2010年9月24日

高松

高松港にはインフォメだけでなく作品もあります。こちらは大巻伸嗣の「Liminal Air-core-」。これは港に行けば嫌でも目に付くんですが、
こちらは港からではわかりにくい。椿昇の「ピー・アール・オー・エム」。道路側に回ればOKなんですが、、、ついでに言うと、この日は機材の故障で映像等の演出はありませんでした。やれやれ。
椿昇「高松うみあかりプロジェクト」。インフォメで地図をもらえるのだが、記載の場所と違うところに作品が点在。よくわからないのだが、いたずらされるのでガラスケースの中に引っ込めたものと推測。困ったことだなあ。

2010年9月23日

「進化のものがたり~Une histoire de l’évolution~」

「進化に関する専門書を読み、その内容を子供達に伝えるためのオリジナルストーリーを作り、絵本として仕上げる」という演習の発表なのだが、予想よりずっとよく出来ていて面白かった。トンデモ本もなかったしね。教育ツールとしては眼や不思議カメラがいいと思うのだが、犬の話が印象的。もっとも、フランス語で中身がわからないからかも。

「Kyoto Current 2」

美術館展示に出向く。狭いなりに結構見ごたえあり、中でも獏と金魚とおっさんがお気に入り。しかし、オークション用の作品がしょぼいのはどうなんだろうなあ。みなさん大作で忙しくて手ごろな作品に手が回らないのかねえ。

2010年9月22日

女木島

男木島は「なんにもない」島だが、女木島のほうは「鬼ヶ島」と呼ばれる(中途半端な)観光地である。島に入るとまずバスに乗って山上の鬼ヶ島大洞窟を目指す。
で、こちらがその洞窟。なんとも微妙な佇まいだ。この洞窟の中にも作品があるのだが、洞窟の方がちゃちい造りなので作品もしょーもなく見える。清津峡トンネルはかっこよかったんだけどなあ。

で、この女木島、もうひとつ画になるものがない。ファスナーの船は高波で運行中止だし、洞窟内は暗くて撮れないし、山上のもうひとつの作品はサウンドインスタレーションでどうにもならないし、鏡の家も写真ではわけがわからんし、不在の存在や福武ハウスなんかは撮影禁である。島全体としても(男木島の後なので損もしているのだが)もうひとつ訴えてくるものがない。作品単体はいいんだけど、この島で発表する意味がよくわからないのだ。そりゃあ島の人にとっては良質の現代美術が向こうからやってくるのは意味があることだと思うけど、他所者としては「それなら都会で見るからいいよ」と思っちゃうのだ。やっぱり、島の立ち位置が中途半端なのがまずいんだろうなあ。

そういうわけで、個別の作品の写真は少なくなってます。ご了承を。
展望台から見たおにの館。左にモアイ像と20世紀的回想が見える。
その20世紀的回想、これも音楽が鳴ってます。
カモメの駐車場。風が舞ってると動きがあって面白いんだろうけどなあ。


まあ、でも作品以外のものが印象的ですね。

2010年9月21日

男木島(3)

これも動く物件、井村隆の「カラクリン」。
大岩エスカールの「大岩島」。こういう大掛かりなものもいいんだけど、
この島の魅力はやはり野外のこまごまとした物件。こちらは集落の最上部にある豊玉姫神社の「島こころ椅子」。呼吸を整えるのに最適。
こちらはフェリーのデッキから見た谷山恭子「雨の路地」。
時間になると雨が降るのだが、粘る元気がなく退散。でも、ちょっと見てみたかったなあ。
眞壁陸二「男木島路地壁画プロジェクト」

中西中井「海と空と石垣の街」。かように、地図を片手に集落を歩き路地を曲がると様々な作品が現れる。作品の密度や集落との一体感がたまらない。
極め付けがこれ。46から推奨ルートを通らずまっすぐ港へ降りる途中で発見。キャプションによると、こうだはやと「天国への階段」。どうも作品に触発された地元の人(こえび隊の人かも)が、空きスペースに勝手に作ったものらしい。こんなものが出現するくらい、島とアートが溶け合っていました。
「漆の家」の写真がないけど、この島は一通り制覇しました。芸術祭に何を求めるかにもよるけど、私的には一押しの島です。

2010年9月20日

本日の見学先

Gallerism 2010
(大阪府立現代美術センター)

RoomAを見て、さてRoomBはどうなってるのかなと見に行ったら、閉鎖になってました。一時はセンター自体が閉鎖になると思ってたので、一部屋でも残ればという気もしないではないけど、もともと立地に問題がある施設だし、これならいっそ丸ごと閉鎖になった方が新しい展開があるんじゃないかと思います。展示の中身も去年の方が良かったような気が、、、

おかえり「はやぶさ」 帰還カプセル特別公開
(近鉄アート館)

