2009年11月10日

11/1 (5)

当面の目的地のうぶすなの家で一休み。クルミを購入。「割ってあるから簡単だよ」とは言ってもらったんだけど、確かに割れているのだが頑丈な造り(?)でうまく中身が取り出せない。結局後日コンビニでドライバーセット(!)を購入してなんとか完食。

その後、ある意味この日のメインディッシュのミティラー美術館へ。思ったより案内表示が充実していてわかりよいといえばわかりよいのだが、予想以上にとんでもない山の中にあった。何度か「引き返した方がいいんじゃないの?」と思いながらなんとかたどり着く。
実はこの写真は見学後に撮ったものだが、ここもご他聞にもれずかっての小学校。ただし、ここが廃校になったのは五六豪雪の時で、集落全体が離村したために廃校になったらしい。確かに、今となってはどこに集落があったのかも定かでない(池のまわりだとは思うが)。今でこそ廃校の後利用がブームになっているが、ここが妻有における廃校プロジェクトの嚆矢なんだとか。

最初にミティラー画と出会ったのはちょうど20年前の名古屋デザイン博だった。その後も折に触れいろんなところで見てきたし、我が家も1点だけだが作品を収蔵している。美術館があるのは当初から認識していたが、地図で見るだけでもとんでもないところ(インドよりは近いけどね)なので、訪れるのはちょっと無理だと思っていた。トリエンナーレのチラシを見た時に真っ先に「ミティラー美術館のあるところじゃん」と行くことを決意。とはいえ夏はいろいろ忙しいのでどうしたものかなあと思ってたら、今年は秋開催もやるというので無理矢理スケジュール調整をして新潟までやってきた次第。いろいろと感慨深いものがありますね。
2日前までテラコッタの作家さんが滞在制作をしていたとかで、展示室というよりアトリエの風情。展示も思ったより絵が少なくて立体主体の構成となっていた。まあ、それはどちらでもかまいませんが。見学中に本降りとなり、雨音が激しくなってきた。地震の後で手を加えて再開したとはいえ、あちこちに爪跡が残っており、展示室内にも雨漏り対策の金だらいが置かれていた。というか、インド本国でもそれなりに評価されている美術館のはずなんだけど、こんなのでいいの?という気も。まあ、こっちは大満足でしたが。

このあと、行武治美の「再構築」も見に行ったんだけど、もう天気が悪くて見学どころじゃない(管理人も撤退していた)ので写真もなし。これは好天の時に見たかったなあ。

2009年11月9日

11/1 (4)

「戦後のラブレター(イフガオの棚田から新潟の棚田へ、愛をこめて)」
この夏、フィリピンの世界遺産「イフガオの棚田」から職人さんがやってきて小屋を建てた。大工さんだけでなく、彫刻の人やコックさん、撮影部隊まで15人ほどの大部隊だったらしい。その小屋を見に行った。当然、ドキュメンタリー映画があるそうなので、一度見てみたいものだ。

第一印象は「鬼太郎の家」。ゲゲゲハウスは一本の大木の上に建っているので実際にはちょっと違うのだが、雰囲気は共通する。水木先生はラバウルでの従軍歴があるので、意外とあの家には南洋のイメージが投影されてるのかも(従軍歴は抜きにしても民族学オタクだけどなあ、あの人は)。

こういう細かいところがなかなか凝ってます。ずっと見ていたいけど、天気がどんどん怪しくなってくるので退散。

第61回正倉院展

即位20年記念でいつもよりちょっとだけ会期が長いのだが、その分宣伝も行き届いているのでやっぱり長蛇の列。ただ、今回は試しに日が暮れてから出向いたので、入場待ち時間そのものは変わらないものの、入ってしまえばケースの前で固まってしまう熱心な観客はほぼゼロ。サクサク流れて思いのほか快適でした。朝から並んじゃダメってことだわね。ブツもいつもより好みのものが多かった、かな。

