2011年3月27日

ウメサオタダオ展

昨日、柴谷篤弘の訃報が舞い込んできた。知の巨人たちも揃っていいお年だから、どんどん他界していくのも当然なんですが、この手の巨人はなかなか出てきにくい社会になってきたよね。ということで、京大系の巨人たちの中でも指折りの大物、梅棹忠夫の回顧展。とにかく資料の保存状態がやたら良好な人(戦災で消失したもの以外はすべて残されているのでは?)なので、スタッフも大変だったと思うけど、かなり刺激的な内容に仕上がってます。とりあえずみんぱくの退官記念講演の記録映像を見て、それだけでおなかが一杯になっちゃったので後は流したのだが、改めてこのおっちゃんはぶっ飛んでるわ。退官講演で「あと20年くらいは生きられると思うから」と言いながら今後の仕事を語り、その通り多忙な毎日を送り18年後に亡くなるんだけど、自分の体のことも論理的に把握できたんだろうなあ。本館の方にも梅棹の写真が展示されてます。吹田市博物館でも梅棹展をやってるけど、さすがにここまで足を伸ばすのは難しいかな。なんとかしたいけど。

2011年3月26日

嵐山は朝から雪(と晴れ間が交互にやってくる微妙な天気)。彼岸も過ぎたのに春はどこへやらですが、市内を歩くとところどころ早咲きの桜が咲いている。もちろん、他の花も。なんだかんだ言っても季節はちゃんと巡ってきます。先週は街行く人も沈んで見えました(そもそも人通りが少ない)が、今週は見た目は普通の表情に戻っていました。あ、でも外国人は減りましたね。そんな中での散策。

並河靖之七宝美術館
この天候ではさすがに人がいなくて静かでよろしい。庭に出たときはたまたま晴れていて、池の水面で反射した陽の光が松の枝で踊ってました。ここのお庭はコンパクトだけどさすがです。

関西版画会展 @京都市美術館別館
木代喜司彫刻展 @アートスペース東山
いろいろいたけど、ウサギがかわいい。

清藤隆由展「退化という進化 - 増殖」@ギャラリーはねうさぎ
これは面白い。最初どうなってるのかわけがわからなかったが、透明のアクリル板を挟んで作品が展開しています。ネタバレしてもなお不思議な空間。

金澤麻由子展「Sweet Home 」@ギャラリー16
インタラクティブなアニメーション作品。アルパカはしゃぎすぎ。

グループ展「UNDULATIONISM」 @MORI YU GALLERY KYOTO
奥田美惠子陶展「多様な生命の再生と循環」
國松万琴展「BUON VIAGGIOⅡ 」@ギャラリー恵風
2階の國松さんはツボ。旅した国々の(個人的な)イメージを作品化しています。エジプトの舟の緑色がきれい。

松井沙都子展「Phantom hides on the wall」@gallery neutron kyoto
作家は困惑するかもしれないけど、やっぱりうさぎでしょ。

橋本真弓展「ウォーターカラー」@ギャラリーヒルゲート
型染・五人展 @同時代ギャラリー
藤井まり子個展「Existence」@ARTZONE
石橋志郎展「世界をくぐりぬけて、椅子に座る」@ギャラリー射手座

本日はここまで。最後にゼスト御池に立ち寄ったら、ドレクスキップという北欧の民族楽器のバンドのライブをやっていて、しばし見とれる。今日は当たりのイベントが多くてラッキーでした。

ほんとはGURAのチャリティーにも行こうかと思ってたんだけど、今日は先週までに購入した作品2点を受け取って支払いもしたので、荷物も多いし軍資金もないしで断念。でも、全作品の引き取り先が決まったようで何よりです。ということで、収蔵品の紹介。
植田麻由「あおのはつが」、高さ12cmほどの小品です(大作には手が出ません)。最初は植物のイメージでしたが、今日改めてみるとペンギンみたいですね。
武田あずみ「一週間の些事-木曜日-」。
ついに階段にも作品をかける破目になりました。引っ掛けて落とさないか心配です。まあ、あいかわらず震度4で壊れそうなものばかり買ってくるんだから、あれこれ心配しても仕方ないけど。

2011年3月25日

ベータ線熱傷

原発での作業ってのは累積被ばく線量との戦いで、同一人が長期にわたり作業を続けることができないため熟練作業員なるものは存在しない、というのは知識としては知ってたけど、、、お粗末だなあ。主任者講習とか行くと文科省関連の人から「厚労省管轄の事業所は従業員教育がなっとらん」とお叱りを受けるのだが、経産省もたいがいだったということか。ただ、東電の係員がきちんと管理をしないと、というのはもっともだが、東電社員が直接指示をすると偽装請負になるのではなかろうか?危険なうえ大きな責任を伴う作業なんだから東電の正社員がやるべき、というのには同意。

