2009年12月30日

SANYO ECJ-LK10

炊飯器がへたってきたので入れ替える。今までよりは若干高めの機種にしたのだが、その分くらいは旨い。標準設定だとちょっと柔らかすぎだが、この辺は水加減で調整できそう。圧力釜になって蒸気がたくさん出るのと、炊き上がりのお知らせのメロディが疑問だが、まあいい買い物かな。炊飯器ってなかなか試用できないから、そう思っておくしかないんだけど。

2009年12月27日

ツァオ・フェイ(曹斐) 『Live in RMB City』

今となってはセカンドライフ自体が旬をすぎた媒体だから、ちょっと辛いものがあるなあ。このネタは一昨年のベニス・ビエンナーレだけで止めといた方が良かったのでは?

2009年12月26日

ヴェルナー・パントン展

大阪万博で日本中が夢見た未来のインテリア。ただ、見てるとすごくカッコいいのだが、実際に身を置いてみるとあんまり居心地はよくないのだ。やっぱり畳にクッションの方がくつろげるよなあ、と思いつつジョーバに乗ってテレビを見るわしはやっぱりアホなのか?

2009年12月25日

「コープ・ヒンメルブラウ:回帰する未来」

これはこれでよかったんですが、無料部分の「OPEN SPACE 2009」の方に嵌ってしまう。前林明次の無響室の作品が(待っただけあって)面白かった。

2009年12月24日

TWS-Emerging 128/129/130

128 寺澤伸彦 「double awake」
129 モニラ・アルカディリ 「The Tragedy of Self」
130 石塚智寿 「29年生きた魂」

どれも面白いが、特に石塚智寿が印象的。個々の作品は結構かわいいのに、並べるととっても怖い絵に変貌してしまうのはいったいなんなんでしょうね?

ワンダーサイト本郷も初めて。単純に地図を見て近い方からアクセスするとアップダウンで往生するのがいかにも東京。かといって、街歩きに地形図は使いにくいしなあ。

2009年12月23日

帰省

両親がそろって入院したので様子を見に行く。下手なホームドラマのようなベタな展開でたいがいにせいと思うのだが、とりあえず仲がよろしいのはありがたい。

「オブジェの方へ -変貌する本の世界」

なんだかんだ言ってやっぱりチラシにも使われている焚書のオブジェ(遠藤利克/敷物)の存在感が圧倒的。最後においてあるこいつを見ただけで、浦和まで足を伸ばした甲斐があろうかというもの。

もっとも、ここに来たのは学生の頃のローカルなアイドル、福田尚代の作品を見るため。最近の彼女は回文の人らしいので、頭の痛い作風になってたら嫌だなあと思ってたのだが、本への愛にあふれた粋な作品でちょっとホッとしました。羅漢さんの中に1冊だけバローズの火星シリーズが混じってたのがツボでした。

2009年12月22日

警察博物館

INAXに立ち寄ったのだが、日曜日はお休みであった。ちゃんと調べてたのにすっかり忘れて予定を組んでるんだから、たいがいだよなあ。で、地域的にパナ電ミュージアムに行けばよかったのだが、思考力が尽きているのでそのまま隣の警察博物館へ。思ったより時間がつぶれずちょっと悲しかった。ピーポくんの歌がやけに耳に残った他は特に収穫なし。というか、ピーポくんも収穫というより迷惑なだけなのだが、、、

2009年12月21日

「現代工芸への視点―装飾の力」

イムラさんで招待券もらったこともあっていそいそと出かける。過剰な装飾をもとに日本人の美意識を問いただす、ものらしい。基本的にごちゃごちゃしたおもちゃ箱みたいな作品は好きなのだが、ここまで並ぶとややストイックな森野彰人の陶に引かれる。人間なんて勝手なものだ。

初めて工芸館に行ったのだが、ここは明治期の近衛師団司令部庁舎でなかなか趣き深い建物。裏庭の作品もいい味出してました。

2009年12月20日

「No Man's Land」

新館への移転に伴い近く取り壊される旧フランス大使館を活用したアートイベント。国際色豊かで作家の知名度も高い混浴アパートメントといった趣。いくら名の通った(のかどうか定かではないが)作家さんでも、こういった状況だとノリが学園祭と同じになってしまうのが楽しい。建物自体もなかなか面白い。大使館なんて普通は中に入れてくれないのだが、基本的にあらゆる部屋を展示に使っているので、金庫?(諜報部??)の中にまで入れる。コンセントはヨーロッパ式だが朝顔は日本のサイズだったり、いろんな発見がある。カフェの料理も美味い。

