2008年12月29日

ヴィック・ムニーズ 「ビューティフル・アース」 展

今年は日本ブラジル交流年であちこちでブラジル人アーティストの作品が取り上げられていたけど、ムニーズもその一人。今回展示されていたのは、倉庫の床に粗大ゴミで絵を描いたり、山の中に重機で地上絵を作ったりといった作品で、作品(写真)もだけど、メイキングの映像がサイコーでした。こういうのが公的な(無料の)スペースで見られるんだから、東京はえらいところだよなあ。

石田徹也―僕たちの自画像―展

作品集なんかで見て、もう少し乾いた金属的な画風なのかと思ってたんですが、現物を見ると思いのほか暖かい印象を持ちました。図録の表紙になっている飛行機の絵にしても、飛行機に人の顔がついているのを想像していたのに、人間から飛行機が生えてるんですよね。ちょっとびっくり。ほかの作品も同様。ただ、後半の作品群は作家が少しずつ壊れていくのを見るのがちょっと辛かったかも。まあ、この作風は長寿とは両立しなさそうだよね。それにしても早逝しすぎだけど。残念だなあ。
一番印象的だったのは「捜索」。鉄道模型のジオラマになっちゃった人だが、あれはオタクの夢だな。

ついでに、常設部分でやっていた「瀬畑亮セロテープアート(R)展」も覗く。これでセロテープの売り上げが伸びるのかは疑問だけど、企業の文化活動としてはかなり優秀。作家さんも楽しそうでした。

C75

ここんとこ冬は12/30が続いたんですが、今回はカレンダーの並びとジャンル配置の関係で日曜日の初日となりました。そのせいか、例年よりやや人も大目。天気もよく、朝こそ冷え込んだものの日中は結構な陽気になり、なかなか居心地のいい1日でした。あちこちから見えた雲ひとつない富士山が印象的でした。

2008年12月21日

「アヴァンギャルド・チャイナ」展

「アヴァンギャルド」という言葉のイメージからはちょっと外れたものも多かったんだけど、ロシア革命のころとは時代が違うんだからこんなものなんでしょう。魚とか蝿とか夢に見そうな作品も多かったんだけど、先月も見たツァオ・フェイの映像作品とか、B2階の「老人ホーム」とかでちょっとホッとしました。今回は根性なくってあきらめたけど、「フィットネス」の動いてる時間にもう一回行きたいですね。

「ドーミエ・人間喜劇」展(第2部)

本日最終日、スタンプラリーの景品をもらいに行ってきました(ちなみに展覧会の絵葉書セットでした)。3回目ともなるとそれなりに見慣れたものもあるんだけど、彫刻が結構面白いとかいろいろ発見もありました。2回目は(創立記念日で)タダだったし、お土産もらって図録を半額にしてもらって滅茶苦茶オトクでした。このご時勢でいろいろ大変だとは思うけど、アイホールやアイフォニックホール共々つぶれないで頑張ってほしいですね。

2008年12月14日

「エモーショナル・ドローイング」展

タイトルにうたってるくらいだから現代美術の展覧会なのだが、いちおう「近代」美術館なので、現代美術を扱うのは実は珍しい。会場の構成がいつもとちょっと変わっていて面白かった。しかし、奈良美智+grafの「My Drawing Room 2008, bedroom included」に置かれていた「ジョグジャ・かるた」の中身がすごく気になるんですけど、どこかで見ることは出来ないのかねえ。

2008年12月2日

「japan 蒔絵 -宮殿を飾る 東洋の燦めき-」展

京都にいると蒔絵ってのはある意味見慣れた素材だ。高台寺蒔絵や南蛮漆器のコレクションは京博の常設でお馴染みだし、明治以降の作品は万博やアールヌーボー絡みでよく見かけるようになった。今回面白かったのはその間、紅毛漆器と呼ばれる作品群。多くの作品が西洋のコレクションから里帰りを果たしているわけだが、作品のバリエーションだとか、二次利用の仕方だとか(薄皮をはがして自前の家具に貼り付けたりするのだよ、西洋の連中は)、客の依頼と作品との頓珍漢なやり取りとか(西洋の風物なんか見たことない人間が図柄を描くんだから仕方ないけど、なんというか、笑うっきゃない)、期待してたよりずっと楽しい展覧会でした。

ところで、京博の平常展示館は来週から建て替え工事に入ります。で、今週はお別れの意味合いもあって平常展示は無料開放となります。0系のような大騒ぎとは無縁ですが(特別展示館の建て替えなら大騒ぎになるだろうけどね)、自転車発電ライブなど面白そうなイベントもありますので、お近くの方はどうぞ。

2008年12月1日

仙台(2)

仙台市博物館の特別展「平泉~みちのくの浄土~」展へ。金色堂西北壇の諸仏は実はここに来ている。他の展示物も当然ながら現地とかぶっているが、近くで見るとまた別の味がある。なんせ見てきたばっかりなので、解説も非常にわかりやすい。ただ、こちらを見てから平泉に行った方が良かったような気がするんだけど…

東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館へ。前に来たときはカレンダーくれたんだけど、今回はなし。結構短期間で品切れになるようだ。展示内容は相変わらず楽しい。静岡の美術館の方にもいっぺん行かないとなあ。

さて、少々時間が余ったので輪王寺へ。伊達氏と共にみちのくを転々とした15世紀創建の古刹だ。

もっとも、仙台開城時の建物はこの仁王門だけ。後の建物は明治初期の火事で焼けてしまった。当然ながら伊達氏の庇護は期待できず、その後100年以上かけて少しずつ再建し今の姿になったそうな。

産道にはなぜか仏足石が。

この三重塔が最後の建物(1981年建立)らしい。

庭はなかなかきれい。何より静かなのがいい。広い苑内に我々の他は家族連れが一組。この時期の京都だとマイナーな庭でも人があふれてるもんね。

池の鯉もいい味を出してます。