2008年3月25日

欠陥って何ぞや

一昨日に読売で報じられた件ですが、どうやら本当に訴訟になったようです。
以下、時事通信の記事よりそのまま引用。

「欠陥ヒーター放置で死亡」=遺族がメーカーを提訴-アパート7人死亡・札幌地裁

『北海道苫小牧市のアパートで2006年12月、7人が一酸化炭素(CO)中毒で死亡した事故で、遺族の母親2人が25日、「事故が起きたのは危険性の周知や製品の回収を怠ったメーカーの責任だ」として、製造元の「トヨトミ」(名古屋市)を相手に、総額約8000万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こした。 提訴したのは、長女=当時(5つ)=を亡くした同市の20代女性と、3女=同(25)=を亡くした日高地方の50代女性。 事故では、トヨトミ製の石油ファンヒーターの不完全燃焼が原因とみられるCO中毒で成人女性2人と子供5人が死亡した。ヒーターは正規に購入したものではなく、死亡女性の親せきが拾ってきた廃棄物だった。 』

「正規に購入したものではなく、死亡女性の親せきが拾ってきた廃棄物」という部分でこの事件の立件は見送られ、感情の持って行き所がなくなって民事訴訟、のようですが、廃棄されているものにも製造者責任があるという感覚には、ちょっとついて行けない。

私も昔よく物を拾って帰って小言を言われたし、実際に拾ったいすやアイロンを使ってたこともあります。これが高じると「ごみ屋敷」になるんでしょうが、それはそれとして、拾ったものが不良品で損害を被ったとしても、それは作った人間の責任ではなく良く確認しないで使った人間の責任だよね。捨ててあるんだからまともに動かない方が普通(まあ、今の日本ではそれが普通でもないのだが、それはまた別の話)。訴えられるべきはヒーターを使っていた人間(死んでるけど)か拾ってきた人間。

まあ、気持ちのやり場がないのはわかるんだけど、それで理性の眼鏡が曇るのはどうしたらいいんだろうねえ。この母親たちは戦い続けてさえいればそれを支えに生きていけるんだろうけど、もう少し他人に迷惑をかけない生き方を選びたいものです。

地価公示

えー、今年もこの季節になりました。

実は、うちは国交省の地価調査対象になってます。そんなこととは知らずに購入したし、知ってたからと言って価格交渉に役立つことはまったくないんですが、資産評価額が新聞に載るので結構気になります。一応購入時からしばらくは地価下落が続いていたんですが、その後反転して今年は購入年の価格に回復しました。まあ、売るのでなければ地価なんかは下がったほうが税金が安くなるからいいんだけどね。

バブルの頃からは半値以下になってるんですよね。このあたりが宅地開発されたのは随分(40年位?)前だからそれで損をしたということでもないんだけど、土地を妙にたくさん持ってると精神的にしんどかっただろうなとは思います。同情もしないけど。

2008年3月22日

「縄文-いにしえの造形と意匠-」展

at 兵庫陶芸美術館

アクセスがあまりよろしくない施設で、たどり着いたときにはかなり疲れていたんですが、これは堪能しました。足(か、あり余るヒマ)がある人にはお勧め。

縄文土器のデザイン上の変遷を縦糸、モースと岡本太郎による縄文土器の発見(再発見)を横糸に、土器の造形美と縄文人の思想を探っていきます。まあ、細かい説明よりも、(縄文土器の本場は東日本なので)関西でこれだけの土器が並ぶことは珍しく、見ごたえがありました。火焔型土器の取っ手の裏側の模様が素敵。

私としては、縄文の再発見に絡めて大森貝塚の再発見の話にも触れてもらいたかったけど、ややこしくなるからなあ。

「インド・大地の布」展

at 大阪日本民芸館

民芸館は大阪万博で使われた建物が今も現役で(しかもほぼ同じ目的で)使われている貴重な施設。芹沢さんの作品を意識してみるようになったのはたぶんここが最初。

チラシを見たときに「うわー、これは行かねば」と思ったくらいツボに嵌った企画で、内容的にも満足だけど、展示方法にはもう一工夫ほしい気がします。まあ、建物の構造上の問題が大きそうだけど。

