2010年5月31日

上海世博会

行ってきました上海万博。

前日までの入場者数のレコードが38万人ほどだったのだが、我々の出かけた日は一気に50万人を突破した。さぞかし人で溢れている、のかというと実感としてはそうでもない。もちろん大多数のパビリオンを入場待ちの列が取り巻いているのだが、空いているところは空いている。とにかく会場が広いし、道が広い。トイレもたくさんあってきれいだし、ちょっと休めるところも(本来ダメなところも含めて)たくさんある。朝から曇りで夕方から晴れという天気も理想的で、まずまず快適に過ごせた。前日の雨で靴がぐちょぐちょだったのは誤算でしたけど。

大阪の万博は未来都市の夢を描いたが、上海万博が描くのは現在の都市生活だ。だから、日本人の思い描く「万博」を期待してると拍子抜けするし、食い足りない気持ちが残る。ただ、もともとのコンセプトが「クールな日本を世界の人に見せて電化製品を買ってもらう」ことではなく、「農村の人たちに都市生活が何なのかを教え物欲の虜にする」ことらしいから、まあ、仕方がない。今の中国にとって大事なのは製品を世界に売り込むことではなく、国内の市場を拡大することなのだ。ただ、だったら万博など名乗らず内国勧業博覧会で十分なのにねえ。実際、お客さんも中国人がほとんどで、欧米から来ているのはビジネスマンばかりらしい。アジアからはアホな観光客(わしらのことだ)も行ってるみたいですけどね。

会場一帯はもともとは工場とスラムが広がっていたらしいが、万博を名目に国家が地上げを行い新しい街として整備した。博覧会終了後は高級住宅地として生まれ変わる予定だ。そのため、道路部分は上海の他の部分と同じ構造だし、会場内の交通もバスや地下鉄といったお馴染みのもの。地下鉄には自動改札やホームドアがないし、バスは電気で走っているが、内装はそれぞれ街中を走っているものと同じで夢も何もない。人々は街中と同じようにドア付近でで押し合いながら乗り降りする。今回お世話になった上海在住の日本人によると「万博の意義は農村の住民に都市生活の流儀を教えること」らしいので、バスに乗るにはどうすればいいかを体験させるのも重要なポイントなのだ。ただ、それならそれで、もう少し整列乗車を徹底させるといいのにね。もっとも、事前に予想していたより上海の人々は「文明的」でした。ラッシュにかち合ってはないけど地下鉄で目的地で降りられないことはなかったし、席を譲る若者も見かけました。それでも、東京と大阪の違いより大阪と上海の違いの方が大きいし、中国の他の都市はもっとすさまじいんだろうけど。

というわけで、しばらく中国ネタが続く予定です。

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