2015年9月30日

山塘街

蘇州は面積の4割が水で覆われているという話で、ベニスよりよっぽど広大な運河の町です。隋代には杭州から北京に至る運河が築かれ、運河上の要衝として栄えました(その前から大きな町だったんですけどね)。その中でも物資の集積地として栄えたのが山塘街。その歴史は白居易が蘇州知事の時に蘇州城と虎丘を結ぶ運河を築いたことに始まります。清代には「中華第一街」とも称されました。
ということで、まずは運河のクルーズから。
20人から乗り込むんだから動力付きのそれなりの船。風情はいまいちかなあ。







蘇州を代表する観光地ですが、運河沿いの建物はみんな民間のもの。国から補助金は出るようですが、あまりきれいに整備されているとは言えません。わしら的には生活感があっていいんですけどね。魚も釣れるし、夕方になると石段で洗濯や洗い物を始める人も多いとか。ガイドさんは「運河は揚子江につながってるからきれいだし大丈夫」というんだけど、水を見てるとちょっと心配。そもそも、揚子江からして心配だし。
陸に上がって商店街を散策。いろんなものが並んでいる。
運河?のおさかな
暦(気が早いことで)

へび
かに
すっぽん
どこに行っても市場は楽しいよねえ。

2015年9月29日

寒山寺

続いての訪問先は寒山寺。
寒山拾得ゆかりの寺だが、箒も経典も持っていないのでどっちがどっちだか。
こちらは三蔵法師御一行。
寒山寺と言えば張継の七言絶句「楓橋夜泊」だそうで、中国では教科書にも出てくるので子供から大人までみんな知ってるとか。寺のいたるところに漢詩の彫られた石版が並んでいます。

中国の仏像はたいてい派手だけど、
この人はどう見てもロッカーだよね。

日本とのゆかりも深く、こちらは鑑真の像。
で、こちらは弘法さん。
有名な寒山寺の鐘にも日本で鋳造されたバージョン(伊東博文の銘文つき)があるそうだし、日本人の寄進者もたくさんいるようです。
太湖石はどこにでもありますね。
寒山寺は日中戦争の戦火を免れた(文化大革命も、かな)ので、(ガイドさんによると)最近も旧日本兵の方が訪れて「ここは70年前と全く変わってませんね」と言ってたとか。でも、帰ってきてから支那の夜(戦後公開された短縮バージョンの「蘇州夜曲」の方)をYoutubeで見たけど、蘇州の雰囲気はだいぶ違うけどねえ。まあ、日本だってだいぶ違うから比較の問題かな。ちなみに、蘇州夜曲は「鐘が鳴ります 寒山寺」で終わります。今の日本人は漢詩なんか知らないから、楓橋夜泊よりこっちを紹介する方がまだマシなような気がするけど。

2015年9月28日

留園

中日は上海発の蘇州一日ツアー。いつもは参加者数人だそうですが、(日本が)連休なので20人ほどの大所帯でした。これはまあいい事も悪い事も。スケジュール消化優先でどうしても急ぎがちになるとか、説明が聞こえないとかが難点。土産物屋でのプレッシャーがないとか、オプションの遊覧船が黙ってついてくる(それでもこの人数を一括処理ならツアー会社はウハウハでしょうね)とかがいい点。中華料理も人数多い方が楽しいしね。