案内表示もなくわかりにくい場所なのだが、このイベントに続々人が詰め掛けるのはさすがに東京である。もっとも、その分いろんな人がやってくるらしく、ある作家さん(日本在住のフランス人)から初日にいきなりファイルを盗られた話も伺いました。日本の印象悪くなるからやめて欲しいんだけどなあ。

カメラ持ち歩いてないけど、ちょっとだけ画像も紹介。


お近くの方はぜひどうぞ。

2009年12月19日

国宝 土偶展

この秋、大英博物館で行われた「THE POWER OF DOGU」の帰国記念展。タイトルはなんだかなあだが、とりあえず3点ある国宝土偶が(国内で)一堂に会するのは史上初。これは行かねばなるまい、と上野まで出かける。東洋館が耐震補強工事のため閉鎖中、表慶館がアジアギャラリーに転用されていることもあって本館特別5室での開催。スペース的にどうなのよ、と思ったのだが、なんせ土偶だからサイズは知れてるし、ロンドンまで運んだくらいだから数も知れていてまったく問題なし。しかし、その空間の濃度は非常に高い。目玉の国宝3点やおなじみ遮光器土偶も確かにいいんだけど、ハート型や三角顔の作品が印象的。お近くでない方もぜひどうぞ。

2009年12月17日

近畿三十六不動尊霊場会 開創三十周年 出開帳

この秋(もうすっかり冬だが、今週でお終いなのでこれで勘弁を)、青蓮院では創建依頼初めての国宝青不動のご開帳が行われている。もっとも、初めてなのは青蓮院でのご開帳で、出開帳は大阪万博など過去3回行われている。まあ、珍しいというか、生きてるうちに拝める機会はおそらく最後。先週までは夜のライトアップとかも行われていたのだが、最終週は青蓮院も選定されている近畿三十六不動尊霊場会の出開帳も行われるので、迷わずこちらをチョイス。週末は混むだろうし、今日は別の会議もあってどうせ早退しないとダメなので、午後を半休にして出かけた。せっかく平日にしたのに一日一回の護摩行の時間にぶつかってやたら混雑してましたが、護摩をたくお坊さんを正面から見る機会なんかまずないので、それはそれでよかったかと。で、せっかく三十六不動が一堂に会してるんだから、と特製バインダーを購入。せっせとご朱印を集める。散財には違いないが、ひとつひとつ集めるとなるとこんなものではすまないし(いや、こんなことでもないと集めたりしないから比較しちゃダメなのかな)、お金を落としておかないと次の出開帳がなくなるから、まあいいや。完成すると朱印帳もなかなかカッコいいです。もちろん、ずらりと並ぶお不動さんも。青不動もいいけど、個人的には曼殊院の黄不動がよかった。もっとも、黄不動は三井寺がオリジナルで、こちらは模写なんですけどね。まあ、なかなか得がたい体験でした。

本日の画廊めぐり

" NAKAJIMA MUGI Exhibition 2009 ”moment of color”

ギャラリーはねうさぎ。近作は正直あまり面白いとは思わなかったのだが、room3に並べられたスクラップブックに収められたラベルのスクラップやドローイングがやたら面白い。特に絵本は傑作。本人も「今はもうあんなものは描けないんだけど、時々取り出してみると面白い」みたいな話をしてましたが、ある時期にしか出来ない仕事ってのはやっぱりあるよねえ。

玉ノ井哲哉個展「夢を見ない午後…」

MORI YU GALLERY。作品も面白いけど、ここは前回来たときも今回も写真撮影の人がバタバタとお仕事してました。そういう芸風、なわけはないよね。

��田翔個展 「INSPHERE - つつみ込まれるように -」

イムラアートギャラリー。これはなかなか面白い。吉田翔は日本画の人なんだけど、絹の上に黒(墨)と白(胡粉)のみを使って描いていく。おまけにキャンバスをガラスで覆って照明を過剰に反射させたりするので、パッと見にはモノクロ写真プリントに見える。それが近寄ってみるとちゃんと絵なんだよなあ。京都芸大ってやっぱりヘンです。

「の飾り」展

ギャラリー恵風。予定してなかったけど、イムラさんで染谷くんのグループ展をやってるよ、と教えられて寄り道。芸大の漆工研究室のメンバーによるグループ展。佐野曉のイラスト(ひとコママンガ集?)が抜けて楽しい。なにも漆でこんなもの作らなくてもいいのだが、マンガとしての完成度の高さとのギャップが泣かせる。京都芸大ってやっぱりヘンです。

