すまでもなく、茶道具自体が研ぎ澄まされた日常の道具であり、その美を追求してきたプロの人々による展示構成である。面白くないはずがない。限られた空間の中で実にいろんなことを考えさせる、いい展覧会でした。

2009年3月21日

「毛主席と共に」

同時代ギャラリーには別の催し(にこにこ^^/STUDIO☆PIP)を見に行ったのだが、こちらに嵌っちゃいました。三方を同時に見つめる毛主席(の胸像)の圧倒的な存在感。色彩がすばらしい。参りました。

京都アートフリーマーケット2009春

いろいろ日程が合わなかったため今回やっとこさ参加。思ったよりブースは多め。小物の物販がほとんどでいわゆる「作品」はほとんど見かけず、どっちかというと手作り市のノリでした。舞鶴なんかの方が唖然とするものは多くて楽しいけど、事情がわかれば(即売会とか学祭のノリで)結構楽しめます。で、絵葉書2枚、線画1枚お買い上げ(あと、湯飲み)。

今年は金曜日も祝日に当たった上、好天にも恵まれ、人出は多かったようです。もっとも、景気がこんななので、売り上げの方はわかりませんが。あと、明日は雨みたいだけど、路上のブースの人々はどうするのかねえ。

2009年3月15日

「椿昇 2004–2009: GOLD/WHITE/BLACK」

1階ロビーのICBMを模ったバルーンが強烈。これで納得してしまうせいもあって3階の展示の印象は薄い。図録も強烈だが、展示とはやや離れた作品として成立しており、購入はひとまず保留(後から買うかも)。しかし、ロビーを見て図録を買うだけなら入場料は要らないんだよなあ。これだけのものを作っておいて会期が6週間弱というのもなんなんだか。もっとも、バルーンは本来は直立して展示するために作ってある(ただし先端が地、噴射口が天を向くのが正しいとか)そうだから、再展示される日もいずれはありそう。心して待て。

「京の町名とその由来」

京都芸大デザイン科の学生さんの作品展。まちづくりセンターの講義を元に図案化したもの。内容もあるのか木版画風のデザインなのだが、近寄ってみると素材はさまざま。色使いもあってモノクロのチラシとは印象が変わってくる。常設部分や地下のまちかどアルバムパネル展も良くできていて、思ったより楽しめました。狐と狛犬がかわいい。

「ひと・まち交流館 京都」は菊浜小学校の跡地に出来た真新しい公共施設のひとつ。京都の番組小学校はもともと住民の金で建設・運営されていたもので、市の財政が厳しいからといって更地にして売り払うのは難しい。住民がこれで納得しているのかはよくわからないが、このご時勢に公共性を前面に出した施設が都心に続々誕生する(まだ再利用の方法が確定していないところが10ヶ所控えている)あたりが京都という町の奥の深さなんだろうなあ。

服部正志展

本日最終日。人型をモチーフにした作品群。キーホルダーを連ねたのれんがgood。我が家にも欲しい。

2009年3月9日

-十牛図に挑む- MAYA MAXX 展

十牛図というやつは禅関連の展覧会でちょこちょこ見かけるのだが、最初の方はなんとなくわかるしフムフム言って見ていられるものの、最後の3枚くらいで頭を抱えてしまう。悟りにいたる道筋を描くのだから凡夫に理解できないのも当然なのだが、今回、MAYA MAXXの現代語訳つきの十牛図を見て、初めてわかったような気になれました。もっとも、その時にそんな気がしただけで、今考えるとやっぱり何のことやらさっぱりわからないのですが、、、もう少し精進しますわ。とりあえず、「ありがとう」。

2009年3月8日

さて、大山崎 ~山口晃展~

本日最終日。しばらく前から大山崎山荘通信に山口さんのマンガが載ってたりして、結構楽しみにしていた割には楽日に滑り込みセーフ。さすがに混雑してました。

もちろん画のうまさがあっての話なのだが、山口さんの魅力は本歌取りの妙。新館の打ちっぱなしのコンクリートに矩形のライトを当てて「作品」にしたり、おなじみの画題(洛中洛外図とか)を当世風に仕立てたり、茶室や柱華道、山荘秘密基地といったこの地に根ざしたネタを披露したり、存分に楽しめました。馬頭単車に乗った摩利支天や野点馬もいいけど、やっぱりマンガだなあ。「自転車隊のうた」をぜひ披露してほしい。

2009年3月3日

おまかせ1日ツアー(2)


午後はスノーシューでのハイキング。この会社は例年だとフレペの滝でもクロスカントリースキーを使うそうだが、今年は雪が少ないため他社同様にスノーシュー(西洋かんじき)を使用。