近鉄アート館ってまだあったんだ、というのがまず素直な感想。前回ここに来たのは(たぶん)上海太郎舞踏公司の「非ユークリッド恋愛学」 だからふた昔前。なんかそれだけで感無量です。ところで、大阪でもはやぶさくんは大人気で、長い行列が出来てました。思ったほどオタクっぽい人はいなくてお年寄りが目立ったんですが、オタクな人たちは初日に見に行ってるんでしょうね。それより、子供が少ないのが問題。教育が悪いのか、時代の空気が悪いのか。そういえば、電車の中で子供が「うちゅうたんちき」と連呼していて、お父さんが訂正しないもんだからよっぽど「たんさき」と教えたろうかと思ったけど、大人気ないのでやめました。それにしても、イマドキの子供は探知機がないと宇宙があるかどうかわからないんでしょうか?困ったなあ。

彫刻家エル・アナツイのアフリカ アートと文化をめぐる旅
(国立民族学博物館)

良質の現代美術をアフリカの作家だというだけで(美術館だけでなく)博物館が扱うという枠組みを文化人類学的に考察する試み、だと思いますが、それはそれとして美術展としても素晴らしい。アナツイの織物はやはり実物を見るべきで、本やWebでは伝わらない。そして、これを見せるのにみんぱくの特別展示館は(おそらく)関西ではベストではないかと思える。2階から俯瞰した時の場内の雰囲気がたまらない。個別の作品では、音の出るやつと階段のやつ(クリムトかよ、という色彩感)がお気に入り。期間内にもう一回行けるといいなあ。

EXPO'70パビリオン
さて、改装なった旧鉄鋼館にようやく出向く。展示自体は目新しいものはないが、とりあえずガラス越しで照明も暗くて細部がわからないとはいえ、鉄鋼館のスペースシアターホールが拝める。料金2百円を考えるとこれだけで十分。そのうちに中に入れるイベントがあるといいなあ。

夜の展覧会 奥村里菜+中島彩
(Collective Parasol)

芸術センターでDMを見つけて、夜しかやってないというのが面白そうだし、近所なので行ってみる。二人で合宿をして展覧会を作っていく行為自体をアートとして提示してるんだろうけど、未消化のまま見せられても夜の秘め事を覗いちゃったみたいで(ドキドキもするけど)困ってしまいます。一人だったら逃げて帰ってるぞ。もっとも、これからお客さんと対話する中で新しい展開が見えてくるとは思うけど。希望を言えば、せっかく骨折したのなら、それをうまく作品として活かせるといいんじゃないかな、というのがひとつ。それから、こっちの方が切実なんだけど、夜の闇の中ではお年寄りにはあのサイズの文字は見えません。もう少し大きな文字を使っていただけると助かります。

なんかもう遊び過ぎで体が動きません。ふた昔前は遊びつかれてボロボロになってもまだ遊び続けることが出来たんだけど、もう無理ですね。なんというか、三連休は余計だわ(セーブしろよ)。もっとも、秋分の日は半ドンだし、次の週末は土日とも終日出勤だから、やれることはやっておかないとね。小豆島にはなんとか行きたいし。

2010年9月19日

本日の見学先

Music Room vol.5 「セカイの音楽」
 なにはの梅組
 ギータ・クンチャナ&大西由希子
(京都芸術センター講堂/大広間)

タンゴとバリ・ガムランのフリーライブという、わしらのために企画されたかのようなイベント。ガムランもだけど、なにはの梅組が予想以上で大満足。個人的にはバンドネオンの解説がためになりました。あと、最後のジョゲッで大西さんに最初に引っ張り出されちゃったのだが、そんなにやりたがりに見えるのかなあ。どっちかというと見てるほうが好きなのだが。

「panorama - すべてを見ながら、見えていない私たちへ -」
(京都芸術センター)

正直もうひとつピンと来なかったのだが、電動花火は好きかも。

棟方志功展 祈りと旅
(大丸ミュージアムKYOTO)

これも思った以上によかった。見てない作品も結構出てたし、選び方も好み。ただ、あの大作はもう少し広い会場で見たかった。全体像が見えるところまで下がろうにも、反対側の壁が邪魔になるんだもんなあ。

2010年9月18日

本日の見学先

『日本画』の前衛 1938–1949
(京都国立近代美術館)

昭和13年結成の歴程美術協会を中心に、前衛「日本画」の流れを海外や日本の洋画界との関わり、戦争の影、戦後の「パンリアル」結成まで描く。ちょうど子供たちの美術教室と重なり、追いつかれないようにサクサク見ようと思ってたのに、予想以上に面白くて時間をとってしまい追いつかれる。でも、こんなところに集団で来るようなお子達は、ちゃんと躾けも行き届いてるのであった。とはいえ、もっと朝早く出て来るべきだったなあ。

第68回パンリアル展
(京都市美術館)

