2010年9月14日

豊島

さて、大島からの復路便の到着時刻と豊島行きの出港時刻の間隔は10分。小豆島への方針変更も考えていたが、なんとか滑り込みセーフで豊島へ向かう。まず案内所からレンタサイクル屋さんへ向かうが、ママチャリしかなかったので断念(坂が多いからちょっと無理)。そうこうしているうちにお昼のバスが出ちゃったので、とりあえず近所の散策をすることにして、まずは腹ごしらえもかねてトビアス・レーベルガーの作品(レストラン)へ向かう。
これはテラスの様子。空いてるのでここで食事にしたが、陽射しも漏れてきてさすがに暑い。空調の効きは2階がベストだが、プレート持って階段上がるのが面倒。まあ、これからは涼しくなるだろうから気に入ったスペースでどうぞ。

この後、木下晋の作品を見に行く。最後の瞽女、小林ハルさんを描いたものだが、作品より小林さんの人生が面白い。豊かな人間はどんな環境でも豊かだし、貧しい人間はいくら裕福になっても貧しい。
バスはまだ動かないので、歩いて横尾忠則作品へ。バスの時間までぼんやり庭を眺めて過ごす。落ち着くような落ち着かないような。
バスに乗り込み海を眺めながら甲生集落へ。塩田千春の「遠い記憶」。役目を終えた公民館を改装した空間。心なしか窓や扉が増えているような気が。
この集落はオーストラリアの作家さんが主体。キャメロン・ロビンスの「潜在意識下の海の唄」。堤防にボートを共鳴胴にしたパイプオルガンを設置。波によって起こる気流が音を奏でる。遠くからでもよく見えるんだけど、傍まで寄らないと何が作品なのかわからないのが面白い。
ヒーリー&コーデイロの「残り物には福がある。」。のどの部分にちゃんと喉仏があるのが笑えた。
スー・ペドレーの「ハーモニカ」。日曜美術館のせいで混雑するのは正直迷惑だったが、ここの箪笥の細工はおそらく番組で見てないと気付かないだろうから、悪いことばかりじゃない。並べられた食器は豊島を象っている。

この後、満員のバスに無理矢理乗り込んで唐櫃岡へ。曲がりくねった坂道をバスがあえぎながら(2速で)登っていく。「重いから降りてください」という展開を危惧したが、さすがにそれはなかった。「ストーム・ハウス」と「島キッチン」を見て、藤浩志の「藤島八十郎をつくる」へ(作品名が変更になってます)。
藤島八十郎という架空の人物の生活の場を、作家やボランティアが実際に生活しながら作り上げていくという趣向。こういうの好きだなあ。わくわくするよね。
こういうくすぐりがたまらない。
青木野枝の「空の粒子/唐櫃」。作品もだけど、神社からの景色とおいしい湧き水が魅力的。
神社から明神池が見えたので、田んぼのなかの地図にない道を歩いて戸髙千世子の「Teshima sense」へ。どうも正規のルートではないようなので、よいこのみんなは真似しないように。

デジカメには風防なんか付いていないので風切り音がうるさい。できれば音声は切ってご覧ください。でも、動くと楽しいでしょ。

この後、唐櫃浜に移動し、「ビューティー」「ノリとたゆたう。」へ。ノリ工場とどう繋がるのかはいまひとつ理解できなかったが、たゆたうのは楽しい。子供連れにお勧め。

この島には(まだオープンしていない)豊島美術館の他、ボルタンスキーと森万里子の作品もあるのだが、時間も厳しいし、バスは混雑して乗るのも大変だし、船だって乗れるかどうかわかったもんじゃないので、このあたりで切り上げて港へ。予想通り桟橋には行列が出来ていて、最終便だというのに積み残しも出た(折り返しの臨時便で掃いたみたいだけど)。予約制にしろとか整理券出せとか、そもそも帰れない人数を島に入れるなとか、船会社のスタッフに絡む人もたくさんいたけど、都会の流儀を押し付けるのもどうなんだろう。とりあえず船は既に増便していてこれ以上はないんだし(3年後もあるのなら、瀬戸内海の別の地域からチャーターを考えるべきだろうけど)。フェリーは椅子の数より定員が多いからどうにでもなるけど、高速船は定員一杯しか乗れないから、休日に島に渡る時は気をつけてうまく立ち回りましょうね。

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