もうひとつ。朝の時点では「被ばくは180mSv」というのと「皮膚にベータ線熱傷の可能性あり」という話しか出てこなくて、昼から夜にかけて「発表された被ばく線量は胸部の線量計の累積値」「貯まった水の表面での線量率は400mSv/h」「実際の被ばくは2-6Sv」といった話が出てきたのだが、そもそも180mSvでベータ線熱傷はないだろうに朝のテレビ局内でそこに突っ込みを入れる人材がいないってのが驚き。東電が黙ってても情報をすべて出してくる組織じゃないことはわかってるんだから、マスコミがもう少ししっかりしてくれないとなあ。

(追記)内部被爆の評価がまだなのは気がかりだけど、全身被爆ならともかく、両足のみ(それもβ線がほとんど)の2-6Svで生命の危険などありませんわ。発表されたデータを右から左に流すだけで、的確な解説をつけないからネチズンが騒いでるでしょうが。ちゃんと仕事してくださいよ、ほんとに。

2011年3月19日

スーパームーン

今日は月が近づいて、なかなか立派な満月です。お昼過ぎまで仕事だったんですが、月に誘われるように(競馬がはねてから)街へ。

京都嵯峨芸術大学の陶芸 @ギャラリー・パルク
日野田さんは相変わらずだけど、岡安真美が楽しい。なぜ耳が生えてるのかな。

武田あずみ展|夜更かし備忘録
野上徹展 @ギャラリーヒルゲート
先日の造形大の卒展でのお気に入りの武田あずみ。たまたまフライヤーで個展を見つけて見に行く。作家名は覚えないけど、作風が強烈なのは得です。で、他の作品も見ましたが、やっぱり面白い。絵もだけど、横に添えられた言葉が光るし、同じ絵を使った組み作品でせりふが違うバージョンがあったりする。ボックスもよかったけど、やっぱり卒展で見た連作がいい。何事もつかみって大事ですね。ということで1点購入予約。なんか、地震からこっち勢いついてます。がんがん金をつかわにゃ、みたいな感じ。で、手続きをしつつコーヒーをいただいてたら、今日は卒業式で不在という作家さんが登場。謝恩会に行く途中に立ち寄ったとかでちょっと挨拶。うーん、今日はついてるね(馬はあかんけど)。オーナーさんに下も面白いからと言われて1階の野上徹を見に行く。うーん、確かに面白いわ。

塔本シスコ七回忌展 @ギャルリー宮脇
どうしたらここまで自由になれるんだろうねえ。

この後、森林食堂のカレーを求めて「ITO a.d.v.」のオープニングパーティーへ。カレーはうまいし、差し入れのイチゴもうまいが、生演奏にはまる。今日もいい一日でした。

2011年3月13日

今日もいい天気

いろいろ気が重くなることが多くて、のんきに遊びに行く気分になかなかならないのだが、昨日も一日仕事してたし(効率は悪かったけどね、平常心って難しい)、今日で終わるイベントもあるから普通に出かけることにした。とりあえずネタはほぼアタリ。回遊中も3号機(プルトニウム入り燃料を使用)のトラブルとか気になる情報は入ってくるんだけど、精神的にだいぶリフレッシュできました。ケータイ切っとけばいいだけだろ、という気もするけど。

「人」を描く-情景から造形へ- @堂本印象美術館
サブ企画の「印象のペン画」が面白い。絵もだけど、文章がうまい。どんな絵でも描けるだけじゃなくって、絵以外も書けるんだなあ。

パウル・クレー展 おわらないアトリエ @京都国立近代美術館
今回はクレーがどうやって作品を作ったかが焦点。油彩転写のビデオだけでも面白いが、作品の切り分けの実態が興味深い。あれじゃあ何が描いてあるのかわからなくても無理ないなあ。かわいいことはわかるから十分だけど。

マツダジュンイチ展「Black Board Jungle」 @ギャラリーはねうさぎ
壁面をフルに使っての表現。直接描いたら面白いだろうけど、やっぱり無理だな。

<泥棒と神様>佐倉密展 @ギャラリー16
今回はちゃんと風呂敷も作品として販売してました。確認しただけで買わないんだけど。

青木野枝展 @アートゾーン神楽岡
作品も面白かったんだけど、はねうさぎのフライヤーを見つけて、ご主人と「さっき行ってきました」「作家さんとは会えましたか?」「日曜だけどオープン直後だったからいませんでしたね」とか話をして、マツダさんが神楽岡で個展をした時の展示手法とかのお話を伺っていたところ、ひょっこりマツダさん本人が来廊。少しお話ができました。世の中いろんなことが起きるねえ。