2009年11月8日

「世界の民族楽器 技が伝える時代のハーモニー」

一度行かねばとは思っていたのだが、実は天理に足を踏み入れたのは初めてだったりする。一見無駄に広い駅と広大な駅前広場、やけに広い空。これが決して無駄なスペースではない所がすごいよね。駅前で幸福の科学のチラシ(とボールペン)をもらったのには面食らったけど、天理教の方がオトナの対応をしてるんでしょう。駅から続く商店街も一見普通なのだが、売り物に信仰の場で役立つものがチラホラ(正座椅子とか)。歩くほどにはっぴを着た人が増え、公園ではお馴染みの紫のユニフォームの子供たちが掃除に精を出している。切り取られた自然、人工的な町割り、低層ながら巨大で威圧感のある建造物。どこか万博会場を思わせるつくりだ。思っていたよりずいぶんたくさん歩いて(後でよく見たらちゃんと「徒歩30分」と書いてあった。ぜんぜん読んでないんだから、、、)天理参考館へ。

特別展は確かに面白かったし、体験コーナーを玄人さんが占領して見事な演奏をしていたのも印象的なのだが、そんなことより常設展がすばらしい。布教に役立てるために世界中の生活文化を体感してもらう(だから「参考館」なのね)ためらしいが、金と手間を惜しまずに集めた資料を贅沢な空間で展示している。特に、パプアニューギニアの仮面の展示には痺れました。日本の文化活動を担うのはやっぱ宗教なのかなあ。

11/1 (3)

この後は仁田地区を経て信濃川を渡り、うぶすなの家へ向かう。
「FRP fabric Copse」、この空間も確かにおもしろいのだが、ここでいちばんウケたのは、
このシーサー。写真にするとのっぺりだが、実物はもっと愛嬌がある。
「この大地と空の間」、この場所も学校跡らしい。
「自転車からの眺め」、とりあえず自転車を漕いでみる。
ついに太陽が厚い雲に隠れてしまった。楽しい旅も終わり、かな。
「バタフライパビリオン」、ここはステージ企画を見てみたいねえ。

2009年11月7日

長澤英俊展 オーロラの向かう所

作品も確かに面白いんだけど、会場のビデオなんかを見てると、何よりもこのおじさんが面白くて、イタリアで「ヘンなガイジン」として評価を受けてるような気がしました。まあ、それで十分なんですけどね。

11/1 (2)

作品を探しながら鉢地区へと移動。お目当ては田島征三の「絵本と木の実の美術館」。
旧体育館から入場。もうこの時点で表情筋がゆるんでます。この日は地区のお祭りで野菜の即売や餅つき大会などが組まれていた。「牧伸二コンサート」というのにはかなりそそられるものがあったのだが、そんなもの待ってたら一日中ここにいる破目になるので泣く泣く断念。しかし、正直でいいと言えなくもないが、「芸人様控室」はないだろうに。

この日は他にもあちこちで祭礼を見かけた。収穫が終わって雪が降るまでにイベントをこなそうと思うと、どうしても集中しちゃうんだろうなあ。
ここは廃校プロジェクトの一環で、古い小学校を立体絵本として再生しています。校舎のあちこちに怪しい生き物?がいっぱい。
ちゃんと授業も受けます。
学校の備品もこうして並べるとなかなか味が出ますね。
最後にはお化けたちは学校を飛び出して社会?へと出て行きます。
ほらね

gallerism 2009

これがタダのイベントでちゃんとした図録までもらえるんだから、世の中まだまだ捨てたもんじゃない。前年度覇者?の牛島光太郎はさすがに面白かったけど、伊藤亜矢美が気に入りました。もう少し作品を見てみたいなあ。

2009年11月6日

11/1 (1)

この日の朝はすばらしい好天に恵まれた。前日は夕闇の中を宿に向かって、それでも見事な紅葉に「こりゃあ昼間見たらすごいだろうなあ」とは思ってたけど、実際に抜けるような青空の下でのドライブは最高ですわ。あと、凛としたススキの穂も印象的。空気もきれいだし、珍しく窓を全開で走ってミオンなかさとへ。
「妻有で育つ木」、都会で見ればそうでもないんだろうけど、この山里でメタリックな植生というのが泣けると言うか笑えると言うか。これも水の管理が大変なんだろうなあ。
「いちばん長い川」
さて、ミオンなかさとの作品は最初の報告で「鳥たちの家」を扱ったのでパスして、周囲の田園風景。
はいはい、気をつけます。
他所でも見かけましたが、リンゴドクガかなあ?

