2009年6月28日

「火焔土器の国-5000年前のメッセージ-」

橋本改革で統廃合の対象となった弥生文化博物館だが、何とか持ちこたえて活動を続けている。この日もロビーでコンサートを開いたり、生き残りに向けてのアピールが続く。で、今回の展示だが、先の陶芸美術館での縄文展は縄文土器の形や意匠がテーマだったが、今回は博物館での開催とあって、同じように土器が並んでいても、その分類法や文化的背景が主な主題。個人的には縄文展のアプローチの方が好みだが、今回はいろいろと薀蓄(火焔土器は最初の一個だけで後はすべて火焔「型」土器、とか)も仕込めて役に立つ。まあ、縄文土器が並んでればそれだけで十分です。

2009年6月27日

京都学「前衛都市・モダニズムの京都」

今ではすっかり古都の顔となった平安神宮を生んだ第四回内国勧業博覧会を起点に、実は新し物好きの京都のあり方を振り返ろうという趣向。近美をはじめ文博、京博、島津資料館で見たことあるようなものが多くて、びっくりするようなものは少ない。一番虚を突かれたのは、環境バブルの代表株GSユアサの「GS」が島津源蔵のイニシャルだって事ですね。やっぱりこの町は奥が深い。で、その目玉の92年前の電気自動車「デトロイト号」は今月30日から展示されるとか。会期中にもう一回行かないといけないなあ。来週からソビエト映画ポスター展があるからどうせ行くけど。

2009年6月26日

ファラ・フォーセット

世界中マイケル・ジャクソンで大騒ぎですが、個人的にはこっちの方が大きなニュースでした。スリラーの頃はすっかりひねくれた若者で、こんなに売れるのはマイケルが悪魔に魂を売ったからだと思ってたからねえ。対してチャーリーズ・エンジェルの頃は素直ないい子だったから、この差は大きい。ちなみに、今は「黒くても白くても鼠を捕るのがいい猫」。年はとりたくないもんだ。

2009年6月25日

総会

まあ、株主をやる以上いっぺんくらいは株主総会とかいうものに行かねばなるまいということで、行ってきましたなつかしの大阪厚生年金会館。株式会社吉本興業の株主総会である。

この不況下吉本も利益を大幅に減らし株価も下がっている(通しで見ると3年前が異様に高かっただけ)のだが、それ以前に2年ほど前から経営陣と創業家の対立が表面化し総会も荒れ模様になっているらしい(といってもゴシップ記事の類なので真偽のほどは定かでない)。今年もカウスさん襲撃事件だの総会にあわせて出てきた社長の不正資金疑惑だのネタが満載で、揉めるのは必至。ということで経営者側は総会後のお楽しみ観劇会のメンバーを大幅にグレードアップ、去年の2倍の1700人が会場に詰め掛けた(ということらしい)。

総会はそれなりに興味深いものでした。しかし、上場企業の社長って大変ですね。ちょっと同情するわ。総会の席で息子のデキちゃった婚までネタに振らなきゃならないんだから(吉本だからか?)。もっとも、ほとんどの客は後の観劇会がお目当て。「明治からやってる興行主なんだから表には出せないどす黒い話くらいあるのが当たり前や。裏で何やってようが表舞台が面白けりゃそれでええ。固いことはええから早う芸人出せや」というのが場の雰囲気で、怒号が飛び交う中とはいえ時間通りに議事は終了しました。経営側の作戦勝ちなんでしょうね。

観劇会は豪華メンバーで面白うございました。客席の雰囲気がいつもとだいぶ違うと思うので、若手はつかむのに苦労してましたが、ベテラン勢は手馴れたもの(この分類法だとフットボールアワーはもうベテランなんですな)。来年もうまく休みが取れるといいなあ。内紛が落ち着いて寄席のメンバーが格下げにならないのが前提だけど。

