2011年7月31日

フィジーの天地創造のドラマ

大山崎山荘美術館の「かんさいいすなう」を冷やかしてからみんぱくへ。研究公演までちょっと時間があったので東南アジア展示を見に行く。やはりラオスとタイ(ミャンマーも)の仏教は一括で扱われている。ワット・セーンで収録したお経が流れ、中央にでーんと置かれているのはワット・シェントーンの説法台のレプリカ。脇にはワット・シーサケートの龍をかたどった灌水台のレプリカ。この灌水台は実際には塗装が剥げて侘び寂びの世界だが、こちらのレプリカはハデハデに塗られている。まあ、この方が本質を捉えてはいるが、展示のあり方としてどうなんでしょう。

で、本日の研究公演。フィジーの天地創造神話(といっても、この世界がいかにして生まれたか?などといった大層なものではなく、あの山が出来たのはなぜ?というローカルな言い伝え)を演じる劇団を招聘しての公演なのだが、研究公演で時々ある「解説がくどすぎて興ざめ」のパターン。そりゃあまあフィジー語の芝居だから解説抜きではどうにもならんのだが、(前説をたっぷり行った上で)本編30分ほどの芝居をずたずたに刻んで合間に解説を入れるんだから、なかなか話の中には入れんわな。博物館的には神話や風俗の紹介がメインでお芝居はおまけなんだろうし、無料の公演で字幕を期待しても気の毒なんだけど、もう少しなんとかならないかねえ。素材は面白かったんだから。

托鉢

調理は殺生につながるので、僧侶たちは調理をすることを禁じられている。したがって、1日2回の食事は在家信者が頼り。どこの寺でも僧侶の朝は托鉢で始まるのだが、ルアンパバーンはやたら寺の密度が高いので托鉢を行う人数も桁違いで、一大観光イベントとなっている。外国人観光客が集まるのはサッカリン通りだが、ちょっと俗っぽくて雰囲気が悪いというので一本入ったクンスワー通りへ。ワット・ノンの前に陣取ることになった。

別にメジャーじゃないけど、それなりに立派なお寺です。
お寺を見ているうちに空が明るくなってきて、僧侶たちが僧坊を出て通りへと出て行く。いよいよ「托鉢体験」のはじまりはじまり。
なんちゃって托鉢なので、ござやパービアン(ショール)、もち米は用意してくれる。もち米の大玉を作って(これが熱いんだわ)鉢に放り込んでいく。あっという間に体験は終了して見学の方に専念。
ほとんどの人はもち米持参だが、鉢を覗くとおやつやバナナも入ってました。まあ、米だけでは栄養が偏るしね。
地元の人は椅子持参が主流です。

商売に来た人も。メコン川の対岸の村から来ているらしい。

通りを歩いてワット・シェントーンの前まで移動。犬が多い。


僧侶たちはそれぞれのお寺の方向へ帰っていきます。

見ているとお坊さんの格によって対応が微妙に違うのが面白い。


ワット・シェントーンのお坊さんは当然ながら寺の中へ。
寺の中には祠がいくつかあって、自分たちの食事の前にまずお供え。

地元の人も余ったもち米はお供え。
お団子がかわいい
これが毎日続いていくんだなあ。信仰を保つのは在家も出家もなかなか大変。

2011年7月30日

本日の回遊先

先日落札した作品を額装する。額に入れると若木さんの作品が(失礼ながら)意外に映える。ダンボールに貼り付けて吊り下げる、とかも考えてたんだけどね。反面、日本画ってのはなかなか難しい。かといって軸装だと管理が大変だからなあ。

百獣の楽園 ―美術にすむ動物たち― @京都国立博物館
夏休みのお楽しみ企画。ところどころで出てくる鉄斎がいい味を出してます。展示は面白いのだが、いかんせんガラガラ。そりゃあまあ収蔵品展だから目新しいものはないので、オタクな人たちが来ないのはわかるが、肝心の子供がいないのはちょっとなあ。宣伝の仕方がまずいんじゃないの?

橋本哲史展
洛楽会展 @ギャラリーヒルゲート
一階の橋本哲史の千手観音が楽しい。

欅市 小さなてづくり市 @アンティークベルギャラリー
plate journey 瓜生祐子展 @ギャラリーパルク
僕らのカネダイン
三浦侑子 Glass Garden @同時代ギャラリー
目の前でトマトが完売。

陶源郷 @クラフトギャラリー集

ナイトマーケット

宿に戻って一休み。日暮れを待ってシーサワンウォン通りのナイトマーケットへ出かける。メインストリートながら夜は歩行者天国となり、モン族を中心とした露天が立ち並ぶのだ。
が、どうにも空模様が怪しい。店をひろげる人とたたむ人が半々。
と思ってたら、いきなりスコールに見舞われる。土産物屋に避難してしばし止むのを待つ。
小止みになったので、先に夕食に行くことにして一旦通りを離脱。
戻ってくるとすっかり夜。マーケット探訪開始。伝統の刺繍の袋に納められたコーヒー(とお茶)。元フランス植民地なので、南部ではコーヒー生産が盛ん。
こちらは刺繍の本。電子化しにくいジャンルですね。
スリッパ。お土産にちょうどいいかなと思ったけど、底がぺらぺらで実用にならないので断念。
ルアンパバーン土着の精霊、ニューじいさんとニューばあさん(と黄金の獅子)。

