3月15日は京のあちこちで涅槃会が執り行われる。東山の東福寺と泉涌寺に行ってきた。
東福寺の涅槃図は明兆作。図中に猫が描かれていることで知られる。ただ、この猫、絵の左下、象の足元にいるのだが、ちょうど陰になっていて肉眼でははっきり姿を捉えられない。結局、パネルで確認しただけ。そういえば、この図には肝心のお迎えの神々が描かれていないようなのだが、涅槃に至る直前なのか、中央の塗りつぶしたような部分に描かれていたのかよくわからない。
さて、東福寺ではこの日は本堂の入場は無料になるのだが、それだけで帰るのも失礼なので特別公開の三門と龍吟庵を見に行く。
こちらは三門から本堂を見たもの。三門内部にはおなじみの飛天などの華麗な天井画(これも明兆一派)が描かれる。あまり禅寺っぽくない。中央の釈迦像の左右には十六羅漢だが、この羅漢さん達は岩山を模した自然木の中に鎮座している。なかなか面白い趣向だ。
ついでに、本堂の東側で甘酒の接待をやっていて、これがなかなか美味でした。
龍吟庵は東福寺三世住持(にして南禅寺の開山)無関普門の住居跡。入口の「龍吟庵」の額は足利義満の筆による。三方の庭は昭和を代表する庭師、重森三玲の作で、ちょっと説明的な気もするけどおもしろい。
季節はすっかり春で、庭の外側には小鳥が来ていた。現地では判別不能だったが、写真を見るとメジロですな。
泉涌寺の涅槃図は日本一(の大きさ)として知られるのだが、なんせ大きすぎてお堂の中では広げられない。涅槃像を壁面に持ってくると天井まで覆ってしまうし(その裏に狩野探幽の龍がいるはず、なのだが)、下の方の動物が描かれた部分は丸められたままだ。これで虫干しになるのか心配になる。かといって今の季節に堂の外に広げるのも危険だし。もともと東大寺に収める予定で描かれたものが諸般の事情で泉涌寺に伝わったようだが、大仏殿ならちゃんと広げられるはずだから、今からでもそっちに移せばいいのになあ。
更におまけ。翌16日は承天閣美術館(昨秋の若冲展の賑わいがうそのような静けさ)を覗いた後、京町家busonでワインの試飲会。決算期に調子に乗ってまた散財をした後、店頭で端切れを購入。風呂敷にでも仕立てる予定。夕方、京タンスに出向き梅の苗を購入。ちゃんと根付きますように。
2 件のコメント:
こんばんは。
泉湧寺の涅槃図は確かに大きかったですね~。私が行ったときも下の部分が丸まってました。
東大寺に戻すのは無理でも全部広げて拝見するような会をどこかでやってみたらおもしろいと思うんですけどね。
承天閣美術館は昨年行ったときに常設展はさらっと流して「動植綵絵」の方にすっ飛んでいってしまったので、もう一度ゆっくり見てみたいものです。
こんばんわ
コメントがつくと思ってないから、チェックしてませんでしたわ。申し訳ない。
写真はあるんだから全部広げる機会はあるんでしょうけど、あれだけのものを室内で展示となるとやはり場所が問題ですね。
個人的には京都駅がいいかと。
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