2009年11月5日

10/31 (2)

津南に宿をとっていることを考えると順序が無茶苦茶だが、松代に向かい城山に登る。
山の上から農舞台を望む。解像度的に難があるが、イエロースライダーやかまぼこ画廊が確認できる。駐車場から松代(金)城までがまた結構な山登り。へろへろになりながら城内へ。
アンパンマンとトトロ。実はピアノの方が面白かったんだけど、日記に載せるのならこっちでしょう。
「米の家」、風景の中に置いても面白いのだが、中に入るとまた違った味が出る。ミニチュアの看板(?)も楽しい。
陽もだいぶ傾いてきた。相田明の「遷移」。すっかり風景に溶け込んでますね。
「フィヒテ」、森の中の図書館という趣向。本棚にはカギがかかってるのかと思ったらちゃんと開いてて本が読める。いったい誰がどう管理してるんだか。今から考えると、(城山には行ったんだから)雨のときにも覗いてみればよかったなあ。
松田重仁の「円-縁」。これは楽しい。
山中の作品はこれで半分くらいだが、日も暮れてきたので農舞台まで降りる。
「蟻について」、妻有にはこの季節だというのにたくさんのカエルたちがいたが、蟻の頭部にもカエルがお住まいでした。
オノレ・ドゥオーの「地震計」、もうすっかり夕暮れである。
草間彌生の「花咲ける妻有」(と月)。

2009年11月4日

10/31 (1)

さて、せっかく買ったガイドブックもろくに読まず行き当たりばったりの旅なのだが、とりあえず天気がいいのは2日目の昼まででその後は雨(雪?)の予報だったため、まずは好天の方が面白そうなところ(って、たいていはそうだが)を回りたい。ということで最初に向かったのはナカゴグリーンパーク、メインディッシュはタレルの光の館だ。
ふもとからの写真を出すのは反則かな、という気もするが、、、紅葉は終わりかけだったのだが、空の青さもあいまって美しい。
最大の売りは空を四角く切り取るサンルーフ。(写真にしてしまうとわかりにくいため)若干画像処理を施しているが、普段意識しない空の色の変化(太陽のある側が白っぽくて反対側が濃い青)をうまく見せてくれる。夕暮れになるとさらにダイナミックに変化する(らしい)。
もちろん、それ以外も内と外のコントラストは見事。浴槽にはさらに凝った仕掛けがあるそうだが、夜にならないと体験不能。
ここはやっぱり泊まってみないと本当のよさはわからないのだろう。とはいえ、それなりの人数が必要なので敷居が高い。東京はまだいいけど、関西からだとさすがに遠いからねえ。そもそも、いつも一杯だし。
パーク内には他にも作品が散在。こちらは藤原吉志子のもの。ロバにまたがるのも楽しいが、遠景のモズ男がかっこいい。
近くの節黒城跡キャンプ場にも作品が。ただ、こちらはちょっとしたハイキングコースで、山を歩いていると作品に出会える趣向。本当は柳健司の展望台とかが面白かったのだが、写真がない。歩くのに必死でそれどころじゃなかったらしい。しかし、えんそくの1週間後で体が慣れてて助かった。これが逆ならこの時点でバテバテで次の日から死んでること請け合い。紅葉もだが、凛としたススキが美しい。

2009年11月3日

帰りました

3泊4日の日程でしたが、2日目の昼までは9月下旬の陽気。そこから一変し、3日目の晩は師走の寒さとなりました。ノーマルタイヤで動いてるし、たまたまこの日の宿がとんでもないところ(後述)でずいぶん気をもみましたが、無事に帰宅できました。よかったよかった。

これが
こうなった、ということやね。