さて、パンリアル美術協会は現役の団体で、こうして展覧会もやっている。今日はタダの日なのでちょっこり見に行く(というか、タダだから岡崎を今日にしたのだが)。当然だが作風はだいぶ変わっていて、展示も(仕切りの多い市美術館を生かして)個展の集合体風に上手に仕上げている。これも予想外に面白かったのだが、赤堀マサシの立体的に描いた平面作品を立体的に展示したインスタレーションが、立体感を強調しすぎた3D映画みたい(な気持ち悪さ)で面白かった。

川島慶樹展 ”a little CRAZY CLASSICS”
(ギャラリーモーニング)

ハガキが面白そうだったので行ってみたら、珍しく予想に違わず面白うございました。このあたりから「今日は当たり」を確信。

くまたにたかし「おとぎばなし」
藤澤憲彦「フィギュアとアートのはざまで・・・」
山口英里華「2面4線」
(ギャラリーはねうさぎ)

好みで言うとRoom4の山口英里華かなあ。この日はあちこちで瀬戸内国際芸術祭の話題を聞いたけど、育子さんは小豆島まで行って作品にたどり着く前にあまりの暑さでダウンしてホテルに戻ったらしい。(8月だったみたいだし)確かに暑かっただろうけど、もったいないなあ。

「BANANA ZOO -大曽根俊輔 彫刻作品展-」
(Casa de Banano)

近美でハガキを見つけて近所だから行ってみたのだが、これが大当たり。なんてったって、白川にカバがいるのだ。このカバさん、漆のハリボテで流されないようにするのに苦労したそうだが、見事に風景に溶け込んでます。もちろん、他の動物たちもかわいいし(モルモットと中庭のトカゲが素敵)、バナナの生えているギャラリーもいい感じ。すっかり暑さを忘れて寛いじゃいました。

神藤知子個展「Oxygen-2010-」
(MORI YU GALLERY KYOTO)

初めて2階に上げていただきました。少しずつ普通にお付き合いできるようになってきた感じ。

永島千裕展「alien age」
(イムラアートギャラリー)

解像度の低い画像で見てると可愛らしい作風なのだが、寄って見るとグロい。これは実物を見ておいてよかった。結構細かいところも凝っていて、一緒に暮らしていると日々いろんな発見がありそう。でも、うちに飾りたい絵ではないなあ。

小出ナオキ展「Maternity Leave」
(小山登美夫ギャラリー京都)

これも予想以上にヘンでおもしろい。大作もだけど、小物にいいものが目立つ。でも、バラで売ってもらえるようなものではないしなあ。最終日で作家さんもいたけど、こちらもなかなかヘンそうな方でした。

2010年9月17日

男木島(2)

二つの建物に展開する北山善夫の「誕生─性─生─死─家─男木島伝説」。こちらは民家。

こちらは蔵。
高橋治希の「Sea Vine」。窓から入ってくる波を表現、しているらしい。
陶器の花びらには海から見た陸上の風景が描かれている。最終日まで壊れないといいなあ。
松本秋則の「音の風景」。これも二つの建物で展開。こちらは民家編。内部も面白いんだけど暗くて撮れないので、軒先の光景で楽しんでください。

で、こちらは馬小屋編。

この島で何が気に入ったかといえば、一番はこれだなあ。かわいくて動いて音が出るのはまさしくツボ(って、赤ん坊かよ)。
「想い出玉が集まる家」。ワークショップもやってたけど、時間がないので断念。寄せ書きだけ参加する。

2010年9月16日

男木島

翌日、満員のフェリーで男木島へ渡る。港で出迎えてくれるのはジャウメ・プレンサ「男木島の魂」。内部は案内所になっている。女木島への切符を買ったらいざ出発。
オープンまで少々時間があるので、一番遠くて野外展示のダーリング&フォーウッド 「ウォールワーク5」へ向かう。オーストラリアから運んだユーカリの根を使ったインスタレーション。
うまいこと組み上げるもんだねえ。
港に戻る頃には展示会場もオープン。しばし順番待ちをして「うちわの骨の家」へ。
さて、窓の外を見ると、青と白の2色のパイプが延びている。


谷口智子の「オルガン」。パイプを巡ると、そこにはない景色が見えたり、遠くの声が聞こえたり、オルガンが響いたりする。楽しい。
こちらは「オンバ・ファクトリー」。島の道は狭くて車なんか通れないので、みなさんオンバ(乳母車)を運搬用に愛用する。そのオンバを使って、
こういうおばちゃんのリクエストに
こういうおっさんが答えて
こんなものが出来る。いや、楽しいよねえ。楽しいから男木島はまだまだ続くよ。

2010年9月15日

豊島(2)

作品以外の島の風景も少しだけ。


これなんか作品名を書いたプレートが付いててもおかしくないレベルの物件。
たたみも簡単に土に還っていく。エコですね。
ラダックじゃないから、さすがに人は住んでなさそう。
神社の湧き水。こんなおいしい水が湧きでる一方で、ここは全国に知られた産廃不法投棄の島でもある。困ったことをするもんだなあ。



高速艇の切符売り場。船会社もがんばってるんだけどねえ。