2009年6月22日

「その森は謡う 2nd Family Project」

植松家の作品(特に渡辺信子の布の作品は気に入った)や展示空間も良かったけど、ロックフィルダムを借景とした美術館そのもののロケーションがすばらしい。最初道を間違えてダムの方に行っちゃったけど、ダムから見下ろす美術館の野外彫刻もまた絵になる。晴れてて良かった。また行ける時までつぶれませんように。

2009年6月21日

「リカちゃんとジェニーの世界」

ジェニーというとジェニーVしか思い浮かばないのだが、シリーズ?の途中でマテルとの契約がこじれてバービーVがジェニーVに変わったので、私の知ってるジェニーはごく初期のものだ。ちなみに、思い立ってYouTubeで当時の映像を探すと、オープニングの背景にエキスポタワーが映っていてちょっと感動しました。で、リカちゃんが時代と共にずいぶん変わっているのは知っていたのだが、ジェニーも今となってはずいぶんと違うのね。当時のジェニーが可動域の大きなタイプだったら、また違った作風になってたんだろうなあ。ビデオと8mmの違いのほうが大きいかもしれないけど。

で、これは玩具博物館の近所で見つけたんだけど、「パラボラアンテナ」なのかなあ。謎です。

2009年6月20日

「やなぎみわ 婆々娘々!」

今回ランチョンセミナーがなかったので堂島川の河岸でホテルのパンをかじり、ついでにちょっと覗いてみようかいと思って国際美術館に向かうと、初日のイベントで作家さんのトークショーがあるというので思わず整理券をもらい、意外に時間をとったので会議場に戻らないどころか隣でやってる「慶應義塾をめぐる芸術家たち」展も見ないで帰宅。まあ、どうせルーヴル展でまた来るし、今回は出張ですらないからこんなもんでしょう。

館長とやなぎさんの対話。ベネチアでの製作裏話が中心で結構面白いのだが、二人ともしゃべくりのプロではないのでちょっと冗長な感は否めない。最後の質疑応答はそこそこ盛り上がる。「もともと工芸をやっていたこともあり、被写体作りが創作活動の中心。出来上がった被写体を提示するのに写真を使っているだけで、私は写真家じゃない」というくだりが印象的。やなぎ作品独特の居心地の悪さはそのあたりが影響してるのかなあ。

2009年6月15日

混浴温泉世界(6)

まさか会期中に2回別府まで行くことになるとは思わなかったが、初日が無料公開でチケットが一日分余ってしまったこと、景気対策がらみで往復1万2千円で行ける切符が出ちゃったこと、開幕週と閉幕週を見るとなんとなく満足できるというスケベ心から遠征を敢行。とりあえず、前回見そびれたものをチェックすることを優先。アデルさん、ゴルバさんの新作を探し、サルキスさんのワークショップに(2ヶ所で)参加し、(最後のタワーナイトが盛り上がるのは承知であえて)鉄輪に泊まり、もう一度アパートを堪能して帰ってきました。
聴潮閣でのワークショップ。臨時開催の(炎天下の)波止場神社とは違って木漏れ日が微妙な効果を生む。いろんなことを計算して会場設定がしてあるってことですね。しかし、これ、難しいわ。どうしても絵の具の一部が水面を流れてしまう。写真も撮りにくいし(オートで撮ると水面にピントが合ってしまうし、マニュアルでじっくりやろうとすると絵柄が変わってしまう)。なかなか奥が深い。
鉄輪の大黒屋さん。宿泊者が地獄釜で勝手に料理を作って食べる素泊まりが基本の宿だが、頼めば食事も作ってくれる。数人で行ってわいわいやるのが吉だが、夫婦2人ではちょっとなあ(小さいな子供も含めて2、3家族で出かけるのがお勧め)と考え料理もお願いした。なんというか、すごくアジアンな宿。これは食事をした部屋からの風景。
こちらは地獄釜の屋台。宿の設備も今の日本の水準ではちょっと…だが、なかなか味がある。お風呂もアジアンな安っぽい怪しさがぷんぷん(褒めてるつもりですので念のため)。宿の人の応対もリゾートちっく。適温にするのに困るくらいお湯が沸く土地柄だけに、椰子の木があれば暮らしていける的な住民が育つのかなあ。ここに限らず、町中の人が旅行者に対してフレンドリーでした。おいしいインド料理屋もあったし。
ここからアパート。最終日だけあって鉱石も干からびてきている。2ヶ月は意外と長い。




