2012年8月31日

筑豊へ

直方市石炭記念館
入り口がわかりにくい。こじんまりとした施設。職員のおじさんがいろいろ説明してくれる。こういうのは多くの場合うっとうしいだけなのだが、この人の話は実に楽しい。山本作兵衛さんの炭鉱画が世界遺産になってがらっと扱いが変わった(きちんと補修して額も新調された)話とか、この辺の採掘権を安く買い集めておけば石炭のガス化で一儲けできるかもよ、という話とか。ちなみに、ここの作兵衛画は世界遺産じゃないし8枚だけだけど、原画が展示されてます。複製を作る予算が無いから、とか。それでも予算がついて、9月から屋外に展示されている機材の再塗装とか行うんだとか。まあ、それはそれでいい時に行ったのかも。

田川市石炭・歴史博物館
こっちは公園化されていて大きな施設。世界遺産の作兵衛画は300枚所有。その一部といっても結構たくさん見せてくれるのだが、全部複製。でも、これって原画だからといってありがたい気もしないから、これでいいのかな。表の機材はきちんと塗装されてるけど、使い込んだ感が無いのでイマイチ。難しいよねえ。

2012年8月30日

大地の芸術祭(松代)

まつだい「農舞台」周辺では「里山アート動物園2012」を開催。まあ、どれも楽しいんだけど、なんといっても屋上に展開する田崎太郎「火の玉発動機的世界」が抜けて楽しい。


屋上への階段にも平面作品が並んでいます。おすすめ。
まつだい郷土資料館。庚申さまの展示もよかったし、この神棚がすごいよねえ。ただ、この建物、資料によって築70年だったり140年だったりするんだけど、どっちがホント?
日比野克彦「明後日新聞社文化事業部」。ちょうどヒビノウィークを開催していたが、内部を見せていただいただけでパス。
ただ、ゴロゴロ莇平は参加したかったなあ。日程が合わないから仕方ないけど。
日比野克彦「想像する家」。新聞の壁紙もいい感じだし、マグネットで遊ばせていただきました。あんがと。
こちらは芸術祭と関係ない勝手アート。
川俣正「中原佑介のコスモロジー」。十日町の羹愛蘭「天の光、知の光-Ⅱ」もだけど、本が並んでると落ち着くのはなぜ?
リチャード・ディーコン「マウンテン」。今回はここまでで断念し、芝峠温泉に浸かって帰路へ。
帰り道に立ち寄った中瀬康志「儀明劇場-倉」
ここも雪害の影響とかあって、今回を最後に撤収になるようです。なかなか面白そうな空間だけど、仕方ないよなあ。

2012年8月29日

大地の芸術祭(十日町)

十日町には国宝火焔土器という飛び道具があるのだが、写真を載せるのはどうかと思う。ということで現代美術館に改装されたキナーレから。
中庭のボルタンスキー「No Man's Land」。このときは機嫌よく動いてましたが、天候の加減とかでよく止まるようです。
吹き抜けに展開するシュタイナー&レンツリンガー「ゴースト・サテライト」。キナーレでは一番のお気に入りです。
楽しいよねえ。
クワクボリョウタ「LOST #6」。人の出入りが多すぎてイマイチ。やっぱり闇を楽しめる環境でないとしんどい。あと、置いてある織物器具の解説がほしかったなあ。ちょっと消化不良。
中村未歩「絶対交換会」。キンキンに冷えた(というか、半ば凍った)広島カープフルーツゼリーを提供したら、ちゃんとウケて、隣でチラシ配りをしていた首都大学東京のお姉さんが引き取ってくれました。まあ、この暑いのに外で働いてる人が飲むべきだよなあ。
石原延啓「新・北越奇談~神話の再生~」。中心部には空き店舗などを利用した作品が点在。このあたりの雰囲気は別府なんかに近い。
眞田岳彦「十日町文様展」。博物館でも展開してたけど、こちらは商店街での展示。
さて、公式の企画以外に便乗企画が出てくるのも、この手の芸術祭の常。こちらは「きはだや」さんの「駒崎浩代展」「姉歯公也展」。これは面白かった。連れて帰る根性はなかったけど。
下条駅前の「下条茅葺きの塔」
内部にはこの地方の民具が納められています。
もぐらの館の「土壌モノリス」。実はここで一番よかったのは中里和人の素堀トンネルの写真なんだけど、さすがに写真をそのまま載せるのはちょっとねえ。
芹川智一「田園の中の異国ing(OUTLAND)」。今回の新施設「梵寺院」は子宮の中に戻るという趣向なんだけど、とにかく暑かった。あれは体温より暑いんじゃないかな。