アート系の人もいます
モン族のお守り



散財しました

2011年7月29日

本日の話題

児玉龍彦参考人
 語っている内容は良質だし、問題提起は鋭い。ただ、街頭演説じゃないんだから感情剥き出しの語りは勘弁して欲しい。途中で何度見るのをやめようと思ったことか。興味のある方には書き起こしの文章を読むことをお勧めします。
 あと、震災復興財源をどうするかですら揉めている(政府と)国会に、原発事故への手当てを期待するのは無駄な気がします。命の話をお金の話とリンクさせるのを嫌う人は多いけど、そこは避けて通れないはず。福島の子供たちを避難させる(に足りる)お金があれば、東アフリカの難民キャンプに投下すればより多くの子供たちの命を救えるのに、そんな議論にならないのは税金の払い主と救うべき命との間に関連を認めているから。日本政府を動かしたいのなら外圧が一番で、語りかける場所はICRPやIAEA(ECRRは日本国内では正当性が確立していない)だし、国内で活動するのなら国民に直接語りかけるのが筋であろう。低線量被曝の生体影響なんて未確定の世界なんだから、各自が自分の判断で行動するしかないのだ。「放射能てんでんこ」だよね。

やらせ質問
 九電の問題は特に悪いとは考えてません。己の立ち位置に近い意見を増やそうと努力するのは当然で、批判される点があるとすれば陰でこそこそやっていたという部分だけ(堂々とやるべき)。でも、保安院は審判なんだからプレーに関与するのは間違い。経産省の下に保安院を置いた弊害としかいいようがない。安全委員会がもっとがんばらないとダメだよなあ。

TAEC

国立博物館で面白そうなパンフを見つける。ガイドさんが少数民族博物館だというので、コースに入れてもらった。
Traditional Arts and Ethnology Centre、パッと見は普通の民家の小さな建物に博物館、ショップ、カフェを備える。受付に(日本語を含む)各国語の解説文のファイルがある。翻訳は自然な日本語でしっかりしたスタッフがついているらしい。


展示スペースも狭いのは確かだが良質で見ごたえがある。企画展でラオスにおける道教の展示をやっていて、中国国境まで行かないとなかなかお目にかかれないテーマだけに興味深かった。もちろんショップも充実しており、お土産を大量に買い込む。ヤモリのぬいぐるみが楽しい。たぶんカフェもいいとこなんだろうけど、3食つきのツアーで縁がなかった。

2011年7月28日

小松左京

上方の巨星が次々墜ちていくなあ。いよいよ米朝さんがどこまで踏ん張れるかだな。地獄寄席にはタレントが揃ってるんだから、もう少しこっちでやって欲しいんだけど。

ワット・シェントーン

ワット・シェントーンはルアンパバーンを代表する寺院。建立は1560年だが、この年にビエンチャンへの遷都が行われてたりする。その後一旦はビルマに占領され属国となるが、17世紀初頭に独立しラーンサーン王国の最盛期を迎えるのだが、当時は現在のタイ東北部までを領していた。前にも書いたけど、民族的にはタイ東北部はラオ族の土地だからね。ラオスは革命で王制を倒して社会主義国になったはずだが、みなさん王様には多大なシンパシーを持ってらっしゃる。この辺はビエンチャンの項でまた触れたいと思ってます。
境内に入るといきなりおばちゃんがたけのこスープのなべをひっくり返すのに遭遇。これは悲しい。
霊柩車庫。1960年の王様の葬儀で使われた霊柩車が納められている。
ドアの装飾はたいていこのパターン。

台車はトヨタ製、だと言ってたが、ちょっと胡散臭い。
もちろん霊柩車だけでなく仏像も納まってるし、壁にはラオ族の生活を現したガラス装飾が。
おみくじはセルフサービス
本堂。ルアンパバーンで一番有名な建物。

堂内は一面壁画で覆われている。
天井画も。日本でも格子状のデザインはよくあるよね。。

もちろん、外壁にも壁画。

こちらは本堂南の赤堂。外壁の装飾は20世紀のもの。
内部には16世紀の涅槃仏。
本堂の裏側には趣の違った装飾が
こちらはラオ族の生活を描いたもの、だが、どちらかというとモン族の刺繍を連想させますね。村の生活なんて部外者には区別つかんわな。
本堂裏面のマイ・トーン(黄金の木)のモザイク壁画。かってこの地には高さ160mの大木が立っていたという。


おまけの狛犬、こちらが牝で
こちらが牡、わかりやすい