このあと、ニュートロンと同時代ギャラリー(と予定外のギャリエヤマシタ)にも行ったけど、特に収穫なし。

2009年12月13日

京都アートフェスタ “artDive”

こちらはもう少し手作り感の強いイベントだが、文博界隈でやってるアートフリーマーケットよりはずれが少ない印象でした(当たりは同程度かな)。
ドローイングを一点購入。ハタヤママサオの「太陽の塔」。ポップな色使いの人なんだけど、なぜかシンプルなこの仔がかわいかったので。太郎ちゃんLOVEですよね。

Amuse art jam 2009 in Kyoto

アミューズがやってる若手アーティストの公募展。全国規模なのでさすがにレベルは高いが、ビジネスだけあってちょっと小奇麗すぎるかな。作品としてはやっぱり木谷篤の手をかざすと箱がスコンと浮き上がる「omokage」が楽しい。あと、秋吉かずきのピンホールカメラの作品が面白そうだったけど、会場に来てたのは別の作品なのでなんとも。

2009年12月12日

「大江戸の賑わい -北斎・広重・国貞・国芳らの世界-」

世間的にはやっぱり2階の美人画、役者絵なんだろうけど、地下の妖怪絵や風刺画が圧倒的に楽しい。ただ、このあたりって絵葉書にしてくれないんだよね。そのために図録買うのも何か違う気がするしなあ。

2009年12月6日

京都市立芸術大学 第20回留学生展

もう少し国際色豊かなのを期待してたんだけど、なんか違う。よく考えたら、海外からわざわざ京都の美大に留学するくらいなんだから、皆さん日本美術オタクなんだよなあ。国に帰ってからの作品に期待するしかないのかねえ。

「木田安彦の世界」

入り口に並ぶ版木に圧倒される。ずらりと並ぶお花もちょっと異様だけど、木田先生も大家になられたってことなんでしょう。来場者に気さくに挨拶してましたけどね。作品はなかなか結構なもので、会場の雰囲気とも合ってました。竹生島がお気に入り。

「アイヌの美 カムイと創造する世界」

並んでいる品は確かに上物なのだが、残念ながらこちとら地域ごとの文様の違いなどわからないし、みんぱくや東京博物館のコレクションとどう違うのかもうひとつよくわからない。あと、かって平取で仕入れたアイヌ服をどう着こなしたらいいのかやっぱりわからない。お土産用で使うには難がある可能性もあるのだが、、、まあ、一生わからないんだろうね。どうせわかる奴なんて(身近には)いないんだから、好きなように着てたらいいんだろうけど。

結城幸司展

宣伝に使ってる絵がむかしみんぱくで買った絵に似てるなあ、と思ってよくよく見たら同じ作品でした(版画なので同じ版で20枚ほど摺ったらしい)。その絵もだけど、こぐまが天に上っていく絵がよかった。今日はコンサートもあるみたいだったけど、流れ的に断念。

かとりのだいち展

ついでに(特にあてもなく)同時代ギャラリーに立ち寄ったのだが、これは当たりでした。アボリジニの神話の世界への入り口を表現したという画がギャラリーの床面に広がっています(もちろん壁にもあるけど)。一見ロットリングで描いたかのような線画だが、岩絵具を使っているのでジャンルとしては「日本画」らしい。やっぱりこっちの方が京都芸大っぽいよね。

双子の姉妹のユニットなんだけど、ググってみると(お姉さんの方は)沖縄でエスニック雑貨やさんを営んでるらしい。そりゃあツボだよなあ。

阪急京都線・大阪市営地下鉄堺筋線相互直通40周年

嵐山駅に戻ると、ホームに見慣れない車両が停まっている。今週末は阪急と地下鉄の相互乗り入れ40周年記念で、堺筋線の車両(ご丁寧に6両編成に編成替えしてある)が嵐山まで来ているのだ。

あまり人気がないように撮ってますが、実際にはテツの人が大挙押しかけてます。撮影用に降車用ホームを開放しているのだが、皆さん納得するまで撮るのでしっかり行列。駅前のグッズ売り場にも行列。もよりの踏切にも人垣。2種類の車両が入線しているのを撮ろうとするとここがベストなのはわかるけど、めんどくさいので足を伸ばさずにおとなしく帰宅。住宅街をカメラを持った兄ちゃんがうろうろして、賑やかな一日でした。