まずは中国四大名園の一つ、留園へ。ちなみに、他の三つは頤和園(北京)、避暑山荘(河北省承徳)、拙政園(蘇州)。あと、蘇州四大名園というくくりもあって、こちらは滄浪亭(宋代)、獅子林(元代)、拙政園(明代)、留園(清代)ということになってます。留園が一番新しいってことね。
こちらが入場ゲート。人が多いのでハンドマイク使用禁止とのことで、ガイドさんがあわてて外してるところ。受け付け横に他の方のマイクが転がってます(いいかげんだなあ)。ゲートは電子化されているんだけど、団体さんは面倒なのでお姉さんが人数数えるだけでした。
元々は明代の個人庭園だったのですが、一旦荒廃したのちに18世紀末に拡張整備され「劉園」に。その後も何度か持ち主が入れ替わり、1876年に「留園」に改称された。そうな。戦乱(太平天国の乱とか日中戦争とか)の度に荒廃、再整備を繰り返しているようです。
ここの特徴なのか蘇州ではみんなこうなのかわかりませんが、あちこちに太湖から持ってきたという石灰岩があしらわれてます。
庭園の東側は住居エリア。
時代がかったガラスがいい味出してます。
留園と言えばこれ、らしい「冠雲峰」。高さ6.5mだとか。太湖石の価値は「透、痩、漏、皺」で決まり、大きな穴や多くの穴が開いていて反対側が見えていて、かつ、細身で皺が複雑なのがいい太湖石(だそうです)。
よそではあまり見かけなかったけど、写生をする人も。

回廊がきちんと整備されていて、雨の日でもそれなりに快適に庭を廻れます。
瓦は蝙蝠を模っており、富の象徴なんだとか。
足元にも所々装飾が施されていました。

2015年9月27日

中秋

今夜はきっちり晴れてくれました、が、観月祭に出かける元気はさすがに残ってません(連休の疲れは残っている)。まあ、玄関先からで十分ですけどね。

大英博物館展 100のモノが語る世界の歴史 @神戸市博物館
意外なセレクトはないけど、やっぱり楽しい。ウルのスタンダードは予想以上にいい状態だったし(きっちり修復していると言うべきか)。わしらにしては珍しくカプセルフィギュアがかぶらなかったのも○。

森山佐紀個展 景色をとらえる
山西杏奈展 @ギャラリー301
神戸アートマルシェ2015 @神戸メリケンパークオリエンタルホテル
アートマルシェにはなかなか縁がなかったんだけど、今回ギャラリーさんと作家さん双方から招待券をいただく事態になり、さすがに行かないとまずいだろうと参戦。大阪や京都のアートフェアに比べ展示品がユルくてわしら向き。駅から遠いので会場内の混雑も許容範囲内。会場もすべての部屋にテラスがあって港が見渡せ、天気もいいし(日向はちょっと暑いけど)心地よい風が通り抜けていく。こりゃいいわ。で、作品は買わずにポップコーンを買って紅茶のサンプルをもらって終了。

中華街の中秋節にも神戸ビエンナーレにも行けてないけど、ゲイロードでスペシャルランチ食べて大満足でした。

2015年9月26日

待宵の月

天気予報は割とよかったんだけど一日どんよりとした天気で月は見えず。

20世紀琳派 田中一光 @dddギャラリー
川端健太郎展 @ギャラリー器館
PANTHEON 神々の饗宴 @京都府立植物園
京都野外彫刻展 @京都府立植物園/陶板名画の庭
比佐水音展 留琉
滑川道広個展 GOOD STORY BAD STORY @ギャラリー恵風
山崎史生個展 @イムラアートギャラリー
堤展子 陶 @祇をん小西
北村香織展 @ギャラリーかもがわ

今日もいろいろあったけど、堤さんのオオサンショウウオ。1匹1匹ちゃんと個性があってめっちゃかわいい。お庭のちっちゃいのを予約。

2015年9月25日

静安寺

南浦大橋から地下鉄に乗って静安寺へ。駅直結のショッピングモールでは(最近日本でもよくあるけど)アートイベントをやっていた。


この綿菓子はちょっと魅力的だったけど、買う勇気はない。
表では手作り市をやってるし、
ストリートミュージシャンもいる。
こちらが駅名の由来になっている静安寺。上海を代表する古刹です。
拝観時間は終わっていて眺めただけ。なのだが、境内の月餅屋の月餅は美味しゅうございました。地元の人が並んでるものには外れは少ないよねえ。

