2009年3月22日

「千家十職×みんぱく:茶の湯のものづくりと世界のわざ」

千家十職。知識としては知っていたが、そのものづくりの世界を俯瞰して眺めるのは初めて。それだけでも面白いのだが、今回の展示は十職の方々に実際にみんぱくの所蔵品を見てもらったうえで、それぞれの感性で資料を選び展示を組み立てると共に、それに触発された新作を披露する、というもの。4年前の「きのうよりワクワクしてきた。」展の茶の湯版。案内を見たときにはまったくピンと来なかったのだが、展示場に入ると、特に1階後半のコラボレーションを見ると圧倒される。利休が生きたのは舶来品がどんどん(有力者の)日常に入り込んできた時代であり、その中で虚飾を剥ぎ取った諸物の本質を捕らえたのが茶の湯である(って言い切っていいのか?)。民芸運動を持ち出すまでもなく、茶道具自体が研ぎ澄まされた日常の道具であり、その美を追求してきたプロの人々による展示構成である。面白くないはずがない。限られた空間の中で実にいろんなことを考えさせる、いい展覧会でした。

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