2009年11月29日

今週の収穫

昨日の高澤ナホさんの個展が終了、作品が手元にやってきました。許可ももらったのでちょこっと紹介。
大きな地震がきたらお陀仏ですね。それまで楽しませていただきます。

「知られざるインド細密画の世界-大正期の木版複製インド細密画から-」

「知られざる」は細密画そのものではなく、大正期にインド美術の紹介のために出版された木版画の方(だよね)。木版なので本当の細かい描写は無理だが、まだ江戸時代の職人が生きていた時代だけあって版画の方もなかなか見せてくれます。オリジナルの細密画も出てますし、(モノがモノだけに)単眼鏡を貸してくれる気配りもうれしい。おまけにタダだしね。ごちゃごちゃ描き込まれたものよりも、シンプルな肖像画の細かい描写が印象的。

2009年11月28日

栗山斉個展 「宇宙の中の私の宇宙」

作品も確かに面白かったんですが、ギャラリー(eN arts)がすごい。円山公園北側の料理屋の並びにいきなりガラス越しに作品が鎮座。知ってて探しているのにこれが目指す画廊なのかわからない不親切さ。これが現代美術というのもなのかねえ(妻有を思い出した)。近寄ってみるとガラスに小さく展覧会名が書かれているのだが、今度は入り口がどこかわからない(一見すると、外からこの作品を見てお終い、としか思えない)。すごいよなあ。なんぼなんでももう少し親切でないと客が増えないと思うのだが、面白いから許す(いや、別に許してもらわなくても結構なんだろうけど)。内部も元は普通の料理屋なんだろうけど、どこまでが箱でどこからが作品なのかわからない不思議な空間。茶室が素敵。ちょっと気に入りました。

ボルゲーゼ美術館展

まあ、普通にいい作品が来てるんだけど、もうひとつピンときませんでした。というか、なぜこれを「近代」美術館でやってるのかがよくわからないのだが、適当な箱がなかったのかなあ。作品より(4階から望む)東山の紅葉が印象に残りました。

高澤ナホ "ストレンジ プランツ"

ハガキを見て「これは行かねばなるまい」と出かけたのだが、なかなかの拾い物でした。丸っこい突起のたくさんある陶器のオブジェ(「陶植物」というものらしい)。値札がなかったのだが、在廊中の作家さんに声をかけて一組購入。当初激安価格だったのだが、はねうさぎの育子さんの指導で常識よりちょっと安いぐらいの価格に落ち着きました(面白いやり取りを見せてもらいました)。若いっていいよねえ。でも、(売る売らないは別にして)早く立派な作家さんになってね。

「毛糸で奏でる神話の世界 メキシコ・ウイチョル族の伝統アート」

京都は今週末までがハイシーズン。師走になると(別に一気に落葉するわけじゃないんだけど)一気に静かになるが、今はどこに行っても人が多くて疲れる。ところが、岡崎公園の一角にあって観峰美術館は実に静かでホッとする空間だ(それでいいのかどうかは疑問ですけどね)。結構面白いことをやる(書道とどう関連するのかよくわからない)くせに、宣伝が不得手なためにかなり損をしている。そういえば、ホームページのつくりももうひとつ。(これも毎度のことだけど)プロジェクターで上映している映画がやけに暗くて不親切なのもどうにかしてほしい。もっとも、簡単につぶれたりはしないだろうから、個人的には今のままの方がありがたい。今回の展示も、絵柄はアボリジニなんかに近いのだが、その強烈な色彩に圧倒されました。あの毛糸はどうやって染めてるのだろうねえ。

2009年11月24日

日高敏隆

昨日コメントするのを忘れてて、今日になってちょっと気になって「Yahoo!ニュース」の「人」欄を探したのだが、なんと載っていない。記事を検索すると当然出てくるのだが、なんだかすごく悲しい。種の起源150周年のコメントが欲しかったなあ。

2009年11月22日

湖族の郷アートプロジェクト

湖族の郷アートプロジェクトは成安造形大学の学生が主体となって堅田で行っている「マチナカ」の芸術祭で、今回が4回目。作品の方は正直言って食い足りないものも多いが、町そのものは十分すぎる魅力があって、なかなか楽しめるフェスティバルでした。
さすがに作品も出しておくべきだと思うので、いちばん気に入ったもの。釣鐘を音響空間として利用している。
でも、やっぱり作品でない作品が楽しい。なかでも、この配電盤は秀逸(だと思っている)。
中庭
作品もだけど、猫がいい味出してます。
堅田と言えばやっぱり浮御堂
スタンプラリーでフナのストラップもらって、マーケットでカンバッジを購入。湖族食堂の定食が売り切れで食べられなかったのが残念でした。