京都造形芸術大学版画工房ポートフォリオ展 ―30×30の窓―
植田麻由展 -はるのぐうい- @ギャラリー恵風
どちらもよかったんだけど、特に2階の植田麻由の粘土細工にしか見えないパステル調の陶芸作品に嵌りました。かなり迷ったけど(買うかどうかじゃなくって、どれにするかってのを…)、1点予約してしまいました。景気の維持にちょっとだけ貢献。

五芸術系大学選抜ニューフェイス展第3集 @ギャラリーアーティスロング
京都芸大作品展(キャンパス)で印象に残った大畠麻子さんの作品が出てて、といっても例によって作家名ではちっともピンと来てなくて、作品見て「あーっ」だったのですが、たまたま彼女が当番で少しお話できました。しかし、後で調べたらCurrent展でも同系統の作品を見てるはずなのに、印象に残ってない、、、やはり展示スペースの力というのは大きいですよね。

2011年3月6日

お疲れ

しょっぱなに堂本印象美術館に向かったのだが、立命でなんぞイベントがあるらしく近隣の駐車場が一杯。バスにすべきだったかと思いつつ、後日に回すことにして岡崎方面からスタート。

麗しき日本の美 前期:若冲と江戸絵画の世界 @細見美術館
柴田米三展 @京都市美術館
日隈愛香個展 @ギャラリーはねうさぎG
藤本絢子「Color of the Flesh」@ギャラリーはねうさぎA
サヨナラテレビ @同時代ギャラリー
田村苗子個展「イキツギ」@ANTIQE belle GALLERY
Flowing Narrative / Following Narrative @ARTZONE
京芸生を育んだ先生の作品展 @堀川御池ギャラリー
ベルギー&日本-当世版画交流展1 @堀川御池ギャラリー
Kinoprint 2011 @ギャラリーアーティスロング

ARTZONEの中二階にあった田上穂波の「Home boy」が思いのほかよかった。あとは同時代ギャラリーでフライヤーを見つけて出かけた田村苗子が(ギャラリースペースも含めて)楽しかったのと、はねうさぎの狭い空間で見る藤本絢子の金魚が妙な圧迫感があって面白かった。最後の方はさすがに流してますね。反省。

2011年3月5日

今日の立ち回り先

早川良雄デザイン事務所 OB 六人による早川良雄へのオマージュ@番画廊
清水祐貴子-銅版画-展@乙画廊
岡田美紀展@O Gallery eyes
上須元徳展"RE: Assemble"@YOD Gallery
大阪産業大学工学部環境デザイン学科堤研究室クレイワーク展@ギャラリー白
福永宙展-golem-@GALLERY wks
GRAPHIC WEST 3「phono/graph-音・文字・グラフィック-」@dddギャラリー
大阪タカシマヤ

どれも面白かったのよね。清水祐貴子さんのかわいらしい版画、初めて行ったwks(作品もだけど、立地条件が素晴らしい)、ついていけないdddギャラリーの展示。ただ、やっぱり今週リニューアルオープンしたなんば高島屋です。もともとの目玉の岡本太郎の壁画は意外とあっけなかったのだが、ギャラリーNEXTの山野将志展(絵画もだけど、立体が楽しい)、そしてオープン記念「京阪神ゆかりの画家たち」にただ1人現代美術の作家として作品を出している元永定正の「たからづか」。この一枚を見ただけで一日ウロウロした甲斐があったってものです。勢いがついているのに購入する根性がないのが困りものだけど。

2011年3月3日

カンニング

旧人類にばれないようにケータイを操る能力と、(どういう事態になるかも考えずに)知恵袋に質問してしまうバカさ加減を併せ持つのがデジタルネイティブって人たちなんでしょうかね。もう少しきちんと計画を立てれば、うまく行ってたはず。でも、だいぶ煮詰まってて前しか見えてなかったみたいだし、協力者を得るだけの社会性もなかった(のかな?)。ただ、大学の業務を妨害したのは、(本人もだけど)Twitterほかで情報を拡散させた人たちと、それに悪乗りした大手マスコミじゃないかと。なんにせよ、今までのやり方が役に立たない時代になったのは確か。残りの人生、どうやってやり過ごせばいいんだろう。

(事件とは関係ないけど)個人的に興味があるのは、彼が京大に行こうと思った理由です。東北から東京を通り越して関西ってのは珍しいけど、いったい何が彼をそうさせたんでしょう?