2019年3月31日

福島へ

7年ぶりに福島に行ってきました。おめあては去年からやってる飯館村山津見神社の天井絵を見に行くツアー。去年はいろいろ考えてるうちにすぐ満席になっちゃったので、速攻で申し込んで交通機関、宿を押さえて臨みました。金曜日の夜行バスで福島へ。ちょっと用があって競馬場を冷かした後で、駅前に戻りツアーの受付をしバスに乗り込む。福島もずいぶん暖かくなって気の早い人は夏タイヤに換えちゃってたようなんですが、強烈な戻り寒波で福島市街で小雨。山に入っていくとだんだん白いものが舞うようになり、飯舘村に入るとすっかり雪景色でした。
昼食会場(後ほどティータイムにも利用)の飯舘村交流センター。建物も立派なのですが、ステージのスクリーンが上がり窓から外が見えると思わず歓声。いい演出でしたね。
お昼ごはん
村のお兄さんお姉さんたちが腕を振るいました。ご馳走さまでした。
神社に向かう前に八谷さんのレクチャー。八谷さんは前回参加しようと思ったら満席で断られ、担当の大森さんに「次は是非」と念押ししておいたら今回は講師で呼んでもらった、そうです。オオカミ絵の復元を担当した東京藝大荒井教授のインタビューを中心にたっぷり。
さて、交流センターのロビーにはお約束で各界有名人の色紙が並んでいるのですが、個人的にこの2枚が並んでいるのにはかなりグッときました。
いちおう村の現状ですが、除染で出た放射性廃棄物はまだ大量に残っています。とはいえ、中間貯蔵施設への移送も進んでいて、ピークからはかなり減っているとか。空間線量も(帰宅困難地域を除けば)常識的なレベルです(時々表示を見かけました)。
さて、こちらが山津見神社の拝殿。
左右には狛犬ならぬオオカミが鎮座しています。
で、こちらが拝殿の天井の様子。山津見神社は山の神(大山津見神)を祀っていて、その使いが白狼ということになっています。オオカミはもちろん家畜を襲ったりすることもありましたが、畑を荒らす害獣を滅ぼす聖獣でもありました。この天井画は明治37年に旧相馬藩の絵師、伏見東州が中心となり奉納したものですが、原発事故による全村避難中の平成25年に拝殿もろとも焼失してしまいました。その後、荒井研究室で復元を行い(拝殿の構造が変わったため237枚から242枚に増えています)新しい拝殿に奉納されました。
拝殿内で橋本さん、八谷さんと(実際に修復に携わった)向井さんによる鼎談。たいした打ち合わせもされていないと思うのですが、さすがに話の運びに無駄がない。絵が描かれた時期には二ホンオオカミはほぼ絶滅していて(最後に確認されたのが明治38年)、絵師たちも犬を見て描いてるんじゃないか、とか、絵具は基本的に墨と朱と胡粉の3種類、ピンポイントで金箔やプルシアンブルーも使用、とかいった話。やっぱり実際に絵を描いた人の話は(そうでないと分からないこともあって)面白い。
青はこの絵の目とかに使われてます。


作品も良かったし、話も良かったし、大満足。センターに戻っていただいたコーヒーも美味しかった。このツアーの予算は村から出ていて、最終的には移住促進とかに結び付けるのが目的のようです。まあ移住はちょっとなんなので、とりあえずふるさと納税をするのかな。

さて、この日は飯坂温泉に泊まって照井の円盤餃子を食し、翌朝福島県美術館へ。ちょうど若冲展が始まったところで、雪だというのに(美術館の裏の山も白かった)それなりに行列。ただ、展示室はさほど混みあってなくゆっくり見られました(大作は後期の方が多いみたい)。墨の作品が多かったのも好みに合致。満足。あと、常設の橋本章もよかった。オオカミ絵の図録が残ってないかと思ったけど、これはなかった。残念。

で、素直に新幹線で帰ればいいのに、安さに負けてLCCで仙台から関空に飛んだのでめっちゃ疲れた。風邪も悪化したし、、、

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