2018年10月3日

大地の芸術祭(16)

結東には島袋道浩の作品が3つ展示されている。まずは石垣田の作品「白いはじまり」へ。
かたくりの宿のそばの神社の石段を登り
雨で滑りやすい山道を10分ほど歩くと
パッと視界が開ける。この地域で代々受け継がれてきた石垣田だ。
作品は、過疎で休耕田が増えてきた石垣田をもう一度掘り起こし白い花の種をまく、というもので、左手の花がそれなんだろうけど、
ここまで人を連れてくるための口実のような気がするなあ。そんなことは抜きにして美しいよね。
そろそろ収穫
眼下には国道(の工事現場)が
山の中腹に石垣を用いて棚田を造り、日照と地温を確保する、というのはペルーで見た風景を彷彿とさせます。こちらは遺跡ではなく現役ですが、とはいえ遺跡になりかけているのも事実。これを維持するのは(農作業の苦労というだけでなく道路等インフラの維持も含め)大変だよなあ。
おまけ、神社から見た「Melting Wall」
おまけその2、周辺の国土地理院地図。中央南の温泉がかたくりの宿。神社から600mの等高線に沿って進み三角点の先の田んぼのマークが石垣田。川からは離れてる(標高差もずいぶんある)けど背後にそれなりの山があって雪解け水も含めると水は確保できそうだし、南東向きの緩斜面で日照もばっちり。石垣が輻射熱を捉え地温を上げることで雪国の短い夏でも稲を育てる。昔から人が住んでるのにはそれなりに理由がありますね。あと、よく見ると国道から石垣田に向かう道があって(でないと今どきの農作業はできないわな)こっちの方が往復は楽なのだが、山道を歩いているといきなり視界が開けて、という体験をさせたいがために神社の石段が推奨コースになっているようですね。さらに言うと、集落の南東の川幅が狭くなった部分に次回(たぶん)紹介する吊り橋がかかっています。

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