2009年5月4日

「杉本博司 歴史の歴史」

杉本さんは「アートとは眼には見ることの出来ない精神を物質化するための技術のこと」とおっしゃる人で、社会と関わるツールとしてのアートや、内面から自ずとにじみ出るアートとは違って、すごく理詰めの作品世界を構築しています。作家であると共に日本美術のコレクターでもあって、今回はコレクションと自分の作品を組み合わせて展示空間を作っていて、意外性たっぷりの展開で一気に見せてしまいます。死者の書の軸装、蝋人形や古生物のジオラマの写真(と大量の化石)、ピントを無限遠のさらに向こうに合わせた写真、数式の可視化、放電現象の写真化、五重塔の実寸大の写真と古材、日本仏教史を1ページでまとめ、鏡をハンマーで叩き割る、、、実はあまり期待してなかったんだけど、今週一番面白かったのはこれかな。

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