2009年11月21日

「ボクがはじめてカイタ最初で最後のラブストーリー」

劇団を解体して新しい体制でのアトリエサンクスの第一弾。いろいろと心配もあったのだが、キャストにないはずの橘さんが前説に来てくれてとりあえず一安心。ただ、まるでインド映画のような唐突なダンスシーンは相変わらずなんですが、話の展開がみょーにまとまってしまい先が見えちゃって、あんまり弾けてないのよね。話にも無理があるし(まあ、科学考証をするようなもんじゃないから言うのも野暮だけど)。気持ちよく泣かせてくれるのはいいんだけどね。まあ、前のスタイルが年齢的に辛くなってこうなったのかなという気もするので、それならそれでこのまま完成度を上げてくれればいいだけなんだけど。もう少し見てみないとなんとも、ね。

2009年11月16日

まとめ

秋版は展示作品が少なめで、スタンプ欄も170個しかない(スタンプ1個で複数の作品が置いてあるスペースも多いので、展示作品数は200強)のだが、パスポートを見ると半数(をわずかに上回る)スタンプが押されているから、厳しい日程の中よくがんばりましたね。ただ、やっぱり夏に来ないとなあ。雪は雪で面白かったけど、日没が早いのは周遊に不利だし、現代芸術なんて保存の効かない作品の方が面白いことが多いんだから。3年後に向けて策を練るのかな。

まあ、その前に来年の瀬戸内国際芸術祭をどうするかだが。中途半端に近いから(気持ちの面で)日程が組みづらそう。ちなみに、ここのボランティアスタッフは「こえび隊」。そこでウケを狙うかなあ。

2009年11月15日

今週の画廊めぐり

「伊庭靖子展 - resonance 共鳴・余韻- 」 イムラアートギャラリー
斉と公平太 個展「have no name」 マズプログラムスペース
大野紅・堀端麻美 展「end of the world」 ギャラリーRAKU
現代美術二等兵/駄美術展 VOICE GALLERY pfs/w
蜷川実花展 FLOWER ADDICT 小山登美夫ギャラリー京都

個人的な一推しは斉と公平太個展。案内チラシを見て「こんなのが出てるんなら行かねばなるまい」と思ってたら、「こんなの」が壁一面に並んでいてばかうけ。絵葉書セットがあればなあ。現代美術二等兵はさすがに面白い、けど、ヴォイスギャラリーっていつの間にこんな場所に引っ越したの?蜷川実花展は作品よりギャラリーの内装に惹かれました。しばらくチェックしてみようかな。

11/3

旅の最終日。一旦里に降りた後、レヴィックの作品を見るため別の峠に向かう。まずは蓬平。雪の積もった駐車場に車を止め、歩いて「繭の家」へ。展示場からスタッフが降りてきて、こたつと大根炊きを勧めてくれる。どちらも冷えた体にはうれしい。
ここは正直あまり期待してなかったんだけど、展示もなかなか面白かったですね。特に小さな箱の中のジオラマが秀逸。

さて、このあと「いけばなの家」へ向かうのだが、繭の家のスタッフによると「谷底にあって帰りが急坂になるので、(ノーマルタイヤなら)歩いていった方がよい」とのこと。こんなことなら長靴を持って来ればよかったなあ、と思いながら谷を下る。
いけばなの家の方には誰もいない、というか、スタッフは繭の家と兼務で、スタンプも繭の家で二つ押してもらった。展示上の事情でところどころ窓も外されており、寒々としている。
作品は面白いんだけど、とにかく寒いので早々に退散。雪道を車まで戻る。実際にはこの頃には路面は解けていたので、車で行ってもよかったのだが、、、。この後もいくつか作品を見たのだが、体が冷え切ってどうにもならなかったのでこれ以上の見学を断念。芝峠温泉の絶景の露天風呂で温まってから帰路につく。結局、直江津に出るまでずっと雪が降っていた。富山に入ると平地の雪はなくなり、石川県まで来ると空は晴れ上がり雪は白山の頂のみ。やっぱり新潟は半端じゃないなあ。

