2009年3月3日

おまかせ1日ツアー(2)


午後はスノーシューでのハイキング。この会社は例年だとフレペの滝でもクロスカントリースキーを使うそうだが、今年は雪が少ないため他社同様にスノーシュー(西洋かんじき)を使用。

林を抜けて草原(この季節だから雪原か?)に出ると、あきれるほどエゾシカがいる。
パッと見は平山先生の描くシルクロードみたいですね。
親子、だそうな。
冬の間はえさが少ないので、シカは木の皮を主食にしている。食べ過ぎると枯れてしまうので、シカが増えすぎるのは実は大きな問題。温暖化のため本来は冬を越せないはずの弱いシカが生き残り、生態バランスが崩れかけている。かといって、世界遺産区域だから間引くのもままならないようだ。自然保護ってのはなかなか奥が深い。ちなみに、こいつらは親子ではなく赤の他人。シカのオスは子育てには参加しないそうだ。
アムール川に思いをはせるシカ。
ワタリガラス(ヤタガラス)。流氷と共に北からやってくる。
フレペの滝。全体像は海からしか見えない。この写真ではわかりにくいが、崖の中腹から地下水が流れ出て滝となっている。下方向だけでなく上にも氷が伸びているのは、滝が入り江の奥にあるために、滝の部分で集まった風が吹き上がり、一緒に巻き上げられた水が凍りつくため。そもそもこの一帯が草原になっているのは、地形の関係で周囲より強い風が吹くため木が育たないんだとか。ここは四半世紀前の夏に知床に来たときに観光船で海から眺めたけど、水量も少なくてまあどうってことなかったな。雪解けの時期がお勧めだとか(それも大きな船でなくカヤックで入り江の中まで入るのがお勧めだそうな、商売上手なことで)。
ほんとにいい天気で、知床連山もくっきり見えました。気温も高いし(といっても氷点下じゃないってだけだけど)、陽射しも暖かで、雪も少ないし、ガイドさんによると「まるで3月下旬の知床」だとか。まあ、こっちはラッキーでよかったけど、この調子であっさり流氷がなくなったんではガイドの商売上がったりだよなあ。次の四半世紀後にはこんなところまで足を伸ばす元気はもうないだろうけど、この光景はいったいどうなっていることやら。

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