押入れのジャッピー。ちょっと怖い。

天井裏の吉永ジェンダー氏の作品。とりあえずアパートを再訪してよかったと思ったのはこれとスズキジュンコさんのPVかな。

アパートで生活したアーティストの皆さん、事務方の皆さん、そしてこの場所を快く提供してくれた大家さん。どうもありがとうございました。

2009年6月12日

季節感

帰宅途中に苔寺の沢に人だかりができているので、なんじゃろかと脚を止めたらホタルが乱舞してました。昔は哲学の道とか下鴨の疎水とかに見に行ったものだけど、こんなところにもいるんだねえ。

2009年6月8日

相国寺 金閣 銀閣名宝展 ~パリからの帰国~

で、京都駅と抱き合わせで急遽出かけたのがこれです。

一昨年の若冲展の時に、展示室に並ぶ寺宝の数々を見て「普通ならこれで一本興行が打てるのに、若冲の添え物扱いでなんかもったいないなあ」などと思ってたのですが、相国寺はちゃんとパリで出開帳を打ったようです。で、その帰国展なんですが、とにかく空いてるのがいいですね。あのときの喧騒がうそのような静けさ。まあ、お寺なんだからその方がいいんだけど。

この日は普通に電車で動けばいいルートを、梅津まで歩いてバスの一日乗車券を利用(貧乏くさいなあ)。ついでに(どこが?)WINSやダイソーまで足を伸ばす始末。しかし、今の京都はほんとにお得ですね。バス、普通に座れるもん。確かに例年でもオフシーズンだが、休日に京都駅から28番に乗って(あるいは祇園から206番に乗って)空席があるのは信じがたい。今のうちに街歩きを、、、と思いつつ、次の週末は別府リターンズの予定。

2009年6月7日

山本太郎展 ~ニッポン画物見遊山~

招待券を貰う前から案内を見てピンと来ていたものの、会場は近くて遠い京都駅。日程的に無理だなあと思ってたのだが、こうなれば行くしかあるまい。で、期待に違わず楽しい展覧会でした。考えてみれば本歌取りとか見立てとかは日本の伝統文化なわけで、みんぱくの千家十職展でみられるように、コアな人たちは伝統をちゃんと受け継いでいる。現代の日本社会をきちんと捉えてその中に美や諧謔を捕らえ、伝統的な手法で描いていく。最初はおちゃらけだけかと思ってたけど、ちゃんと古典も踏まえているし、ある意味で京都在住の地方出身者の鏡ですね。図録に出てくる、アトリエの座敷の床柱の一輪挿しがコカコーラの缶に活けてある(それもわざわざ昔風の細身の缶を探してきて転用)というエピソードが妙にしっくりきました。この人は美というものをかように大真面目に捉えて表現しているのだ。50年後の評価はわからないが、現時点ではもっと紹介されていい人じゃないかな。6月のアヒルが気に入ったけど、絵葉書にはなってないなあ。

それにしても、こんなの描いて著作権とか肖像権とか問題にならないの?みたいな作品もたくさんありましたが、図録をチェックしていて「風神ライディーン図屏風」の右隻が収録されていないのを発見(ちなみに左隻がライディーン、右隻は仮面ライダーV3)。東北新社に比べ東映は肝っ玉が小さいみたいです。

2009年6月6日

日野田崇 個展 「変形アレゴリー」

先日、東海遠征の帰りに車窓から眺めて「やってるやってる」と思ってとりあえず満足はしたのだが、やっぱりちゃんと見たくなったので行ってきた。まあ、基本は銀座でやってたのと同じなのだが、小物も増えてるし図録も出来てるしちょっとオトク。ギャラリーの人とお話してたら山本太郎展の招待券まで貰ってますますオトク。明日行くしかないないのだが、さて何と組み合わせたものか。