2009年11月14日

ワークショップ「共振する音とイメージ」

午後は現代音楽のコンサートとかになるので、午前中のみ参加。チラシの文章では内容がつかみにくい演題も多かったのだが、それなりに楽しめました。虫明さんのラオスの話が一押し。

脱皮する家

地図に載っている集落名は「峠」なのだが、案内表示も土産物屋の米の産地名も「星峠」。松代でも有数の棚田の名所で、「天地人」のオープニング映像もここなんだとか。もっとも、目的が違うので今回は棚田のビュースポットまでは出向かず。途中の棚田でも十分美しいけどね。

明るいうちに脱皮する家に到着し、こへびの女の子や他のお客さんと歓談。とりあえず荷物を搬入させてもらい買出しのため松代に戻る。夕食のみ頼んだので朝食が必要だったのだが、併せて晩酌用の地酒も購入。

星峠に戻る頃にはすっかり雪になっていた。「家」は既に公開時間が終わっているため無人となっている(当然、カギなどかかっていない)。勝手に上がりこんでストーブをつけてくつろぐ。夕食(仕出し)が届き、管理人の地元のおばちゃんがやってきたのは1時間ほど後だ。がらんとした空間にヨメと二人、屋根から雪の塊が落ちる音、時折あられが降る音はするがやけに静かだ。下見を済ませて勝手がわかってるからいいけど、暗くなってからいきなりここにやって来るのは肝試しだな。

おばちゃんの指導で屋根のない場所にクルマを移動(下手に屋根があると落ちてきた雪で傷が付く)。この時点でクルマの屋根には雪が積もっていた。それから夕食。派手さはないが、これもまたおいしゅうございました。おばちゃんは、こへびの娘たち(男の子もいるけど)の後片付けがなってないと愚痴っていたが、結局のところ相手のことを認めているから愚痴も出るわけで、棚田見物に来る人達への苦言と比べても温かみがある。10年の時を経て芸術祭がちゃんと地域に根付いていることを実感した。
詳しくはホームページなどを見てもらいたいが、古民家の余計な仕切りを取っ払い、壁や構造材を彫刻刀でひたすら彫りこんでいく。言ってしまえばそれだけの作品。ただ、その労力を思うと気が遠くなるけど。
石油ストーブ2台とホットカーペット、こたつが暖房器具。後はおばちゃんがくれた使い捨てカイロ。それからあったかいお風呂。
天井はこの状況。彫ってから組むのならまだしも、出来上がった家の小屋裏を彫りこんでいくんだから大変だ。
この床の間は結構お気に入り。
「作品」なのでカーテンとか障子とか視界を遮るものはない。がらんとした空間にいると、舞鶴に引っ越した当初のことを思い出した。あの時は4月だと思って暖房器具を処分して引っ越したのに、やたら寒くてお風呂と布団だけが頼りの日々。それを思えばずっと快適だよね。ストーブは偉大だ(途中で給油のため1台にしたらやっぱり寒かったし)。ただ、天井がないので暖められた空気は小屋裏まで一気に上ってしまう。サーキュレーターを持っていけばよかった。
キッチンへの渡り廊下?もご覧の通り。ただ、右手のキッチンやバスルームは(後から追加したためか)普通の空間で、特に彫りこんではいなかった。でも、快適。お尻も洗ってくれるし。

せっかく芸術祭に来るんだから、出来れば一泊くらいは「作品」に泊まりたい。できればドミトリーでないところ、という条件で探して、空きがあったのがこの 「脱皮する家」だった。ホームページやガイドブックを見るぶんにはさほど面白そうに見えなかったが、他に選択肢はなかったのだ(月曜の夜になったのも同じ 理由)。実際、昼間わいわいがやがや見たときにはそれほど面白いとは思わなかった。しかし、夜になると見え方はずいぶん違う。もちろん、ヒマだからメイキ ングビデオやパンフにじっくり目を通したこともあるのだが、そういう「知識」の面を抜きにしても、夜の闇と降りしきる雪の中での「家」の存在感は絶大だった。まあ、普通の夜だとどんなのかはわからないけどね。

実は荷物部屋?には普通のテレビも置いてあったのだが、ちょっと見る気にはならなかった。ケータイにはずいぶんお世話になったけど(圏外かとも思ったけど、不安定ながら通信は可能だった)。
さて、雪は夜半過ぎに一旦止んだため、恐れていたほどの積雪にはならなかった。クルマの屋根で10cm弱まで。
この「へそ」が最後に彫りこんだ場所らしい。