2012年8月28日

大地の芸術祭(松之山)

続いて松之山エリアから紹介。
標高700mの大厳寺高原。奥に見えるのがケンデル・ギール「分岐点だらけの庭」。あちこちに重機が置いてあるなあと思ったら、
積み上げてあった部分だとは思うけど、しっかり雪も残ってました。
 堀川紀夫「Sky Catcher 09」
スラシ・クソンウォン「銀の蝶々(コンポジションが終わったら)」。ハイジのオープニングを思い出すけど、高さ38mとされるハイジのブランコに比べると2割強の規模。それでも、「危ないから乗っちゃダメ」という看板が立ってました。まあ、これでも十分危ないよな。
 オーストラリア・ハウス。初代は長野県北部地震で全壊し、公募コンペで再建された。豪雪に耐えることと夏を涼しくすごすことを両立(このあたりの民家はたいていそうなってますけどね)。
マリーナ・アブラモヴィッチの「夢の家」。ここも地震で大きな被害を受けたそうですが、無事再建されました。しかし、やっぱり泊まってみようとは思えない部屋。
パジャマは着てみたい気がしなくもないけど。
上鰕池名画館。おにぎりでも思ったけど、ここの住民の皆さんはほんとに楽しんでやってますよね。素晴らしい。
ボルタンスキーの「最後の教室」。ここも地震で半壊し再建されました。しかし、どうやっても写真にならないのは相変わらず。
礒﨑真理子の『Flowers(2012) 「We are here!」』。神社の境内に焼き物の花が散乱。
すっかり周囲の自然と溶け込んでますね。
リクリット・ティーラヴァニット「カレー ノー カレー」。タイのポークカレーと日本のカレー、地元のコシヒカリ、漬物、サラダのランチセット。タイカレーはもっと辛くてもいいんじゃないの?
三省ハウス。小ゲロンパ達は平日はここで休んでいるようでした(大ゲロンパは松代の農舞台)。写真は体育館の木村崇人「おてんとさま+あしあと」。これはやってみたい。

2012年8月27日

大地の芸術祭(津南)

作品の紹介。まずは津南エリアからいくつか。

本間純「Melting Wall」。廃校になった小学校のプールにウォータースクリーンを設置。プールの中から水面を見上げた時の風景の揺らぎを再現し、かっての賑わいに想いを馳せる、という作品。豊富な湧き水を利用しているのだが、お盆で集落に人口が増えると水圧が下がって水が止まってしまった、というエピソードがいい。まあ、実際に賑ってたら想いを馳せんでもいいわな。

ここは芸術祭の最南端で、平家の落人伝説のある静かな里です。ケータイも圏外でした。元小学校は「かたくりの宿」として営業中。
こちらも本間純の「見えない村を目印にして」。風景に溶け込む彫刻だが、当然ながら草丈が伸びると意味をなさない。地元の人が草刈をして管理するのだが、当初草刈機でばっさりやったら怒られたとか。なかなか大変です。初めからメンテしやすい作品を作るのも大切だよなあ。
霜鳥健二「記憶−記録 足滝の人々」
林舜龍「国境を越えて」
ヘタウマな絵がすごく楽しい。
アン・ハミルトン「金属職人の家」。ここは音の出るものや動くものがたくさんあっていろいろ遊べるし、外観の布を使った風の表現もいい。おすすめです。
金九漢「かささぎたちの家」
一匹だけひっくり返ってるカメがかわいい。
劉佳婧「在るべき場所」。たいていは実在の名所(?)の方角が示されるが、距離を見るとムーミン谷は地球上ではなさそう。いったいどこなの?
李在孝「 0121-1110=109071」。後からガイドブックを見るとちゃんと書いてあるけど、近づいて木製なのがわかった時はちょっとした衝撃でした。遠目には金属に見えるからねえ。
本間純「森」
蔡国強「ドラゴン現代美術館」。登り窯から伸びるパイプはアン・ハミルトンの作品。吹き込むと音が鳴るんだけど、パイプが長いので音が出るまでが大変。
センス・アート・スタジオ「東アジア芸術村センター」。かわいい龍を売ってます。龍の鱗の仕掛けはもう一つの感。