あと、一般書だから仕方ないけど、図録が高すぎ。

「深奥的中国ー少数民族の暮らしと工芸」展

at 国立民族学博物館

チベットがドタバタして微妙なテーマになっちゃいましたが、広西・雲南を中心に中国の少数民族の生活を紹介。

年中行事の飾り付けやハレの伝統衣装など、展示物にはおおむね満足。ただ、無理を承知で言えば、高床式住居は床下部分も含めて再現してほしかったなあ。

今日はタイ族のひょうたん笛(フルス/ビラムダオ)のミニコンサートもやってました。5月にはタイ族の民間芸術団の公演もあるようなので、興味のある方はどうぞ。

常設展示場のロビーではダンスのワークショップなんかもやってました。なんか、みんぱくはどんどんヘンな方向に向かって行ってますな。そういう部分も含めて大好きですけど。

2008年3月17日

チベット暴動

まあなんだ、これでこの夏はチベットは除外だな(チベット以外も大陸には手を出しにくいけど)。

総統選での劣勢をひっくり返すべく、親中国派の国民党の勢いをそぐために、台湾民進党の工作員がチベット人を扇動して暴動を起こし、中国政府に武力弾圧を余儀なくさせた、というのが我が家のネタですが、今週の展開次第ではホンマに逆転があるかもね。ただ、報道管制が行き届いていて情報がほとんど漏れてこないから、このままだと大勢には影響なさそう。さすがに中国政府はミャンマーより上手ですな。

2008年3月16日

涅槃会

3月15日は京のあちこちで涅槃会が執り行われる。東山の東福寺と泉涌寺に行ってきた。

東福寺の涅槃図は明兆作。図中に猫が描かれていることで知られる。ただ、この猫、絵の左下、象の足元にいるのだが、ちょうど陰になっていて肉眼でははっきり姿を捉えられない。結局、パネルで確認しただけ。そういえば、この図には肝心のお迎えの神々が描かれていないようなのだが、涅槃に至る直前なのか、中央の塗りつぶしたような部分に描かれていたのかよくわからない。

さて、東福寺ではこの日は本堂の入場は無料になるのだが、それだけで帰るのも失礼なので特別公開の三門と龍吟庵を見に行く。

こちらは三門から本堂を見たもの。三門内部にはおなじみの飛天などの華麗な天井画(これも明兆一派)が描かれる。あまり禅寺っぽくない。中央の釈迦像の左右には十六羅漢だが、この羅漢さん達は岩山を模した自然木の中に鎮座している。なかなか面白い趣向だ。

ついでに、本堂の東側で甘酒の接待をやっていて、これがなかなか美味でした。

龍吟庵は東福寺三世住持(にして南禅寺の開山)無関普門の住居跡。入口の「龍吟庵」の額は足利義満の筆による。三方の庭は昭和を代表する庭師、重森三玲の作で、ちょっと説明的な気もするけどおもしろい。

季節はすっかり春で、庭の外側には小鳥が来ていた。現地では判別不能だったが、写真を見るとメジロですな。

泉涌寺の涅槃図は日本一(の大きさ)として知られるのだが、なんせ大きすぎてお堂の中では広げられない。涅槃像を壁面に持ってくると天井まで覆ってしまうし(その裏に狩野探幽の龍がいるはず、なのだが)、下の方の動物が描かれた部分は丸められたままだ。これで虫干しになるのか心配になる。かといって今の季節に堂の外に広げるのも危険だし。もともと東大寺に収める予定で描かれたものが諸般の事情で泉涌寺に伝わったようだが、大仏殿ならちゃんと広げられるはずだから、今からでもそっちに移せばいいのになあ。

更におまけ。翌16日は承天閣美術館(昨秋の若冲展の賑わいがうそのような静けさ)を覗いた後、京町家busonでワインの試飲会。決算期に調子に乗ってまた散財をした後、店頭で端切れを購入。風呂敷にでも仕立てる予定。夕方、京タンスに出向き梅の苗を購入。ちゃんと根付きますように。

2008年3月13日

おみやげ(2)


チャイナシューズ(通称「シンデレラの靴」)。西門町の小格格靴坊。

原住民テーストのバッグ。順益台湾原住民博物館売店。

おめでたい掛け軸。台北駅構内のおみやげ物屋さん。

絵はがき。永康街の金石堂書店。

絵はがき。永康街の金石堂書店。

おみやげ(1)