2015年9月24日

上海万博跡地(浦西)

上海は皆既日食、万博に次いで3度目の訪問。今回のテーマは「万博の跡地を歩こう」というもの。大阪万博跡地がヤノベケンジを育んだわけだが、上海万博から5年たって上海にどんな未来の廃墟が生まれているのか(あるいは、そんなものはとっくに消え去って新しい顔になっているのか)を確認しようという趣向。もっとも、行くまではギャラリー街にも行こうとか考えていたのだが、もともと2泊3日の中日を蘇州日帰りツアーにあてていたし、万博跡が面白くてそれだけで終了しました。まあ、その程度の計画性しかありませんわ。
地下鉄西蔵南路駅を出て黄浦江方向へ向かう。万博当時の区割りではEエリアの西側に相当する。どーんと見えてくるのがかっての中国船舶館。看板がそのまま残っているので、まだ再利用はされていないと思われる。ちなみに、ずっと西(右)の方では万博記念展(旧都市足跡館)がオープンしており、万博博物館の整備計画もあるらしい。日程に余裕があれば行ってみたんだけど。
その左手にはリノベーションされた上海児童芸術劇場(旧上海汽車工業集団¯通用汽車館)と旧信息通信館。手前の重機が佇んでいるあたりにも当時はパビリオンが並んでいたのですが、現状は工事現場の趣。
こちらは万博当時の3館の写真。建物の写真なんかあまり撮ってないので、それなりに印象的だったのでしょうね。
児童芸術劇場の庭ではカウパレードが行われていた。予想していない事態なのでラッキー。

市民の憩いの場となっているようで、廃墟らしくはないですね。
河畔は公園となっており、万博の遺産と思われるオブジェが散在。
旧中国航空館。廃墟になりかかってます。
こちらは万博当時渡船の船着き場だった場所。船の方は塗装しなおして使っているようでしたが、再開発事業がもっと進まないと桟橋の出番はないねえ。
この日のお目当ての上海当代芸術博物館。もともと南市発電所だった(ので煙突が残っている)建物を万博時にリノベートし城市未来館として使っていたのだが、改めて改装して美術館として供している。
こちらが万博当時の姿。
5階のテラスに出たところ。特徴的な配管も塗り替えられてますね。ここには屋外彫刻も置かれているし、
眺望も見事。手前は先ほどの桟橋の屋根が連なり(これだけ行列させてたんだよねえ)、対岸を見ると旧中国館や旧世博文化中心、旧サウジアラビア館といった建物が残っているのがわかります。2日後に近くまで行ったのであらためてレポートする予定。
周囲には作品も残ってますが、
あらかた工事現場ですね。総じて浦西の方が再開発が遅れている印象。
さて、美術館の内部ですが、構造も面白いし、

展示もなかなか楽しめました。今の上海市の博物館の構成は、主に古代芸術を展示する(人民広場の)上海博物館、近現代芸術を展示する中華芸術館(旧中国館)、当代芸術を展示する上海当代芸術博物館の3本だて。これらは原則無料で入場できます。今回の当代芸術館の場合だと、3つの展示のうち1、2階の「理想之城」が有料。5階(中国挪用艺术)と7階(时空书写)が無料扱いでした。ただ、どこから有料なのかいまいちわかりにくいのは難点。中国語を解しないこちらが悪いんだろうけどさ。

さて、外に出ると雨がパラつきだしたので、別の地下鉄の駅を目指すもこれがまたわかりにくい。どこで道が渡れるのかわかんないし。
上海ではMINIは英国車のイメージのようです。こちとらすっかりドイツ車だと思ってるんだけど。しかし、このディスプレイは、、、ガケ書房か?
工事現場のフェンスには万博のマーク入りの注意書きがまだ残ってました。モチーフになっているのはサウジアラビア館ですね。ピークでは9時間待ちの人気館だったんだけど、中国館を使わないのはちょっと意外。