当日も朝からどんより曇っていた。それでも皆さん朝から大忙しで、レストランの椅子が足りない事態に。ほぼ満室の上にほぼ同じ時刻に宿をたつ人ばかりだからどうしようもないが、郊外に向かう組が出て行った後でそそくさと腹ごしらえ。暗い気持ちでバスに乗りこむ。西湖(蘇提)に着くと朝イチよりは雲が薄くなってきて、太陽の位置はわかる程度に(まだ欠けてはいないが、形まではわからない)。果たして期待してもいいのやら。
ここだけ写真の順番が違っていて下船後に撮った写真なのだが、我々の乗った船。屋根の上の人影は奥に停泊している別の船のもの。ちゃちゃっと乗り込んで船尾のデッキを確保。写真でわかるように船尾側は屋根が端までかかっていて全天は見えない。日食の観察としてはどうかと思う(実際、星が出てるのに気付かなかったのもこれが効いていると思う)が、先に乗ったら奥まで行かないと仕方ない。もっとも、この時点では日食もまだ始まっていないし、デッキに陣取った人より空調の効いたキャビンに留まる人の方が多かった。この辺もお気楽なツアーだ。
とりあえず型どおりの湖上クルーズ。通常、西湖遊覧は40分ほどの行程だが、今回は湖を一周した後で第3接触まで湖上に停泊する2時間のコース。これだけでもお値打ちものではある。まずは西湖十景のひとつで、湖上の島にある「三潭印月」。月見の際に湖中の灯篭に灯を点す趣向だが、明るいときに見てもねえ。
湖の東には杭州の街。画像処理でコントラストを上げているが、実際にはもやが少しかかっていた。このあたりで第1接触を迎えたはずだが、どんより曇って何も見えなかった。
白提にかかる断橋。「断橋残雪」の舞台。白蛇伝の主人公が恋に落ちた場所とされており杭州の恋人たちの聖地、のはずだが、日食見物の人で埋まって風情もなにもない。まあ、これはこれでいいんですけど。
右舷から白提を望む。街から離れるにつれ人が少なくなるのは世の道理。
錦帯橋まで来るとこの程度。曇っているので皆さんのんびりしたもの。よく見ると奥の建物の屋上にも見物人が出てますね。
杭州は中国を代表する観光地だが、日本から訪れるとありふれた風景でどこがそんなに人気なのかわからなくなる。大陸にはこんな箱庭みたいな景色は少ないって事なんでしょうけどね。今回のガイドは杭州の人なので「もっと景色を見てくださいよ」と言っていたが、やっぱり空模様の方が気になる。太陽の写真は前に載せたから繰り返さないが、このあたりから時々雲が薄くなって、太陽の形がわかるようになる。初めは日食グラスなんか不要だったが、第2接触が近づくにつれポケットに手が伸びることが増えていった。
観光コースにも入っている「雷峰夕照」の雷峰塔。
蘇提にて。機材を持ち込む人は当然湖畔に三脚を立てる。もっとマジな人々は郊外の山の上に観測基地を設けていたらしい。
第2接触の直前に雷峰塔がライトアップされた。船の屋根にも明かりがともる。当然ながら空を見るのには障害で「なにすんねん」という気がするが、保安上仕方ないんでしょう。なんせ「日食観賞」ですから。この頃から上空の薄雲を残して雲が切れてきて、思いがけずダイヤモンドリングやコロナを見ることが出来た。雲が切れたのは街中だけで、郊外組はさんざんだったらしい。今年は流氷のときも天候が絶好で、さすがに運を使い果たしたと思っていたのだが、まだ残っていたようだ。もっとも、馬の成績は最低ですし、今回のツアーの面々、めちゃくちゃ引きが強そうなのが揃ってましたけどね。
実際にはこんな感じで見えてました。
杭州の夜景?
よく、日食を見ると人生変わるよ、とかいう話を聞くんだけど、はっきり言って何も変わりませんでした。たぶん、見る前から人生なんか変わっちゃってるんでしょう。同行の面々もそうだったんじゃないかな。
0 件のコメント:
コメントを投稿