陶器の獅子。
いちおう作家もので、店頭でもガラスケースに鎮座。中華工藝館。

青銅の獅子(レプリカ)。中華工藝館。

獅子の操り人形。
台北戯棚のロビーではお兄さんが上手に操って客寄せをしていました。
そこでも売ってたけど、これは中華工藝館にて。

これも中華工藝館にて。

台北戯棚のお土産のランタン。

2008年3月12日

台湾高速鉄道

さて、帰国は昼便なので最後にお買い物という選択肢もあったのだが、もうバテてたし、前日のうちに現地通貨を使い果たしていたので、出発まで宿で怠惰に過ごしました。で、本来出発すべき時間より1時間も早くチェックアウトし台北駅へ。初日に乗り損ねた高鐡(新幹線)にリベンジ。

そもそも桃園空港まではシャトルバスで50分なので、わざわざ乗り換えの手間(と費用)をかけて高鐡に乗るのは無駄なのだが(京都駅から伊丹空港に行くのに新大阪まで新幹線に乗るようなもの)、旅行の主要な目的のひとつが新幹線とロープウェイだったので、、、まあ、笑ってやって下さいな。

これはセブンイレブンに貼ってあった販促ポスター。購入額に応じてドラえもんのシールがもらえ、10枚集めて応募すると新幹線やロープウェイのフィギュアが当たる。大人気につき期間延長、だそうだが、わしらと同レベルの人間が台湾にもたくさんいるらしい。ちょっとうれしい。

治安維持のためホームには発車間際にしか入れないため写真は少々撮りにくい。外観の写真はどこにでもあるし、乗車口の図。窓は日本の新幹線車両より大きめ。

車両編成図。おおむね日本のものと同じ。1等車は1両だけで、自由席は4両、全車禁煙です。


背もたれの握りも日本と同じ形状。自由席の台北寄り1列は優先座席。その後方に大型荷物置き場。日本の新幹線はビジネス客相手だが、こちらはツーリストもタ-ゲットになっているようだ。

なんせ乗車時間は20分。途中の板橋駅までは地下路線でもあり、外を眺めているうちにあっという間に桃園到着。トイレを試す暇もなかった。体験乗車にしても、もう少し早めに動いて台中あたりまで乗ってみるべきだったかな。まあ、次だ次。

しばらく駅舎内を探検。セブンイレブンには各種高鐡グッズも売られていたが、お金がない(カードも使えない)ので断念。バスに乗り換えて空港へ。普段専用車つきツアーで動いてもお金の調整のため空港で無駄な買い物をするのだが、今回はバスに乗った時点で現地通貨はきれいにゼロに。計算通りなのだが、バスが値上がりしてたらどうするんだろうねえ。まったく。

2008年3月11日

天成大飯店

さて、今回のお宿は天成にしました。土地勘はない、案内人はいないで、とにかくわかりやすい所を基準に決めました。台北駅直近(空港からのシャトルバスを降りるともう見えている)、地下鉄3番出口からすぐ(というか、出口の案内板に最寄の施設が表示されているが、3番出口の表記は一言「天成大飯店」)、駅から傘を差さず行けるのでこの季節にはありがたい(正確に言うと、ホテルの駐車場入り口部分でアーケードが4mほど切れていて、ここは傘を差さないと濡れると言えなくもない)。散策の途中で増えた荷物を整理しに戻るのもお茶の子さいさいです。ただ、空港バスの乗り場はちょっと離れていて、これは雨に濡れないと行けません(行ってないけど)。

室内。(予備知識の通り)ヘルスメーターが鎮座していて、スーツケースの重さを量るのに便利、と思ったら壊れてました。残念。まあ、今回は日程も短いし重量物も大して買わなかったので、それほど困りませんでしたが。

窓の外はこんな感じ。日曜の朝の情景なので車は少なめです。目の前が駅前広場で、その向こうがバスターミナル。

2008年3月9日

鼎泰豊

さて、初日に夕食をカップめんで済ませちゃったくらいで、およそ美食とは縁がなかったのだが、さすがにここは外すわけにもいくまいと、行って来ました鼎泰豊(本店)。

混んでいるのは分かってるので昼食が終わった頃(土曜日の2時半)に出向いたのですが、まだ順番待ちが続いてました。もっとも、ここは整理番号が店頭の電光掲示板に表示されるシステム(銀行みたいね)で、おまけに隣の金石堂書店の店内からそれなりに掲示板が見える(上の階まで行っちゃダメよ)ので、まともな時間に出向いてもストレスは少ないように感じました。今回はすぐに順番が来たので食後にまた本屋に戻っちゃたくらいだから。