外が明るくなるとまた雰囲気が違いますね。

一旦雲が切れて朝日が覗き、やれやれと思ったのもつかの間、すぐにまた雪が降り始め、結局直江津に出るまで止むことはなかった。朝食後、雪が止むのを待っていたが、ちょっと無理そうだったので開館時間の前に退散する。雪の峠をノーマルタイヤで下っていくのはなかなかスリリングでございました。さすがに、峠をさらに登って棚田を見に行くのは自殺行為なので断念。

2009年11月13日

11/2 (3)

さて、腹も減ってきたのでまつだい農舞台へ移動、里山食堂へ。
外は雨だし、人工照明で色目の調整が難しいが、実際は鮮やかな水色の内装。里山を望む大きな窓にテーブルは鏡というしゃれた造りなのだが、ここで働いているのが「いかにも」な農家のおばちゃん。価格表を見ながら人差し指一本でひとつひとつキーを確認しながらレジを打ってくれます。都会のしゃれたカフェであれだとみんな怒り出すだろうけど、おばちゃんが間違えないかハラハラドキドキしながら見守ってしまう。これもまた芸術祭の醍醐味かと。
料理は地野菜は中心。とってもおいしいし、すっかり満腹になるのに夜になるときっちり腹が減るヘルシーさ加減もマル。
レストランの下にはカバコフの「棚田」観賞用のテラスが、、、雨ですけど。
河口龍夫「関係-黒板の教室」。教室のいろんな部分が黒板になっていて、チョークで落書きできる。楽しい。

この後、本降りの雨の中を再度城山にアタック、するのだが、条件が悪い(当然、カメラが出せる状況ではない)ので中途で挫折する。「サウンド・パーク」とか好天なら面白そうだったんだけど。

だんだん冷え込んできたし、暗くなる前に(雪に変わる前に)荷物を運んでおきたかったので、予定よりだいぶ早いけど宿泊地の星峠へと向かった。

2009年11月12日

11/2 (2)

信濃川を渡って松之山地区へ。

ボルタンスキー+カルマンの「最後の教室」。写真にならないところの方が面白んだけど、まあ、仕方ないかな。
塩田千春「家の記憶」。国際美術館で見たパイプベットを包む作品なんかと比べてずっと暖かく感じるのは、こっちが日本人だからかなあ。
「森の学校」キョロロへ。実はここで昼食にするつもりだったのだが、レストランは土日祝のみ営業だった。ちゃんと資料に眼を通せよな。
展望塔に登る。普通はエレベーターがありそうな高さ(地上34m)だが、ひたすら階段。塔の地下にも作品が。
塔からの眺め。しんどい目をして登る甲斐はあります。ただ、天気がなあ。

2009年11月11日

11/2 (1)

さて、朝になるとひとまず雨は上がり、午前中は時折雲間から太陽も覗くまずまずの天気となった。もっとも、露天風呂から見える木はすっかり葉を落としてしまってたし、ススキもすっかり頭を垂れている。重たい雰囲気の中を出発。まずは釜川、清津川沿いを攻める。
「エターナル」。妻有焼の椅子のひとつひとつが愛らしい。
「ポチョムキン」。すっかり初冬の趣である。これは前日の天気のいいうちに見たかったなあ(たいがいのところはそうですけど)。

「森とつながる」。前回(2006年)設置されたリングは植物の成長と共にすっかり森の一部となっている。
これだけオープンな作品でありながら、探すのに苦労した「たくさんの失われた窓のために」。ぬかるんだ芝生の中を歩いてフレームを見に行く。

雨の影響でカーテンの状態がいまいち(直してから見るようなものじゃない気がするしなあ)だが、もやと(写真では表現されてないが)雲を通して差し込む日の光とのコントラストが美しい。
日本三台渓谷のひとつ清津峡へ(ちなみに、あとの二つは富山県黒部峡谷と三重県大杉峡谷らしい)。
確かに紅葉は見事だけど、正直もう盛りは過ぎてました(花灯路のころの嵐山に近いかな)。もう少し麓に近い方が旬でしたね。まあ、入り口を見ただけでトンネルの奥には入ってないから、これでどうこう言うのもなんだけど。
さて、そのトンネル内の山本浩二の作品。これはトンネルの雰囲気とあいまって非常に印象的でした。写真はもうひとつなんだけど(実際はもう少し薄暗く照明も白味が濃い、補正が面倒なのでこれでご勘弁を)、闇に映えるものなら他の作品を置いても面白そう(先日の樂吉左衞門先生の作品とか、ね)