林を抜けて草原(この季節だから雪原か?)に出ると、あきれるほどエゾシカがいる。
パッと見は平山先生の描くシルクロードみたいですね。
親子、だそうな。
冬の間はえさが少ないので、シカは木の皮を主食にしている。食べ過ぎると枯れてしまうので、シカが増えすぎるのは実は大きな問題。温暖化のため本来は冬を越せないはずの弱いシカが生き残り、生態バランスが崩れかけている。かといって、世界遺産区域だから間引くのもままならないようだ。自然保護ってのはなかなか奥が深い。ちなみに、こいつらは親子ではなく赤の他人。シカのオスは子育てには参加しないそうだ。
アムール川に思いをはせるシカ。
ワタリガラス(ヤタガラス)。流氷と共に北からやってくる。
フレペの滝。全体像は海からしか見えない。この写真ではわかりにくいが、崖の中腹から地下水が流れ出て滝となっている。下方向だけでなく上にも氷が伸びているのは、滝が入り江の奥にあるために、滝の部分で集まった風が吹き上がり、一緒に巻き上げられた水が凍りつくため。そもそもこの一帯が草原になっているのは、地形の関係で周囲より強い風が吹くため木が育たないんだとか。ここは四半世紀前の夏に知床に来たときに観光船で海から眺めたけど、水量も少なくてまあどうってことなかったな。雪解けの時期がお勧めだとか(それも大きな船でなくカヤックで入り江の中まで入るのがお勧めだそうな、商売上手なことで)。
ほんとにいい天気で、知床連山もくっきり見えました。気温も高いし(といっても氷点下じゃないってだけだけど)、陽射しも暖かで、雪も少ないし、ガイドさんによると「まるで3月下旬の知床」だとか。まあ、こっちはラッキーでよかったけど、この調子であっさり流氷がなくなったんではガイドの商売上がったりだよなあ。次の四半世紀後にはこんなところまで足を伸ばす元気はもうないだろうけど、この光景はいったいどうなっていることやら。

2009年3月2日

おまかせ1日ツアー(1)

今回のメインイベントは知床のネイチャーツアー。流氷ウォークとスノーシューによるフレペの滝ツアーを組み合わせた1日ツアーを各社取り扱っているが、ざっと見たところ唯一昼食付だった知床アウトドアガイドセンターのツアーに参加。

通常は午前がフレペの滝、気温が上がる午後が流氷ウォークだが、この日は好天に恵まれ最高気温はプラスの予報が出ていたため、順番を入れ替え気温の低い朝のうちに海に出ることになった。

ちなみに、宿泊先は地域を代表するホテルだったのだが、ピックアップトラックでお出迎え。ピーク時には(ほろ付ではあるが)荷台も使って客を輸送。なんか、舞鶴の乗馬クラブを思い出しちゃいました。


流氷ウォークには(防水機構の無い)カメラは持ち込めないので、これはホテルの部屋から撮ったウトロ港での他社主催の流氷ウォークの画。こっちはしれとこ自然村の近くの岩場での開催で、スーツもこんなにカラフルじゃないし、やってることももう少しワイルドだけど、雰囲気は大体同じです。服の上からドライスーツを着込み、防水の手袋をして、自前の帽子をかぶって準備完了。ガイドの後について流氷の上を歩いたり匍匐前進したり、そのうちに薄い氷が割れて海中にドボン。まあ、そこから先は各自氷の上を歩いたり飛んだり、流氷を破壊してプールを作って泳いだりで流氷ワンダーランドを1時間半堪能しました。最初はスーツを着ての身のこなしがつかめず、氷の上に這い上がるのも一苦労。最後は疲れてきてやっぱり氷の上に這い上がるのに一苦労。陸に上がってスーツを脱ぐのにまた一苦労(もう握力がないんだもん)。クリオネがいなかったのは残念ですが、その他は満足。例年のような荒々しい流氷はないものの、気温が高めで体力の消耗も少ないし、氷が適度に割れるのでプールも作りやすいし、流氷の間に足を挟まれるリスクも少ないし、快適でした。

ちなみに、オホーツク海の水はそんなにしょっぱくありません。周囲の氷が解けているから、もあるんだろうけど、そもそも塩分濃度が低いために低緯度でも海氷が育つんだとか。

さて、昼食は雪原でのチーズフォンデュ。いつもは天候の関係で横に見えている小屋でやるそうで、屋外での開催は1シーズンに数回だとか。確かに気温は低いんだけど、上からも下からも存分の陽射し。風もほとんどなく(といってもカセットコンロには過酷でチーズの温度が上がるまで一苦労)手袋なしでも平気。まことにありがたい。
北海道は素材がいいのでたいていのものはうまい。チーズフォンデュといえばやっぱりパンだが、たまねぎとジャガイモがgood。

2009年3月1日

速報3

無事帰宅しました。

本日は北方民族博物館のみ。実はもう少し考古学よりの内容(オホーツク文化の紹介とか)を想像していたのですが、完璧に民族学の博物館でした。文句があるわけじゃなくって、それはそれで楽しいし、わかってても足は運ぶだろうからいいんですけどね。
楽器。馬頭琴のような「馬・牛・羊放牧文化」を「北方民族」にいれちゃうのは違和感があるんですけど。
サミ族のシャーマンの太鼓。
浮袋。といっても人が泳ぐために使うものではなく、銛綱の先に結んでおいて目印に使う。獲物に比べ相対的に小さな船で狩猟を行うため、銛綱を船にくくりつけたのでは船が転覆してしまう。そこで浮袋を追いかけながら獲物が弱るのを待つんだそうな。それにしても、この造形はすごいよなあ。

けん玉。皿はついてないので、穴に突き刺すだけ。