写真ではカウンターが<100>になってますが、この後は<1>に戻ります。

で、肝心のお料理ですが、普通においしいです。目玉の小籠包の他にチャーハンと野菜炒めを頼んだんですが、特にチャーハンがうまかった。当然のことながらホテルの朝食や雙城街の屋台とはだいぶ違う。ただ、もう少しスムーズに料理が出てくるとうれしいんだけど(忘れられてただけ?)。あのペースなら夕食のほうがしっくりしそうです。せいろ系ももう少しいろいろ食べたいしね。

わざわざ行くべきか、は難しいなあ。本店だからといってあまり多くを期待しても辛いし。MRTの信義線が開通すればアクセスはよくなるけど。


ちなみに、こちらは雙城街夜市。

2008年3月6日

博物館

さて、台湾に来たらやっぱりここに行かねばなるまい、というので3日目は朝から故宮博物院へ。ポカは士林駅でバス停と反対側の出口に出ちゃったくらいで、開場15分前にあっさり到着。まだ開いてないだろうと思ってガラス戸を押すとすんなり開いたので中に入る。奥のほうで職員が朝礼らしきものをやっている、と思ったら警備のおじさんが来て外に出される。やっぱり開場はまだだったらしい。それでも待つ間もなくすぐ入れてくれたので、チケットを買って(一番乗りだ)荷物を預けてゲートに向かうが当然開場はまだ。パンフをあさったり階下の団体受付の偵察に行ったりトイレに行ったりして戻ると当然のように行列ができている(数十人レベルだけど)。やっとこさ入場。

1階の博物院の歴史を解説したコーナーから見るのが正しい態度だが、まずは故宮名物の翠玉白菜を拝むため3階へ。先客が3人いたがじっくり堪能。白菜は思ったより小ぶりだった。そのままじっくりと3階を見て回る。青銅器が印象的。当然のことだが、泉屋博古館で独立したケースに入ってるような物が無造作に並んでいる。2階に下りるころから急に人口密度が増える。耳につく言葉も中国語中心だったのが日本語中心(現地ガイドの日本語のほうが主だが)に変わっていく。ちょっと疲れたので2階のカフェ「停雲」で高いローズティー(ポットティーで、カップに移すと3杯分以上あったから、高いかどうかは考え方次第だが)を飲んでやり過ごす。ここの客はあらかた日本人。それも、ツアーについてるから大して興味もない博物館に来たが、特に見るものもないし集合時間までは間があるし、コーヒーでも飲んで時間つぶそう、という人種のようだ。カフェの客が減り始めた頃に展示場に戻ると、案の定客足も減っていてまた中国語が耳につくようになり、残りをゆうるりと片付ける。もっとも、実際に回ってみると、残っていた展示は正直苦手な書が中心で、あれなら人ごみの中で見ても良かったかな。

さて、リニューアルされた故宮博物院の最大の問題点はトイレだと思います。スペース的には十分なはずなのに、なぜか便器が少ない。朝顔より洗面台のほうが多かったりします。王室のコレクションを鑑賞するんだからゆったり過ごせってことでしょうが、なかなかそんな優雅な気分にはなれないよね。トイレのご利用は計画的に。

ミュージアムショップ(手ごろなお土産は揃ってるけど、図録がもう少し充実してるといいのになあ)で買い物をして外へ。本来は庭も見ていくべきところだが、この日はあいにくまとまった雨で断念。近所(バス停ひとつ分郊外寄り)にある順益台湾原住民博物館に向かう。すでに疲れてたので適当に見たが、ある意味故宮よりおもしろい。3D映画はピンボケだし、映像展示の多くはブラウン管が焼けていて見づらいし、ビデオテークはVCDなので見てて悲しくなるし、そもそもこの分野の良品は鳥居龍藏以来の業績で日本の方が豊富に残っている気もするが、それでも楽しい。やっぱり現地で見ないと(台北が現地かは疑問もあるけどね)。機会があれば先住民のお祭りなんかも見たいなあ。ちなみに、ショップも小ぶりだがこっちのほうが故宮より楽しい。客を選ぶとは思うが、おすすめです。

2008年3月4日

平城遷都1300年祭

平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターが街の話題になってます。私、これ、肯定派ですねん。