2009年11月10日

馬場崎研二 チベット・タンカ展

ネットサーフィンをしてるといろんなものに引っかかる。これも前夜に見つけて急遽訪問。

開場直後に行くと、今日はイベントで講演会やチベット音楽のライブがあるとのこと。かなり引かれたのだが、時間のやりくりから断念、展示のみ見て退場した。先日の牧伸二といい、ついてないと言うべきなのか、展示だけでも見てるんだからラッキーなのか。

で、日本人のタンカ師の展覧会です。インドに行って舞踊や音楽を学んでくる人があれだけいるのだから、当然ダラムサラでタンカを学ぶ人もいるのだが、絵が本格的な上に日本人的な感性も垣間見えて、これが面白くないはずがない。堪能させていただきました。


会場の退耕庵は慶長年間に安国寺恵瓊が再建した寺。庭園もそれなりに見事なものでした。ケータイで撮ってるのでもうひとつですけどね。

11/1 (5)

当面の目的地のうぶすなの家で一休み。クルミを購入。「割ってあるから簡単だよ」とは言ってもらったんだけど、確かに割れているのだが頑丈な造り(?)でうまく中身が取り出せない。結局後日コンビニでドライバーセット(!)を購入してなんとか完食。

その後、ある意味この日のメインディッシュのミティラー美術館へ。思ったより案内表示が充実していてわかりよいといえばわかりよいのだが、予想以上にとんでもない山の中にあった。何度か「引き返した方がいいんじゃないの?」と思いながらなんとかたどり着く。
実はこの写真は見学後に撮ったものだが、ここもご他聞にもれずかっての小学校。ただし、ここが廃校になったのは五六豪雪の時で、集落全体が離村したために廃校になったらしい。確かに、今となってはどこに集落があったのかも定かでない(池のまわりだとは思うが)。今でこそ廃校の後利用がブームになっているが、ここが妻有における廃校プロジェクトの嚆矢なんだとか。

最初にミティラー画と出会ったのはちょうど20年前の名古屋デザイン博だった。その後も折に触れいろんなところで見てきたし、我が家も1点だけだが作品を収蔵している。美術館があるのは当初から認識していたが、地図で見るだけでもとんでもないところ(インドよりは近いけどね)なので、訪れるのはちょっと無理だと思っていた。トリエンナーレのチラシを見た時に真っ先に「ミティラー美術館のあるところじゃん」と行くことを決意。とはいえ夏はいろいろ忙しいのでどうしたものかなあと思ってたら、今年は秋開催もやるというので無理矢理スケジュール調整をして新潟までやってきた次第。いろいろと感慨深いものがありますね。
2日前までテラコッタの作家さんが滞在制作をしていたとかで、展示室というよりアトリエの風情。展示も思ったより絵が少なくて立体主体の構成となっていた。まあ、それはどちらでもかまいませんが。見学中に本降りとなり、雨音が激しくなってきた。地震の後で手を加えて再開したとはいえ、あちこちに爪跡が残っており、展示室内にも雨漏り対策の金だらいが置かれていた。というか、インド本国でもそれなりに評価されている美術館のはずなんだけど、こんなのでいいの?という気も。まあ、こっちは大満足でしたが。

このあと、行武治美の「再構築」も見に行ったんだけど、もう天気が悪くて見学どころじゃない(管理人も撤退していた)ので写真もなし。これは好天の時に見たかったなあ。

2009年11月9日

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「戦後のラブレター(イフガオの棚田から新潟の棚田へ、愛をこめて)」
この夏、フィリピンの世界遺産「イフガオの棚田」から職人さんがやってきて小屋を建てた。大工さんだけでなく、彫刻の人やコックさん、撮影部隊まで15人ほどの大部隊だったらしい。その小屋を見に行った。当然、ドキュメンタリー映画があるそうなので、一度見てみたいものだ。

第一印象は「鬼太郎の家」。ゲゲゲハウスは一本の大木の上に建っているので実際にはちょっと違うのだが、雰囲気は共通する。水木先生はラバウルでの従軍歴があるので、意外とあの家には南洋のイメージが投影されてるのかも(従軍歴は抜きにしても民族学オタクだけどなあ、あの人は)。

こういう細かいところがなかなか凝ってます。ずっと見ていたいけど、天気がどんどん怪しくなってくるので退散。