2009年8月7日

7/23 河坊街

最終日は基本帰国するだけなのだが、空港へ向かう前に河坊街へ。明清代の商店街「清河坊」を模したショッピングストリートだ。
平日の朝だし、暑いしで人影は少なめ。画面奥に電動オート三輪が走っているあたり、作られた街ならではの光景。のんびりお買い物、と言いたいところだが、観光用なのでお値段は高めで、粗悪品も多いらしい。まあ、あまり気にならないものを2、3購入。
中国では布袋さんが弥勒菩薩である。前日の飛来峰でも一番有名な仏像は布袋さんだったりする。リアル布袋さんもステキ。

さて、この河坊街に道路に面して白壁が続き店が見当たらない一角がある。街が整備されるずっと前からこの地で営業する漢方薬局「胡慶餘堂」だ。
わき道から中に入る。天井も高いし、採光も十分で中華風デパートの1階みたいなつくりだ。

この店を建てた胡雪岩は清代末期の人。金貸しの便所掃除から身を起こし、騎乗のまま紫禁城への入城を許されるまでに出世した清代の商売の神様だ。金融、不動産業から茶や絹の取引、武器売買、アヘンの密売まで幅広くこなし、最盛期には清朝の国家収入に匹敵するほどの財力を誇ったと言う。もっとも、そんな人でもあっという間に没落してしまうのがビジネスの世界。傘下の銭荘(銀行ですな)が破綻したのを契機にすべてを失ってしまう。それでも、経営者の代わった胡慶餘堂はその後も中国を代表する漢方薬局として今に至っている。ふと見ると、ガイドもなにやら買い物に来ていた。
さて、店の奥、かって工場や事務所であった部分は現在博物館として公開されている。2階は漢方医学に関する文献や資料が並ぶ。中国語表記しかないので予備知識がないと何のことやらわからないが、そこそこ楽しい。続いて1階へ降りていく。
1階にもいろんな展示があるのだが、大きなスペースを占めるのが漢方薬の原料の展示。ほとんど自然史博物館である。
前の2階から降りてくる階段の奥にもサイの剥製が飾ってあるのだが、中国にいる動植物は全部試したんじゃないかという勢いでサンプルが並ぶ。ちゃんと恐竜の化石まである。ほんと、人間の長寿への欲望は限りないなあ。
よく整備された中庭だが、飾られた植物はすべて薬の材料。まあ、旅の最後にふさわしい出し物ではありました。

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