遷都1300年といっても同じ関西にいてさえほとんど認識がなかったのが、この騒ぎで一気に全国区の知名度を獲得しました。わずか500万円でこれだけの宣伝効果を上げた薮内先生と協会の広報担当者は神ですね。

ただ、これを当たり前にかわいらしい着ぐるみでやったのではもうひとつパンチに欠けます。ここはぜひ特殊メイク(白塗りともいう)の俳優を起用したい。1人だけでは各地のイベントに手が回らなくなるから5人くらい用意して、週末になると全員集合して「平城ファイブ」を結成し、マスコットキャラクターの座を狙って毎週ひこにゃんが(いや、ひこにゃんでなくてもいいけど)送り込む、いかにもありがちなかわいらしい着ぐるみキャラと戦うのだ。で、正義は必ず勝つ(どっちが正義やねん)のだが、博覧会の閉幕を前についに悪の組織に破れ(色恋沙汰で裏切り者が出たりするとなおよい)、平城ファイブはいにしえの都に帰って行くのだ。うーん、誰か撮影してくれないかなあ。

自転車の3人乗り

少子化対策に逆行するなどのクレームが相次ぎ、警察庁が3人乗り容認に舵を切ったようだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080304-00000042-mai-soci

ここでキモになるのが「3人乗りでも安定走行できる自転車が開発されれば」というくだり。3人乗りでも安定走行できるのはどんな自転車だろうか?とりあえず、前かごの上に子供が乗る形は、重心が高くなる上に前方視界が確保できないのでNGだ。後ろに2人乗せるにしても、縦に積んだのでは重心が高くなりすぎ。荷台の左右に振り分けるとしたら一人だけのときにバランス悪いし(砂袋を積めば解決するけどさ)、転倒したときにちょっと怖い。

しかし、よく考えてみると、別に新たに開発しないでも日本にも昔から3人乗りで安定走行できる自転車があったのだ。そう、「輪タク」である。個人的には、改めて日本で作るのではなく南アジアから輸入し、街角を神様や濃い顔の俳優のプロマイドがべたべた張られたサイクルリキシャが跋扈するようになると楽しい。ほんとはシクロ(前輪側に客席がついた東南アジアの輪タク)の方が乗客の視界がよくて楽しいんだけど、子供の怪我のリスクは増えるかも。あと、自転車は車道を走るもの、というルールが再確認できるのも輪タク普及のメリットかな。これで歩道を走るのはさすがにまずいでしょ。

2008年3月3日

台北戯棚

台北戯棚(TAIPEI EYE)は台湾の伝統芸能ショーです。といっても、もちろん原住民のものではなく漢民族の伝統芸能ですけどね。

ランタン関係は別にして、今回下調べをしていて一番気になったのがこれなんですが、当初のアナウンスではわれわれが行く週(金土曜の2日開催)まで正月休みとのことだったんですね。じゃあ仕方ないなあと思ってたところ、春節の前に元宵節の週末から再開との情報が入って、これ幸いと予約を入れて台湾へ渡りました。

プログラムは月単位で変わるようですが、22日は1部がお正月の獅子舞で2部は京劇のハイライトショーでした。2部は演目はともかくたいがい京劇をやるようです。また、台北ナビのレポートhttp://www.taipeinavi.com/daynews/daily_photo.html?id=1306を見ると、翌日の1部は人形劇だったようです。たぶん獅子舞のほうが正解。



獅子舞。この前にも神様が縁起物(あめ玉)を撒いたり、道化が出てきたり白い獅子が踊ったりするんですが、黄色い獅子が愛想をふり撒きながら谷を渡って、やはり縁起物を撒いてくれます。正直、2部の京劇よりずっと楽しめました。



で、京劇。日本語の字幕も出るんですが、ダイジェストショーであら筋にはほとんど意味がなくひたすらチャンバラを見せてくれます(字幕なんか見なくてよい)。まあ、楽しいんだけどね、多少ぼろも出るし、飽きも来る。もう少しスローダウンする場面があってもいいのでは。まあ、演目が変われば印象も違うのかもね。


さて、普段から開演前にロビーで役者さんのメークを見せたりするようですが、今回は元宵節特別バージョン。ロビーにはランタンや飴細工の職人、元宵節の団子(湯圓というらしい)を丸めるおじさんなどが屋台を出していて、入場券と引き換えでランタンなどのお土産がもらえる。幕間には元宵節のお約束(だそうな)のなぞなぞ大会(当然賞品つき)や、先ほどの湯圓の試食会もある。普段は90分の公演らしいが、ロビーのアトラクション込みでたっぷり2時間やってお土産も付いて料金はそのまま。皆様、台北戯棚に行くのは元宵節がお得ですわよ。

2008年3月2日

台北の公共交通

と書けば短期滞在者にとってはまずMRT(捷運)。台北は町の規模としてはほぼ大阪と同じですが、地下鉄の(当座の)将来計画も現在の大阪市地下鉄(+周辺私鉄)と同程度のようです。現時点で開通しているのはそのうちの半数程度。もっとも、工事は急ピッチで進められており(滞在中も民権路と信義路で工事をしているのを目撃した)、数年でMRTだけであらかたの用は足りるようになりそう。

さて、そのMRT、案内も豊富で漢字表記もあいまって日本人には非常にわかりやすい。



これは動物園駅の改札を内側から見たものですが、ほとんど違和感がありません。台北MRTは磁気カードを廃止してすべてICチップに置き換えた(ソニーのフェリカとは別物らしい)ようで、通常の乗車券もICトークン(プラスチックコイン)になっており、「ピッ」で入場し退場時にはトークンを改札機に投入する形になっています。ちなみに、改札の左奥に見える黄色の看板の自販機は実は両替機(乗車券は高額紙幣では買えないためだが、銀行で入手した高額紙幣を普段使いの細かいお金に変えるのに最適)、その右の白地の照明の自販機が後述の悠遊卡の販売機、左に並んでいるのが普通の切符の販売機。




上が忠孝復興駅の板南線ホーム、下が木柵線ホーム。ちなみにプラットホームは「月台」といいます。日本と違い、電車がいつ来るかではなく何分後に来るかが表示されますが、行き先も含めしつこく表示されるし特に困りません。台湾の人は(大陸と違って)ホームでも特にがつがつせずぼーっと待っていて、整然と乗り込みます。大人ですね。車内も車両は少々小ぶりだし、座席がプラスチックだったりしますが、車両が新しいこともあって快適です。優先座席もそれなりに機能しています。車内では飲食禁止なので、日本人としては心しておかないとトラブルの元ですな。



木柵線は高架のいわゆる「新交通システム」です。日本と違うのは各車両が独立していて隣の車両に行くにはホームに下りないといけないこと。まあ、普通はどうでもいいけどね。先頭の座席にてっちゃん予備軍の男の子が陣取っているのは日本と同じです。

バスの話も少し。新しい車両だと運転席の後ろに次の停留所の電光掲示がありますが、車内が混んでると見えないし、そんなものないバスも当然あります。外の風景と路線図とにらめっこして降りるべきバス停を探すことになりますが、これはまあ国内の土地勘のない大きな街でバスに乗るときも同じなので許容範囲かと思います。問題はむしろバスに乗る時。同じ名前で複数の乗り場があるケースも苦労しますが、今回困ったのはひとつの乗り場に非常に多くのバスが停車するケース。台湾のバスは手を上げるなどで乗車の意思表示をしない限りバス停に人がいても黙って通過していきます。問題のバス停では20本ほどのバスが利用でき、その6割くらいが目的地に行くはずだったのですが、「バスが接近する」→「案内幕で系統番号を確認」→「バスの系統図で経由地を確認」→「目を上げるとバスはもういない」、というのを10分ほど繰り返した挙句、あきらめてMRTの駅まで歩きました(タクシーに乗れよ)。5本くらいまでなら番号も覚えられるんだけどなあ。

で、悠遊卡。プリペイド式のICカードです。払い戻しの際に手数料を取られるのが難点ですが、運賃が2割引になるうえ乗継割引もあるので結構簡単に元は取れます。ロープウェイもこれで乗れますし、だいたい、異国でいちいち運賃を調べて切符買うストレスを考えたら、何も考えずに乗っちゃえばいいのは非常に楽です。これで街なかでも使えるようになれば言うことないんだけど。

大大阪

大阪府立現代美術センターに大阪アートカレイドスコープの映像展示を見に行く。戦前の大阪観光案内映画「大大阪観光」と戦後の「大阪市ニュース」の抜粋を上映している。全体で2時間ほどだが、なかなか新しい発見があったりして楽しめた。

大阪市ニュースは映画館で本編の前に上映する広報映画。動く児童館「こばと号」がリニューアルするたびに大型化していったり、占領下での地下鉄工事ではセメントを手押し車で運んでいたのに、昭和30年代になるとコンクリートミキサー車が登場しセメントを流し込み始め、嬉しそうに「突貫工事で地下鉄が伸びていく」ことを謳う。突貫工事とか工場から煙もくもくでてるのは文明の象徴でいいことだったわけだ。万博が近づくと「海外からのお客さんを温かく迎えよう」「町をきれいに」といったスローガンが急に登場し、万博が終わると成功を謳って「成果を未来の大阪に」と締める。地下鉄の駅は吸殻でいっぱいだし、トロリーバスもがんばっている。「物価指導員」なる人物が卸売市場で仲買人からせり値を聞きだし、「適切な販売価格」を決定し各公設市場に通知、その値段で売られているか監査に回る(資本主義って何?)。

まあ、なんだ、中国もオリンピックや万博を契機に街がきれいになるといいね。大阪は万博が終わると元に戻ったような気がするけど。あと、街がきれいになる前から食の安全とか言っても無駄だと思うぞ

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ついでに(どっちがついでかはともかく)BKの「ちりとてちん収録セット公開」に行く。朝一で行って「うわー、並んでるやん」とか思いながら見て、隣の歴史博物館の展示を見て降りてきたら建物の外まですごい行列になっていた。視聴率は出てないはずなのだが、やっぱり人気はあるらしい。


寝床の看板。みうらじゅんチックなイラストが素敵。文字は木村祐一直筆だとか。

ハンドミキサー。こういうものがちゃんと置かれているとうれしい。

2008年3月1日

街を歩く

(くすかさんの本で仕入れた情報通り)二二八和平公園、台湾博物館の裏手にリスの餌付けをするおじさんがいた。うーん、かわいいやっちゃのう。鳩もたくさんいたが、こちらは餌をやる人間は見かけなかった。というか、台湾人は鳩を食べたりしないのかな?




台大医院。大正期の旧帝大付属病院建築で、植生はともかく建物はなんとなく見覚えがある。もっとも、玄関ホールの天井の高さや廊下の広さなどは内地の病院よりかなり上等。



外来化学療法部の中庭。点滴室からどの程度外が見えるかはわからないし、待合室はなく廊下にいすを並べて待合にしている(当然混んでいる)のだが、ドア1枚抜ければ椰子の木陰でお弁当が使えるんだから、ゆったりしてていいよね。



街のパン屋でこんなものも発見。(パンではなく)ケーキを買ったので味は不詳。ちなみに、ケーキは可もなし不可もなし。

猫空

猫空は高原リゾート(といっても海抜300mほどだが)で有名なお茶の産地で、道沿いに茶芸館が散在しゆったりとした時間が流れるところ、のはずだが、ロープウェイの異常人気ですっかり俗っぽい雰囲気に支配されていた。まあ、仕方ないなあ。こっちもあまりゆっくりとはできないし。 それでも、平日の朝で開いている店もほとんどなく、屋台も机のみが路上に残っている。



駅前の土産物屋兼軽食屋さん。いかにも観光地というたたずまいだ。


天恩宮のご本尊


前述のように茶芸館は多くが閉まってるし、鉄観音・包種茶研発推進センターも開いてはいたが係員の姿は見えない。仕方ないので「健康歩道」とかいうのに入り込む、と、これがまあほんとに健康になりそうな山道。足元が濡れているので結構危ない。
このあたりの河床には侵食でできた穴がたくさんあいていて、「壷穴」と呼ばれていたところに同じ発音の「猫空」という字を当てたのが地名の由来とか(猫がいないから猫空、という俗説もあるようだが、ちゃんと猫もいました。犬のほうが目立ったけど)。ひいこら歩いて元の道に戻ったところでその壷穴への降り口を発見。ちょっと迷ったけど、行くのはやめました。途中で引き返してもこれだけ疲れるのに、谷底まで降りたらもう這い上がれない、、、


ロープウェイまで戻ってもよかったが、ちょうどMRT萬坊社区行きのミニバスが来たので乗車。途中で猫空駅前を通ったんだけど、ゴールデンウィークの大原バス停みたいな雰囲気になってました。平日であれだから、休みの日は大変だろうなあ。